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葉月三日

 名古屋で集中講義が始まる。

 猛暑の中を駆け抜ける4日間は,意外なほどあっという間に終わる。

 縦横無尽に多分野の知見を紹介し,「カリキュラム論」を展開する。

 毎年,新しい内容を入れ込もうとするが,大概オーバーフローする。

 4日間に半期分の情報量や作業をそのまま課すことは難しい。

 知識が染み込む時間が絶対的に足りない。

 だから,浸透率を上げるための工夫があれこれと必要になる。

 私自身の力量不足もあり,十分な質や量を提供できていない。

 それとも,高望みしすぎなのだろうか…。

 山積する課題に立ち止まるのではなく,解決に向けて前進すること。

 その姿勢を養うために必要な事柄は,私自身がそのことに対して

 真摯に向き合う姿勢を維持することより他はない。

 毎年の集中講義は,そのことを確認する貴重な機会となっている。

文月三一日

 なんとか採点と成績処理作業が終わった。要領の良い皆さんは,日頃から受講記録や課題達成を点数化して,計算式に放り込んだら自動的に成績が付くようにされているのかも知れない。
  
 私も大ざっぱな計算式は描いてあるのだが,なにせ授業も試験も生ものみたいに考える人間なので,毎回最後になってから計算式を最適化するのに時間をかける要領の悪さがある。

 結局,職場で夜を明かして成績をつけ,学部学科ごとに分かれたフロッピーディスク内に入力していく地道な作業を終えた。後期からは学内ネット上で入力できるようになるらしいが,昨年度からそう言われ続けているとかいないとか…。物事を推し進めるのも阻むのも,最後にゃ人間。そして私は睡眠時間が欲しい。

 八月がやって来る。

 夏は,毎年恒例のカリキュラム論の集中講義がある。

 今年度で七年目だ。

 この七年の間に,仕事に悩み,仕事を辞め,単身上京し,学業に励み,再び職を得て,いまに至る。

 すべてを無くす覚悟で退職したのに,唯一残っていたのが「夏の集中講義」だった。

 都会で困ったときに「非常勤講師」という肩書きが我が身を助けた。

 そしてこの七年間,夏になると見慣れた場所でいつもの授業が始まる。

 そんな変わらぬ場所があることのどれほど有り難いことか。

 今年も八月がやって来る。

文月二八日

 採点の日々。試験の出来はすなわち自分の授業の成果ゆえ,自らの力不足を糾弾されるが如く。誰も慰めてはくれないので,現実逃避しながら孤独な作業を続ける。続けてたら用事一つ忘れた。

Young Japanese Women Vie for a Once-Scorned Job(NYT:登録必要)
http://www.nytimes.com/2009/07/28/business/global/28hostess.html

 不況下で日本の若い女の子達がホステスを志望しているというニューヨークタイムズのレポート記事。age嬢文化の紹介も兼ねていると思うが,諸外国の人々の眼にはどんな風に写るのだろうか。

Nyt_20080727
(公開当日は自由閲覧できるのだが,翌日からは登録者のみへの公開になるしくみ…)

 民主党のマニフェストや政策集がインターネット上でも公開。教育関係で大胆な政策を掲げているが,実行は厳しいかも知れない。たとえば企業が内部留保の何パーセントかを文教寄付すれば税制優遇される,というような仕組みを作らないと,地方の財政によって成り立つ学校教育のリッチ化は難しいと思う。

 教員養成が6年制になることは長期的に望ましいが,教員免許開放制との整合性の問題,実務家教員の確保とそれによる教員養成現場の高齢化,そして教員養成系大学学部の再編論の再燃など,教員養成現場のドタバタは続きそうだ。

 教育委員会制度の抜本的見直しの詳細が分からない以上,まったく予測は描けない。文部科学省,首長,都道府県教育委員会事務局,市町村教育委員会事務局が仲良くねじって分け合った権限を,どこか一ヶ所に集約した場合のブレーキをどうするのか。監視する組織を作るというが,監視する組織の監視は誰がするのかというお馴染の問題はすぐに表面化するだろう。改革はともかく日常的な運営の場合,権限監視型よりもバランス調整型の方が日本には合っていると思うのだが…。

 それもこれも結局,自民党があぐらをかきすぎて,手を抜いたのが全部悪いのであって,ここまで来ちゃった以上は,何が起こっても驚かないようにしよう。

文月二三日

 この頃は睡眠時間が少ないのにも慣れてきたのか,真夜中帰って早朝出勤の日々が続く。授業は区切りがついて順次試験を実施しているので,そのための問題作成や出席処理をしている。

 学会発表申し込みのための原稿を作成するのも時間がかかった。昨夜ようやく2頁に押し込んで完成した。来月初めには毎年恒例,夏の集中講義が始まる。そのための準備もしておかなくてはならず,宿題が溜まっているのは相変わらずである。

 どこか遠くへ旅してみたいが,働けど働けど貧乏なので,せめて自宅の湯船につかってのんびりさせてくれれば,それでいい。

文月東京出張

 カリキュラム学会が千葉・神田外語大学で行なわれるのに合わせて金曜日から東京に出かけた。一ヶ月前にもお仕事のお呼ばれで東京に出かけたので,あまり間を空けずに東京行きが続いたことになる。実力ある先生方は,分単位で東へ西へと仕事で奔走されているのだろうが,私のような傍流逆流研究者は月単位で出かけられるだけでも贅沢なのだ。

 先回は朝っぱらから自転車漕いで駅へ向かうところから始まったが,今回はお昼のフライトなのでバスに揺られて駅そして空港へと向かった。ところが羽田からの飛行機に出発の遅れが発生し,私が乗る折返しの飛行機も影響を受け出発遅延。珍しく徳島空港をじっくりと眺めることになった。

 空港内には近所の小学校の児童が描いた壁新聞やお手紙が展示されていた。どうやら空港見学した成果とお礼らしい。地方空港の仕事や飛行機に運行に関わる話など,調べたことを文章や挿し絵,クイズにしてまとめていた。
 その中に「徳島空港は一年以内に無くなる」というクイズがあって,「ははは,さすがに×だろう」と思ったら正解は「○」。え〜?!と思ってふにゃふにゃの文字の解説を読むと,どこかへ移転して現在の施設は自動車教習所になると書いてあった。その移転先がどこなのかをあちこち調べたら,正確には滑走路が増設されるに伴ってターミナルも新しいものが少し離れたところに出来上がる予定なのだと分かった。

 そんな子どもたちの壁新聞も,フライトが時間通りだったら通り過ぎて見もしなかったかも知れない。偶然が呼び寄せる嬉しい巡り合わせに身を任せる旅の始まりである。

 羽田に着くと,まずはN先生との打ち合わせ。飛行機が遅れてしまってお待たせすることになったが,久しぶりにお会いして,あれこれ宿題の成果をご報告する。めぼしい仮説を提示することはほとんど出来なかったが,お互いの考えていることのすり合わせが出来たので,今後しばらく継続してストーリーを考えることになった。

 そこから急いで東京大学へ。午後5時までに教育学部の図書室で文献コピーをしたかった。この調子だと到着は4時半,文献を探してコピーする余裕は30分である。目的の文献は検索済みだし,ある程度勝手知ったる場所だから,予定通り間に合えば心配ない。とはいえ,面倒なことを避けるためには,なるべく早くたどり着き,慌てずに作業したかった。

 幸い,教育学部図書室での文献コピーは無事終了し,とりあえず福武ホールにとことこ歩いていく。研究室に行こうかどうか迷ったが,今回は手土産買うのを忘れてしまったし,「また来たんですか」と思われるのも悲しいので,前回会っていなかったHさんの顔でも見て帰ろうかと思ったら,いろんな人に発見されて,結局研究室にもお邪魔した。

 あれこれみんなの会話に耳を傾けつつ,事のついでに研究室の文献もコピーして,まあ,みんな相変わらず元気そうだったので,ホテルにチェックインするために失礼することにした。次回は,ちゃんと手土産を忘れないようにしよう。

 ホテルにチェックインして,すぐさま出かける。向かった先は新宿。前回は池袋ジュンク堂であったが,今回は新宿ジュンク堂と新宿紀伊国屋が目的地。いつものように本漁りである。最近は統計処理環境”R”について知りたかったので,新しいところの解説本をいくつか買ってみた。紀伊国屋では,『教育社会学研究』の最新号を見つけた。特集が「質的調査の現在」ということで,教育社会学分野における方法論の議論を知るのに面白そうだった。

 その後,秋葉原へ移動し,ヨドバシカメラへ。子どもたちが喜びそうなiPhone用のケースとタッチペンを漁った。iPhoneを子どもたちに貸し出すときに,カラフルなケースがあったほうが見た目にも機器保護のためにもよいと思われることと,実際の操作を指だけでなくニンテンドーDS風にタッチペンでやってもらうにも悪くないと考えたからである。これも少しずつ進めなくては…。

 ふらっと寄った書籍の階で『UNIX Magazine』最終号を発見したり,タワーレコードでCDを買ってみたり,レストランの階で遅い夕食を食べたりして,ホテルに戻った。

 翌日は朝から京葉線に乗り海浜幕張駅へ。東京ディズニーランドに行く観光客も利用する線なので,途中,若い人たちや家族連れがわんさか乗ってくる。と思ったらわんさか降りていく。海浜幕張に着く頃には空いている。

 日本カリキュラム学会は今年で設立20周年。今回はその記念大会である。私にとってメインの所属学会なのだが,東京暮らしの間はずっとお休みをしていたので,4年ぶりの大会に参加となった。

 学会大会は,良い意味でも悪い意味でも変わっていなかった。

 この学会は,それほど大規模な学会ではないので,大会規模も把握できないほどではない。現場の実践家に対してもオープンだし,学会を構成する主要なメンバーの先生方も柔軟性を持ったオープンな方々で,それがこの学会の良い持ち味になっていると思う。その点はいまでも変わっていない。だから,私は基本的にこの学会が好きである。

 でも,学会での議論も相変わらずなものが多かった。確かにカリキュラム研究の守備範囲は曖昧かつ複雑で,研究方法の議論に関しても,一筋縄でいかないところがある。どちらかといえばコテコテの文系学会なのだが,そうした側面がカリキュラムに関する問題を外部を巻き込んで行なうことの壁にもなってしまっている。

 そして,今回久しぶりに参加して自分自身驚いたのは,確実にみんなが年をとっているということを感じたことだった。そんな身も蓋もない感想を言ったら「そりゃみんな3歳年取ったんだから」と笑われたけど,でも,なんとなく,これから学会はどうなるんだろうと思ったら,少し不安というか,寂しさを感じたのであった。

 長らくご連絡しなかった先生方にお詫びをかねて近況報告。徳島に飛んで働いていることをお知らせした。皆さん,一様に「よかった」と言ってくださった。学部の師匠と大学院の師匠にも久しぶりにお会いした。お二人とも,お仕事大変そうではあったけれども,それなりに元気でいらした。

 二日目は朝から自由研究発表。興味深い発表をあれこれ聞いて,カリキュラム学会の雰囲気をまた思い出す。また研究発表できるように,こちらの分野も思索を進めたいと思う。

 午後の総会や国際記念シンポジウムにも出席したかったが,徳島に帰る飛行機の時刻や,その他のやっておきたい事との時間配分を考えた末,残念ではあるが午前中でスパッと都心に戻ることにした。国際記念シンポジウムは是非ともじっくり聞きたい内容であったのだが,開始後しばらくして中座しなければならず,だったら最初から諦めることにした。

 その代わり,出かけたのはお台場。実物大のガンダムを一目見ようと思ったのであった。あれこれ勘案した結果,見逃して残念に思えるのは,期間限定の実物大ガンダムくらいという結論である。

 ただ,国際展示場を通るゆりかもめ線の中から「東京国際ブックフェア」が開催されていることが見えた。というわけで,ガンダムを見た後に,ブックフェアに向かうことになった。

 東京国際ブックフェアには,東京に暮らしていながら行ったことがなかったので,この偶然の巡り合わせの機会にぜひ見ておこうと思った。とはいえ,残された時間は一時間程度。駆け足でブースをめぐる。

 同時開催されていたのは「学習書・教育ITソリューションフェア」だった。書籍の見本市だとばかり思っていたが,実際には,ICT機器の展示や教育ソリューションが多数展示されていた。まるでNEW Education Expoみたいな感じだが,こちらは某社の色がないだけに,また違ったメーカーの展示があった。他分野で実績のあるシステムを教育分野に持ち込んだ会社や,小さな開発メーカーが販社と組んで展示しているものなど大変興味深かった(関連記事)。

 来場者に家族連れも多いらしく,幼児関連や教育関連の出版社展示ブースはにぎやかだった。そのことが衝撃的でもあった。ああ,ICT教育の世界って,こういうところに集まる人達にまるでアピールできていなかったんだなと思った。

 本当は,ブックフェアに来るような一般人や家族連れの層にこそICT教育の重要性や学校への機器導入の必要性をPRして,地方自治体を見守る住民の意識を高める必要があるにも関わらず,ずっと関係者の閉じた世界で回していたのかも知れない。今回初めてブックフェアに参加して,その光景を見てそう思ったら,ゾッとしたのである。

 教育関連のイベント・セミナーのリストを見ても,現在,情報教育分野で活躍している私たち馴染みの名前はほとんど出てこない。本当に,これではまずいと思えた。ショックである。

 たった一時間程度ですべては見られなかった。それでも興味深い展示をしているところには立ち止まって担当者の話をじっくり聞いた。どんな考え方やデザインの仕方で商品を提供しようとしているのか,なるべく瑣末な商品知識の説明は省略できるように,こちらも適度に高度な返答をして話をどんどん進めていく。とっても充実したやり取り。

 悔しいながら,人文専門書と洋書バーゲーンコーナーには行けなかった。悲しい!

 でも下手に散財せずに,むしろブックフェアの奥深さをグッと味わうことが出来て,密度の濃い一時間になった。実物大ガンダムありがとう。君が呼んでくれなきゃ,ブックフェアにも行けなかった。

 名残惜しいが,そろそろ東京を離れるために羽田へ。

 いつもなら建物から離れたところに飛行機が停まっていて,搭乗するにはバスで移動しなければならないのだが,この日は珍しく保安ゲート真ん前の搭乗口に飛行機が停まっていた。しかも座席数より多く予約を受け付けたらしく,席を譲ってくれる人募集していた。

 高松行きに変えるか,翌日の徳島行きに変えるか。どちらも協力金が出るし,ボーナスマイルもでる。翌日を選ぶなら宿泊ホテルも手配してくれる。個人的には,ぜひ協力する体験をしてみたかったのだが,さすがに翌日は朝から授業。ボーナスマイルに目がくらんだ理由で休講するわけにはいかないので,協力を諦めることにした。

 夕方の徳島へのフライトは,夕焼けと富士山の景色が素晴らしい。今回はちょっと雲が多かったのだが,それでも,やはり良い雰囲気のフライトだった。幾度か利用すると,見たことのあるキャビンアテンダントさんと乗り合わせることもある。今回は,わりと好きなタイプのアテンダントさんが乗務していたので嬉しかった。もっともこのフライトも一時間しないうちに終わり。飛行機が着陸すれば,日常の再開である。

 本当はもっと多くのことを考えたり,やったはずだが,短縮して書くと,こんな感じの出張である。さてと,あれこれの仕事を頑張って片づけますか。

七夕で星に願いを

 テキストマイニングのツールをあーでもないこーでもないとセッティングしつつ,これまた別件のデータを解析にかけては結果をコピペコピペ繰り返して集計してみる。名前の変わったどこぞのリッチな解析ツールを使えれば簡単なのかも知れないが,オープンソースのフリーソフトでやってみようと挑戦している。

 これ,辞書によっても結果が変わるんだろうか。MeCabという形態素解析ソフトにIPADICというIPA(情報処理推進機構)がかつてつくった解析用辞書の組み合わせで試していたが,どうやらUniDicという国立国語研究所などが共同研究としてつくっている解析辞書の方が,表記の揺れや語形の変異にかかわらず同一の見出し語を与えられるメリットがあるようだ。

 そんな入れ換え作業して,解析作業始めからやり直して,まあ,俺の休み返してくれぇと煮詰まって,近所の七夕祭りに出かけることにした。

 近くに徳島工芸村という施設がある。県立ホールなんかもある場所だ。灯台下暗しでまだ足を踏み入れたことが無かったので,これを機会に行ってみることにした。ちょうど同僚の先生から「土曜日に催し物がある」と聞いたばかりだったので,グッドタイミングである。

 七夕祭りの会場にはもともとコミュニティFMのスタジオがあったり,地元ケーブルテレビの人気番組?が収録に来ていたりとそれなりににぎやかだった。徳島に暮らし始めて3ヶ月。まだまだ地域のことはよく知らないので,地元テレビの人気タレントもラジオのパーソナリティもまだよく分からないが,ローカル空気に包まれて楽しく過ごした。焼きそば専門店の出張屋台があり,美味しい焼きそばとビールを楽しむこともできた。

 成り行きで,コミュニティFMを手伝っている学生さんたちがやっていた七夕短冊コーナーを一緒に手伝い,子どもたち相手に時間を過ごした。本当に久しぶりに子どもたちとやり取りをした。僕が本当に恋しているものがなんなのか,思い出したようにも思う。まだ頑張れると思いもした。

 イベントもそろそろ終わる頃,一段落したのを見計らって祭りを後にした。大学に戻り,もう一仕事。

 短冊に何を書いたのか? 「研究と教育活動がうまくいきますように」

 もう少し粋な願い事は書けなかったのかと我ながら呆れてしまうが,不出来な大学教員だから,それを願うのが妥当なのだと思う。叶うように努力するのは,他ならぬ自分だけれども…。

文月三日

 とうとう七月に入った。授業も大詰めで前期試験を出題する準備をしなければならない。学会発表の申し込み締め切りも近々やって来るが,まだ原稿は準備できていない。それから,あれやってこれやって…,う〜む。

 何年かぶりの賞与をいただく。まだ在籍数ヶ月ゆえ,大喜びできる額ではなかったものの,このご時世,いただけるだけでも感謝ものである。すべては必要経費として消えていくので,プライベート支出は来年度の賞与を待つしかない。一眼レフ・レンズ欲しかったなぁ…。

 来週末は久しぶりにカリキュラム学会に出席する。ずっとご無沙汰だったが,そろそろ最新動向を勉強し直さないといけないと思うので,出席を決めた。少し距離を置いてからもう一度眺め直すことになるので,また違った理解ができるかも知れず楽しみである。とはいえ,久しぶりだからこっそり参加しよう。あ,宿とってない…。

 来月は毎年恒例の集中講義「カリキュラム論」。この集中講義が来ると「夏が来た」という雰囲気になる。今年も四十数名の受講予定者がいるとのこと。頑張りたい。

 毎日,夜遅く帰宅する悪い癖がついたので,今日は明るいうちに帰ることにする。といっても雨雲の空だけど…。

水無月二三日

 梅雨らしい雨が降り,早朝の通勤もおっくうになりがち。自転車通勤は,天候の影響を受けやすい(体力的にもそうだが,荷物や服装の状態にも影響が及ぶ)ので,エコだし健康的だとは思うが,こんな時期は辛い。高校時代は,雨の日も風の日も毎日一時間の自転車通学を行き帰りしていたのだから,我ながら感心してしまう。

 ちょっとした手違いが重なって,導入が延び延びになっていた研究室のプリンタがやってきた。普通ならレーザープリンタという選択なのかもしれないが,あれこれ考えてジェルジェットプリンタを注文した。レーザープリンタ独特の動作音とトナーの粉を研究室に持ち込みたくなかったのと,消費電力や印刷などのコストがある程度安い点を評価した結果だった。

 レーザープリンタ・クオリティは期待できないが,ネット上の電子文書を印刷して読むためには十分である。事務用機器としての信頼性も,信用できる会社(つまりリコーのこと)だと思う。とにかくこれで思う存分資料印刷できる。

 一週間は,本当に「光陰矢の如し」に過ぎていく。仕事の道具立てはほぼ整ったはずなのだが,時間ばかりはこぼれ落ちるように消えてなくなってしまうから,気をつけないといけない。

 本日は教授会。省エネについて,部屋の空調(冷房)を使いすぎないようにと厳しいお言葉。朝から夜中まで研究室に在室するような人間には,耳の痛いお話しだ。
 もっとも,きつい冷房にあたってエアコン風邪になるのは嫌いなので,なるべく団扇と扇風機で過ごすように工夫しよう。熱を持ちがちな電子機器には冷却対策も施さないとなぁ…。

水無月一六日

 メインイベントだった東京出張が終わると,ふつ〜の日々。いつものように授業の準備や実践に追われている。たぶん,それでも暇な部類に入ると思うのだが,週に6種類の授業をやりくりするのは,私にとって少々疲れる。読みたい本もプログラミングしてみたいネタも山ほどあるというのに…。他の人達のポテンシャルの高さにいつも感心してしまう。

 梅雨だというのに「雨が降らないねぇ」と学生と雑談していたら,お昼頃に雷鳴と土砂降りの雨。もっとも30分ほどで終わってしまった。あとは気持ちの良い天気となった。

 いくつか注文していた物品の決裁が下りて,ぼちぼち届き始める。ネット上の論文などを印刷するためのプリンタも金曜日には届くそうだ。やっとまともな出力環境が確保できる。家庭用では心許なかったから…。

 今宵は授業準備で煮詰まる。ふ〜む,最近の文献も読み込めてないし,資料の準備には時間が足りないぞ。参ったな。どの辺で線引きしようか…。

徳島帰宅

 昨晩は御茶ノ水に宿を取った。行きたいところへの利便を考えると,そこに選択が落ち着いたのである。午前中は交通博物館の跡地の横を歩いて,秋葉原のヨドバシカメラで気になっていたものをチェックし,旅行ケースを買い求めた。

 今回の出張にはパソコンを持っていかず,iPhoneのみ。まあ,今回の出張内容であれば,自分のパソコンは必要ないので,それでも十分だった。店頭には先日発表されたばかりの新しいMacノートブックがすでに展示してある。新しい13インチのMacBook Proが狙い目であるが,出張中に見ていることもあって,やはり最軽量のMacBook Airに惹かれる。だいぶ値段も下がってきたのだから,いよいよ手に入れる時期がきたのかも知れない。

 午後はお仕事。迎賓館近くのビルで学習ソフト・コンクールの審査会だった。私は実際にソフトを操作してプレゼンテーションする係である。わりと好きなお仕事だ。

 事前準備中にアメリカ在住の妹からiPhoneのIM(インスタント・メッセージ)ソフトにメッセージが入った。急きょ,リアルタイムで日米チャットの開始。「お兄ちゃん,本買いすぎ」と海を越えてダメ出しをもらう。それぐらいしか楽しみないんだから,許してちょうだいよ。

 妹とのチャットはiPhone話でしばし盛りがって,とりあえず向こうが就寝前なので,おやすみコールでお開きとなった。いやはや,iPhoneを持っていると世界の距離感が変わってしまう。

 審査会の会議は,いつものようにあれこれ議論を交わして,今年なりの審査結果を出すことが出来た。開発ツールがリッチになってきたことで個人でも凝ったソフトがつくれる一方で,小粒ながらも授業のために心を込めてつくったソフトとの間に見えてきた開きのようなものをどうするのか。何度も審査原点に立ち返りながら議論を重ねることが毎年続く。

 会議が終わって,飛行機に間に合うように帰る時間が迫っていたので,ご挨拶もそこそこに電車乗り継いで,途中お土産も買いつつ,羽田に向かう。久し振りに携帯電話の電子マネーで駅の改札をピッピッと通過。これのおかげでもたつかずに移動できるから,有り難い話である。飛行機も携帯電話のタッチ・アンド・ゴーである。

 徳島に向かう夕方フライトは,右手に夕日色の雲海に浮かぶ富士山を眺めることが出来て幻想的。フライト・アテンダントさん達の笑顔に癒されながら,束の間の東京出張が終わった。

 徳島に着いて,預けていた自転車を返してもらい,最後は自転車で帰路につく。最後が様にならないなぁ…と少し悔しく思うが,まあ,これが自分らしいオチかなと納得して,今日一日を終えるのであった。明日は洗濯日だ。