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安全なインターネットを子ども達に

 これは良い動きだと思う。日本のテクノロジー関係者も追随してみたらどうだろうか。

Apple, Google & Facebook join coalition to create safe Internet for kids in Europe
http://thenextweb.com/insider/2011/12/01/apple-google-facebook-join-coalition-to-create-safe-internet-for-kids-in-europe/

ヨーロッパに大手テクノロジー企業を含む28企業が集められ、子ども達に安全なインターネット環境を提供するための連合を組んだとのニュースである。

鳩山政権の公約違反の始まり

「記者クラブ開放」の約束は嘘なのか – 池田信夫
http://agora-web.jp/archives/749649.html

その他,関連情報多数…

 政権の切り替わりで後手に回っていると考えられなくもないが,これは一番最初のお灸として,ちゃんと話題として取り上げておくべきだろう。会見をあらゆるメディアに対してオープンにしていくという公約が始めから反故にされた。

 この公約は,政治に対するチェックのために必要であるというだけでなく,むしろ政治を伝えるマスコミ・メディアのチェックのために必要な公約である。

 これまで,教育分野に身を置いてきた私たちは,マスコミ報道のいい加減さや理解の狭さに大いに振り回され,悩まされてきたのではなかったか。それを是正するためにもマスコミ・メディア報道のチェックが出来るように別の系統・チャネルのメディアによる取材活動や情報伝達の道筋を確保することに,むしろ人一倍敏感でなければならない。

 あちらこちらでこの話題が書き込まれて,もちろん正直うんざりする部分もあるが,だからといって,この大事な点についておろそかにしてしまえば,多くの人々が何かしらの思いで投じた一票一票が,無駄になってしまうことになる。

 オープンであること。これは政治や教育ももちろんそうだが,メディアにとってこそ大事な条件である。この問題が,よい方向に解決され,政治とメディアと私たち国民のよりよい緊張関係が保たれることを望む。

川端文部科学大臣就任

 鳩山民主政権が誕生した。朝から国会は大忙しで,決まれば天皇陛下の出番で首相を親任する。そして真夜中に17名の大臣が連続会見を行なっている。

 私たちのフィールドである教育分野に関係する閣僚は多いが,メインは文部科学大臣。そこに就任したのは川端達夫議員である。というわけで,川端文部科学大臣の会見も流れの中で行なわれた。

 ちなみに藤井財務大臣はご高齢で「どうかな〜」と思っていたが,記者質問の受け答えは上手で,さすが元官僚。仕事に関する頭の回転スピードは歳をとっても衰えないらしい。福祉に理解を示している点で,教育予算に対してもそれなりの理解を示してくれるのではないかと思うが,それは国家戦略室の菅氏の権限も関係するかな。イデオロギー省庁としての文部科学省が国家戦略室(局)とどう渡り合うのか,その辺が注目点である。

 川端文科相の会見は,少々パンチの欠けたものであった。学校教育をめぐる問題として「学力低下」「いじめ・不登校」「教職員の不祥事」を挙げるという語り口もだいぶ古くさいし,記者の質問への返答も明瞭ではなく,何をどうするのか明確には示さなかった。

 正確な内容は報道に譲るべきだが,曖昧な記憶に基づけば,鳩山首相からの指示書の内容としては

 ・高校の無償化,大学院教育の充実などによって,意思ある人々が教育を受けられるようにすること
 ・教員の改善などによって教育の質を向上させること
 ・世界の中で日本が科学技術によってリードできるような教育

 というものらしい。指示書がこのようなおおまかなものだから,具体的に何をどうフォーカスすべきかはこれから議論するというのは仕方ないことかも知れない。

 記者質問は次の4点だった。

 ・全国学力調査を悉皆調査から抽出調査にするのか
 ・教育免許更新制をどのようにされるのか
 ・日教組との距離感はどのようになるか
 ・メディアセンター(国立メディア芸術総合センターのこと)について

 いずれの質問に対しても,民主党のマニフェストにおける議論で扱われたことを述べ,そこに示された方向性の確認といろいろな立場の意見を踏まえて議論をしていく必要があるという返しで終わった。それぞれに対する返答の断片は次の通り。

 ・学力調査に関しては,目的にかんがみれば抽出調査でよいのではないか
 ・教員免許更新については,教員の質の向上という目的にかんがみて免許制自体を6年制にすることを議論してきた。不適格教員に対する措置に関しては,別の方法で行うことの方が正しいアプローチだと考える。
 ・日教組との関係は,広くご意見を聞く中の一つの存在として
 ・メディアセンターは税金の無駄として整理するという議論をしてきたので対応するが文科省以外も関係する

 事前報道などで出ていた「いつまでにする」「こうしていく」といったような話は極力避けたのがわかる。

 ただし,すでに先般の補正予算の執行に対して一時中断をするように文部科学省から指示があったという報道も流れてきている。予算執行がキャンセルにならないことを祈るしかないが,本当に白紙に戻ることになったら,スクールニューディールは,地震対策の耐震工事を除いて頓挫してしまうことになる。e-Japanのときもそうだったが,つくづく「教育の情報化」は運が付いてないというか,呪われているというか…。

 国民にとっては,教職員のパソコンが導入されるされないとか,電子黒板が配備されるされないは,ほとんど意識されることが無いから,仮にキャンセルになっても一番文句が出ないところだろう。地震対策の耐震工事のように命に関わることではないから,またICT機器的にプアな学習環境の継続を強いられる。大所帯になった日本教育工学会は,国民に代わって何かメッセージを発信するだろうか。う〜ん,しないか…,みんな上品だから。

 川端文科相の真価はまだ見えないが,よりよい教育よりよい学習環境を意思ある人々に提供することに本領を発揮してもらうには,まだまだ時間がかかりそうなことだけはわかった。

 とにかく,遠く遠くでエールを送りつつ,こちらはこちらで草の根から盛り上がっていきたいと思う。

ゲームに見る未来

インターネット各社、携帯ゲームを収益源に
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090826AT2D2101D26082009.html

 ただの収益源としてではなく,もう少し知識や学習との絡みで未来を見通してくれると嬉しいのだけれども…。そうやって,どんどん収益のためだけに先に進まれたのでは,教育・学習との距離は遠ざかるばかりである。

memo20090826

デジタルトレンド2009:ワイヤレス新時代 写真、無線LANで電子黒板に
http://mainichi.jp/life/edu/news/20090825ddm010020148000c.html

デジタルトレンド2009:政府の学校IT整備構想 教育現場、戸惑い
http://mainichi.jp/life/edu/news/20090825ddm010020153000c.html

スクール・ニューディール:学校向け電子文具続々
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/07/22/20090723k0000m020108000c.html

携帯電話:ネットの危険 障害持った子供たちが疑似体験
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2009/08/20090818mog00m100044000c.html

全国市区町村 公立学校情報化ランキング
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20090803/1017567/

PC Online 教育の情報化最新事情 もくじ
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20090731/1017505/

フィンランド学力世界一の秘密 ~教育庁参事官に聞く
http://diamond.jp/series/dw_special/10056/

memo20090824

教育費、家計負担軽くなる? 〈総選挙〉政策・公約チェック(上)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200908240109.html

教育の中身、充実できるか 〈総選挙〉政策・公約チェック(下)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200908240133.html

《にっぽんの争点:子育て》新「手当」か 幼児無償化か
http://www.asahi.com/politics/update/0818/TKY200908180086.html

知りたい!:’09衆院選 与野党目玉の「子育て支援」 期待膨らむ教育産業
http://mainichi.jp/life/edu/news/20090821dde001010002000c.html

京大:博士をタダで小中高校へ派遣 就職できない若手研究者「もったいない」
http://mainichi.jp/life/edu/news/20090824ddm012040157000c.html

くらしと政治:’09衆院選/1 少子化・子育て・教育
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2009/08/20090818ddm013100149000c.html

教科書巡る意識調査:先生、分かってます? 小学生でも「理解度5割以下」半数
http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2009/08/20090817dde041100034000c.html

携帯サイト事情、親が学んで講師役
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090820-OYT8T00267.htm

memo20090813

学力テスト:市町村別に開示…07、8年度分 大阪府教委
http://mainichi.jp/select/today/news/20090814k0000m040068000c.html

学力:年収多い世帯の子供ほど高い傾向…文科省委託研究
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090805k0000m040038000c.html

選択の手引:’09衆院選 教育費(その1) どうする教育費支援
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/sentaku/news/20090811ddm001010034000c.html

選択の手引:’09衆院選 教育費(その2止) 教育費、家計負担減の道は
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/sentaku/news/20090811ddm003010052000c.html

選択の手引:’09衆院選 地方分権 不況で揺らぐ自立志向
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/sentaku/news/20090726ddm001010055000c.html

小中学生の不登校、昨年度は12万7千人 学校基本調査
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200908060212.html

成績と親の年収、比例する傾向 小6学力調査を国が分析
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200908040419.html

大学院生に実質的な給与を 基礎科学力委が提言
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200908040424.html

親の年収が大学進学率左右 200万円未満は28%
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200907300473.html

大学進学率、初めて5割超す
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090807-OYT8T00293.htm

全国の私大4割 赤字
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090806-OYT8T00689.htm

全国学力テスト分析、親の収入高いほど高学力
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090805-OYT8T00352.htm

公立高家庭も教育費に格差…日教組調査
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090801-OYT8T00310.htm

私立短大の69%が定員割れ…過去最悪
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20090731-OYT8T00254.htm

やめちゃうの?

教員免許更新制度廃止も 「民主政権」日教組に配慮
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090726/elc0907260134001-n1.htm

 教育らくがきを書いていると,現状や現行制度を批判的に見る立場をとることを入口にすることが多いので,それが私自身の政治的態度と見なされることが多いのかも知れない。ただ,実際には節操が無いだけなので,周りと共有する確たるビジョンが無い以上,状況の中の実際性や現実性を勘案しているに過ぎない。私がここの文章を「駄文」と称しているのは,そういう意味を込めている。

 民主党が政権をとったら,教員免許更新制度の廃止に動きそうなのだという。

 皆さんは,どう思われるだろうか。
 
 教員免許更新講習の準備に関わった人たちの気持ちを考えると複雑な気持ちになる。一方で,現実的に更新講習のコストパフォーマンスを考えると,遅かれ早かれ違う形に変わらざるを得ない。果たして,どうなるのか。

 全国の更新講習関係者は声を上げるのだろうか。それとも,行方を静観するだけになるのか。

 廃止になり,更新講習が打ち切られれば,そこで雇われた人たちの職がなくなることになる。

 そうやって振り回されてしまう人々の声を代弁してくれる人はいるのだろうか。

 教師が学ぶ機会をつくることは,全面的に肯定されるべきである。その実現方法をもっと洗練すべきなのだろう。限りあるリソースをどのように集中させるのか。地方の教育委員会事務局や教育センターが,現行の努力を踏まえて,どのように現在の世界に対応するのかビジョンを共有しないといけない。

 政治家は法律と制度を変えようとしている。

 私たちは教師文化を変えていく覚悟が必要である。

 
 それでも,現実はいつも厳しい。やりたいことは出来ないことが多い。そこからどう選択して行動するのかは,それぞれの構え次第である。

いしかわ子ども総合条例改正

小中生に持たせない 県議会委、条例改正案を可決(毎日.jp)
http://mainichi.jp/area/ishikawa/news/20090626ddlk17010628000c.html

小中学生のケータイ所持禁止 石川県条例案に異論(J-CAST)
http://www.j-cast.com/2009/06/26043914.html

小中学生の携帯電話を一律規制–石川県の条例案に陳情書(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090624-OYT8T00767.htm

石川県議会最新情報
http://www.pref.ishikawa.jp/gikai/index22.html

議会議案第1号「いしかわ子ども総合条例の一部を改正する条例(案)」(PDF)
http://www.pref.ishikawa.jp/gikai/gif/kodomojorei.pdf

いしかわ子ども総合条例(現行)
http://www.pref.ishikawa.jp/reiki/reiki_honbun/i1011162001.html

 このニュースで伝えられている事柄について,どのように理解すべきなのかは,まだ慎重を期さなければならない。石川県議会は最新の議事録をまだ公開していないし,ネット安全モラル学会も立ち上がったばかりの学会で陳情内容について自身のサイトで公式情報を公開できていないので(6/27現在),それぞれが何を狙ったものであるのかがわからない。

 石川県議会が公開している「改正案」を読むと,なるほど確かに「携帯電話端末等を持たせないよう努めるものとする」という文言が記載されている。

 ただし,これがマスコミ報道による「一律規制」というニュアンスと同等なのかは,議会の見解がわからない以上,単純な批判をすることができない。

 一方,ネット安全モラル学会の陳情内容が,条例改正案に対して,真っ向否定しているのか,あるいは教育施策とのセットで決議しなければならないことを提言しているのかもわからない。あるいは,マスコミ報道の影響による「一律規制」という流れ発生に抗すべく,パフォーマンスとして「異議あり」とのろしを上げたのかもしれない(それ自体は悪いことではない)。

 判断材料不足の中で推測によって物事を言うとすれば,現状の教育条件整備水準に照らして,このような時間稼ぎともいえる条例を選択せざるを得ないことも理解できる。

 問題は条例にも記されているように「保護者,地域団体,学校関係者その他の青少年の健全育成に携わる者は,相互に連携して,携帯電話端末等の適切な利用に関する取組の促進に努めるものとする」ことができるかどうかである。

 そうであれば,(売り出し中の)ネット安全モラル学会のアプローチは,陳情というよりも最新のネット安全モラル教育プログラムの優先的提供によって石川県とタッグを組む方が良かったのではないかと思うし,そういう戦略的な働きかけを他の諸学会やプロジェクトも打ち出していくことがこれから大事なのかもしれない。

 地方自治における「首長」「議会」「教育委員会」という三すくみ構成を打破していくために,「学術研究」がどのように関わっていくべきか,どう関わることで持続的な関係を築くことができるのか。この夏秋に聞こえてくる様々な議論の行方が楽しみである。

僕らは海を越えられるのか

 イラン大統領選挙結果に対する人々の抗議デモは流血の惨事へと化している。手を伸ばして数クリックすれば,悲惨な映像を直接見ることもできる。その数クリックは近いようで遠く,遠いようで近い。

 一方で,自分の足下さえ不安を覚える非正規待遇の教育職員によって支えられた教育現場に,数クリックで世界へ漕ぎ出せてしまうような時代の生き方を引き受けさせるのは,本当に現実的といえるのか。

 あるいは鉄の玉が飛んでこない限りにおいて,それはどこまでも遠い世界の話なのだろうか。あるいは,みんな覚悟ができていて,承知の上で対話をしているだけというのか。

 私にはいまだに,周りの人々がどんな納得をしてあれこれを認識しているのか,よくわからない。そのうち,「それは取るに足らない問題なのだ」と認識したほうが賢いやり方のだと振る舞ったほうが,少なくともこの日本で生きていくには妥当な方法なのだと,私も信じたほうがいいのかなと思えてくる。

 とりあえず出来るところから…,そこからしかないじゃん。その言葉の意味をよくわかっているつもりだけれど,その言葉を聞くたびに,見ザル聞かザルの猿たちの姿が重なって仕方がない。

 もう一度,心の声を聞き直さなくてはならない。