令和四年睦月三日

帰省が続いている。

実家は仕事に集中出来る環境確保が難しいため,ほとんど何も出来ない日々を過ごす。仕事を進めるには帰省しない方が都合がいいが,その選択をすることも難しい。こればっかりは相手があるだけに自由が利かない。

それでも,電子書籍をちょこちょこ読み進めるくらいのことはする。

奈須正裕先生の『個別最適な学びと協働的な学び』(東洋館出版社)を読んだ。

奈須先生の書くことは,普通に考えればそうなるよねという論旨展開をされるので,期待を裏切らない。自分とも近い考えであることも多くて,今回の書物も,ほぼ異論が無い。こうした文章を事例を交えて淡々と書ける才能は尊敬に値する。

この本では,山形県天童市立天堂中部小学校での実践事例をベースに「雀の学校」と呼ばれる従来の一斉授業的な学校教育との決別を唱えている。主なキーワードは次のような感じ。

  • 令和の日本型学校教育
  • 近代学校の誕生
  • 新教育運動
  • インフォーマルな知識からのアプローチ
  • 文脈把握
  • キャロルの学習の時間モデル
  • クロンバックの適性処遇交互作用
  • 互恵的な学び
  • 四十一人目の追究者
  • 個別的と協働的の相互促進的関係
  • 自己決定学習
  • 幼児教育に見習う環境を通した教育
  • ICTによる道具立て
  • ユーザーアカウント
  • 教師の専門性
  • 教師は何のためにいるのか

今次の学習指導要領が目指している方向性を事例でイメージしながら理解したい人には良い文献だと思う。やはり,現場とのつながりを持っている研究者は強いなと思う。

私も以前,「そもそも学校は、何のために「デジタル化」するのか」という見開き記事で,ちょっとだけ似た様なことを抽象的に論じたことはあったけれども,そういう文章はどうも反応が無くて,評価されなかった。

さて,今年は少しでも何かを書きためたいと思うのだが…。