ぼちぼち2012年度から2013年度へ。この3月で,国の事業に関わるお仕事が終わる。
総務省のフューチャースクール推進事業では,徳島県東みよし町立足代小学校の担当研究者を務めた。もっとも,実質的には何の仕事ができるわけでもないので,立場を活かして行政についての動向と歴史を調査する作業に明け暮れた。文部科学省の学びのイノベーション事業でもアルバイトをした。指導方法のWTで最初のたたき台議論に参加し、ここでも行政の一幕を垣間見た。
いろいろ勉強になって楽しかったが、どちらにしても性には合わないようなので,お役目が終わってホッとしている。郷に入っては郷に従えとは言うものの、それじゃ面白くないので好き勝手に振る舞った。ご迷惑をおかけしたこともあったから,これで一区切りつくのは良いタイミングである。
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国の仕事に関わる以前も、自分なりに関心を持って国の動向を理解していたつもりだが、仕事を請け負って,それがまったく浅いものであったことを痛感した。通り一遍の出来事知識では,この界隈の事柄を正確に把握することが難しいことを思い知る。
歴史を探らなければと思った。様々な要素が複雑に絡み合う歴史の流れを追い置ける必要性。
ところが,この界隈の歴史を知るための知見の整理がないことも知る。
公表されている先行知見は,大ざっぱな整理の域を脱し切れておらず,基礎調査を踏まえた歴史情報としての信頼性に不安も少なくなかった。
教育分野の情報化に関わる「ひと・もの・かね」の出来事を追いかけるため,一次資料・二次資料を渉猟して確かめていく必要がある。
国の仕事をお手伝いしたのは,その作業に取り掛かるのに,とても役立ったと思う。
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歴史を追いかけ始めてから,過去を知る人物が幾人もこの世を去っていく。
資料も集約されているとはいえず、散逸しているものも少なくない。
関係するアクターが多種多様で、それぞれがそれぞれの考えや場で動いている。
社会一般の人々は,ときどき伝わる断片をもとに想像を膨らませて理解する。
知見や成果が積み重ねられることもなく,進捗も不明確になりやすい。
こういう悪循環から抜け出す必要がある。
そのためにも,過去の出来事と現在の出来事を歴史の流れとして整理する基礎作業が必要だと思う。
基礎作業を曖昧なまま特定主題を議論しようとしても,関係性を踏まえた理解に届かない。
2013年は,そのための作業を加速させたいと思う。
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iPadのような興味深いデバイスが登場した今、これをどう活用するかは教育実践を担う専門家である教師が考えていけばよいフェーズになった。教師が試行錯誤できる環境の確保こそ大事と思う。
そうなると,研究者としての関心は、過去の歴史に向かうか、もっと先の未来を考えるかである。
私は過去を遡ろうと思う。