月別アーカイブ: 2022年1月

令和四年睦月三日

帰省が続いている。

実家は仕事に集中出来る環境確保が難しいため,ほとんど何も出来ない日々を過ごす。仕事を進めるには帰省しない方が都合がいいが,その選択をすることも難しい。こればっかりは相手があるだけに自由が利かない。

それでも,電子書籍をちょこちょこ読み進めるくらいのことはする。

奈須正裕先生の『個別最適な学びと協働的な学び』(東洋館出版社)を読んだ。

奈須先生の書くことは,普通に考えればそうなるよねという論旨展開をされるので,期待を裏切らない。自分とも近い考えであることも多くて,今回の書物も,ほぼ異論が無い。こうした文章を事例を交えて淡々と書ける才能は尊敬に値する。

この本では,山形県天童市立天堂中部小学校での実践事例をベースに「雀の学校」と呼ばれる従来の一斉授業的な学校教育との決別を唱えている。主なキーワードは次のような感じ。

  • 令和の日本型学校教育
  • 近代学校の誕生
  • 新教育運動
  • インフォーマルな知識からのアプローチ
  • 文脈把握
  • キャロルの学習の時間モデル
  • クロンバックの適性処遇交互作用
  • 互恵的な学び
  • 四十一人目の追究者
  • 個別的と協働的の相互促進的関係
  • 自己決定学習
  • 幼児教育に見習う環境を通した教育
  • ICTによる道具立て
  • ユーザーアカウント
  • 教師の専門性
  • 教師は何のためにいるのか

今次の学習指導要領が目指している方向性を事例でイメージしながら理解したい人には良い文献だと思う。やはり,現場とのつながりを持っている研究者は強いなと思う。

私も以前,「そもそも学校は、何のために「デジタル化」するのか」という見開き記事で,ちょっとだけ似た様なことを抽象的に論じたことはあったけれども,そういう文章はどうも反応が無くて,評価されなかった。

さて,今年は少しでも何かを書きためたいと思うのだが…。

令和四年元旦

失意したような4年前の駄文から途切れていた教育らくがきの再始動である。

いまさら無為に流れた時間の言い分けはしない。私も昨年,五十路を迎えたので,確実に人生の折り返しは通り過ぎたのだから,もと来た道を引き返してみてもいいんじゃないかと思う。

というわけで,令和に入っての「教育らくがき」である。

初めての皆様は,浅はかな駄文が書き綴られているだけの私的なブログが放り出されているとだけ理解されたし。

また新しい年が明けた。2022年は令和4年である。

ここまでの振返り

2020年より始まったコロナ禍は,デルタ株が猛威を振るった後でワクチン接種が広まったおかげでしばし沈静化していた。ところが,この年末年始あたりからオミクロン株という変異種が感染拡大するようになり,新たな局面を迎えつつある。

悪い方に振れる予測に照らせば,事態が落ち着くまでに二,三年はかかりそうだという雲行きは想定内だったが,社会全体が受けた影響の大きさは想定外だった。

私個人といえば,混乱の中ではあったが,あれこれ挑戦する場面に恵まれて,これまでと違った日々を過ごした。

たとえば,大学は対面授業の代替としてオンライン授業を実施しなければならない事態となった。そこで,これまで技術的な取り組みでしかなかった動画収録や配信の試みが,実際の仕事に適用されるようになった。

最初のうちは,収録・配信の環境を整える作業を賑やかにやっていた。機材をアップグレードすることもした。タイミング的にはテレワーク需要に巻き込まれて,機材購入が難しくなったりもした。

Blackmagic DesignのATEM miniはコロナ禍前に入手していた機器のひとつで,せいぜい一部のマニアックなユーザーが購入するニッチな商品化と思われていた。ところがコロナ禍需要で,多くの教育関係者が購入するアイテムと化した。一時は,入手に数ヶ月かかる代物となった。

基本的な環境が整ったら,あとは日常的に活用するだけ。個人的には一発撮りをリアルタイムで配信したり,オンデマンドで視聴してもらう方が手離れもよく楽なので,動画編集のような作業はほとんどしていない。

コロナ禍に翻弄される世の中が気になって仕事に手が付かない日々を送ったり,その傍らでScratch3.0拡張機能をプログラミングしていたり,そうこうしているうちにAppleシリコンによる新しいMacが登場してジタバタしていたりして,2020年は過ぎ去った。

続く2021年は,年度末までバタバタと過し,春からは感染確認数の様子を見ながら対面授業を再開した。そこで面談した学生の感染が判明。私は濃厚接触者となり隔離生活も体験した。幸い陰性であったが,2021年度のスタートは,否応なくコロナ禍を再認識させるものとなった。

GIGAスクール端末に関わる事柄にはほとんど関わらずに過していた。それでも徳島のGIGAスクール端末の不調問題などについてブログ記事を書いて,新聞に取材されたりもした。ただ,それも一過性の関心で,すぐに話題にされなくなった。あとは学校コードを利用してAppSheetベースでGIGA顛末調査アプリをつくってみたりもした。

後半には高知や奈良からお仕事の依頼があったので,少しばかり表舞台みたいなところでも仕事した。しゃべる機会はほとんどないので,聴衆が何を求めているのか皆目見当がつかず,面白くないともっぱらの評判ではあるが。

あとは生活者として日々をせわしなく生きていた。そうそう,電動アシスト自転車のVanMoofを購入したので,生活の移動可能範囲が広がったのはよかった。小さなトラブルは時々発生するものの,総じて正常に動作してくれている。

そして年末年始は,久し振りに実家で過している。

ここからの予定

2022年はまず,開発しているScratch3.0拡張機能を利用した教材やその活用案の作成に力を入れたい。プログラミング教室のイベントも近く予定されているので,それに向けて。

あとは流れのままにといったところだが,積み残している宿題がたくさんあるので,それを少しずつ進めたい。

それと,そろそろ実家に戻らなければならないタイミングも近づいている。そのための準備も取り組んでおかなくてはならないと感じている。人生の決断なるものが,いずれは来るのだと覚悟しなければ。

健康に気をつけて,前進できるように頑張ろう。この「教育らくがき」も今後は継続的に書いていきたい。