月別アーカイブ: 2004年12月

年も暮れる

 なんだかんだと大晦日を迎えるところまできてしまった。年賀状も短い追伸を書き終えて、やっと郵便局に渡した。家の中の整理も同時進行。要らないものは実家に放り込んで(ズルをしている気分だけど‥‥)、それでも溢れ返る文献資料の分類や置き場に頭を悩ませる。これらを買わなかったら、もう少し生活に余裕があるのかなぁと思ったら、なんだか悲しくなってきたが、仕方ない。そういう職業選んだんだから。こりゃ嫁のき手がないのは幸いなのかもしれない。こういうので夫婦喧嘩するんだ、きっと。
 それでも、手つかずのところをひっくり返すこともしたので、だいぶ片付いたようにも見える。少なくとも玄関や廊下に出ていた荷物を一掃したおかげで、やっと玄関くらいまで人を招くことができるようになった。その代わり部屋は大変な状態。奥の方へ招いたら、すぐ化けの皮がはがれてしまう。人を泊めることもできないぞ、これでは‥‥。愛知万博が近いから、誰かが訪ねてくる可能性も多くなるし、なんとかしなければ。
 ところで、この教育らくがきのweblog版なのだが、ここも少し考えた方がいいのかもしれない。更新できないのは、慌ただしさもあるから仕方ないが、いまいちしっくりこない。見栄えの方も、もう少しフォントの大きさやレイアウトのバランスを工夫した方が良さそうだ。また来月あたりに作業しよう。

見て見ぬふり‥‥

 「見て見ぬふり」をすることについて,昨今の私たちはあまり良いイメージを持っていない。「問題や悪事を黙って見過ごす」というような風だろうか。見て見ぬふりは,どこか後ろめたさを連れてくるのかも知れない。
 ただ,私たちはこの言葉や態度の持つ上品な側面について,もっと焦点を当てるべきではないかと思う。それは「細かいことは大目に見る」とか,「相手の試行錯誤や七転八倒を余裕を持って受け止め,むしろ大局に心を馳せて場を包む」とか,「知っていることを隠して,知らぬふりをすることで生まれる出来事を楽しむユーモア」といったニュアンスのものだ。
 ところが,私たちは目まぐるしい情報過多社会のなかで,こうした余裕を維持しづらくなっているのではないかと思う。特に,知的好奇心や欲求,情報消費の文脈において,「知ったことを知らずに振る舞う」ことは難しい。たとえば私がこうして駄文を書き続けている(この行為自体も別角度で論じられなければならない問題だが‥‥)中で,バランスを欠いた不適切な内容が続くようになったとき,それを知った人々は,「見て見ぬふり」をすることは出来ないのではないか。
 実は,私立小学校における通知表改ざん問題などの記事を見ていて,こうした「見て見ぬふり」の問題が頭に浮かんだ。もちろんそれが事件自体の本質ではないものの‥‥。

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年賀状準備

 2年連続で年賀状を出しそびれ,皆さんとご無沙汰をしていた。ちょうど職場の入試業務に関わるのと重なっている点にやり切れなさを感じるが,まあ,何をか言わんや。とにかく今回は年賀状を出さなくてはと思い,鋭意準備中なのである。

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2005:教育問題

 職場も本日をもって年内の業務を終える。しばらくは自宅でゆっくりと時間を過ごせそうだ。この時期にやらねばならない事柄は多い。けれども,とにかくプライベートな時間がなかったために自宅の研究環境が酷く混乱中。これを整えることだけに年末年始は費やされそうだ。文献資料の配置などを再構築しなければならない。ああ,今年も年賀状が危うい‥‥,三年連続出しそびれか?!
 2004年の教育時事を振り返るべきところだが,まだ教育新聞の整理も出来ていないし,今年一年は動向追跡をすっかりさぼってしまった感もあるので,おいおい記録していくことにする。それでも2005年に向けて注目が拡大する話題はいくつかあげられるだろう。たとえば先日の学力調査結果に関連して文部科学大臣の「ゆとり教育見直し」なる路線転換発言と称されるものなどだ。(ところで,「ゆとり教育」という言葉は文科省によって正式に使われただの,使われていないなどの議論はもう片が付いたんだろうか。どうしてこうも教育議論や言説は,積み上げ的なやりとりが出来ないのかと思う。)
 それから,昨今の教師問題は,2005年に本格的な議論へ発展しそうな気配である。それは教員養成・教師教育に限らず,免許更新制導入,教員採用定数・給与,教職倫理,ライフサイクル,メンタルヘルスなどの問題にいたるまで,あらゆる問題を含みうる。これらは新しい問題ではなく,長いこと個別にくすぶり続けてきたものばかり。いよいよそれが焦点を結びそうなのである。

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IEA TIMSS2003

 12/7付けOECD PISA2003の学力調査結果に続き,12/15付けIEA TIMSS2003の学力調査結果が発表され,マスコミでもちょっとした学力論争再燃ムードである。これ自体が,この国で学力を語る際の構図をよく表している。
 あちこちの記事を参照している皆さんには先刻ご承知のことと思うが,簡単にご紹介しておこう。世界ではいくつかの機関が学力調査を行なっている。特に世界各国を股にかけて継続的に大規模な調査を行なっているものとして有名なのが,OEDC PISAとIEA TIMSSだ。日本も国立教育政策研究所を通して,この2大学力調査に参加している。
OECD PISA】経済協力開発機構(OECD)は,先進諸国が政策協調を行なうために様々な事柄を研究したり提言する場所として作られた国際機関。教育も主要なテーマであり,各国の教育水準の維持や確保が経済的利益につながるという考えから,学習到達度調査(PISA)などをもとにした様々な研究や提言が行なわれている。
 2000年に第1回調査が行なわれ,以後3年ごとに予定。調査対象は加盟国を始め非加盟国も含めた各国の15歳児。調査内容は,数学的リテラシー,読解力,科学的リテラシーの3分野。実生活に即した知識・技能,問題解決能力について調査するのが特徴。
IEA TIMSS】国際教育到達度評価学会(IEA)は,各国の調査機関や政府研究機関が一緒につくった国際学術研究団体であり,各国政府の政策決定などに必要な教育関連調査を提供することを目的とした独立組織。先進諸国といった条件がない分だけ,PISAと調査参加している国に違いも見られる。国際数学・理科教育調査(TIMSS)とリーディング・リテラシー調査(PIRLS)が行なわれているが。日本はTIMSSだけ参加している。
 1964年に第1回国際数学教育調査が行なわれた。調査対象は第4学年(小学4年生)と第8学年(中学2年生)とし,4年後の調査で同じ調査対象の学力変化も調査する。TIMSSとしては1995年と1999年に調査が行なわれ,今回の2003年も段階調査のひとつとしてつながっている。調査内容は数学と理科の教育到達度を調査するため,小中の基礎学力的なものであるという特徴がある。
 とご紹介したが,どうか学生さん,インターネットリサーチの一環でonline plagiarism(オンライン盗作)のために利用をしないように,確実に笑われます。

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ああ,インターネットリサーチ

 年内の非常勤講義も今日を入れて残り2回。筆記試験かレポート課題かで迷ったが,今回はレポート課題で考えを深めてもらうことにした。課題の発表と,講義内容も佳境へ。まあ,それについてはまた取り上げよう。
 帰りはふらりと本屋へ。『AERA』を立読みすると12/20号に「徹底調査 わいせつ行為,生徒との関係/教師の性とストレス」なんて記事が掲載されている。トップ記事の「ニート親」も気になるけどね。とにかく,こういう記事がもっともらしく掲載されるのは困ったものだ。読解力の乏しさが見え隠れしている国で,こんな乱暴なままの記事を多くの人々にさらしてみても,誤解以外の何が出てくるというのだろう。そもそもネット調査は胡散臭い。
 記事の扱うテーマ自体は,個別の事件の程度は様々としても,昨今目立った問題として考えなければならない事柄であることは確かだ。けれども,表だろうと裏だろうと娯楽産業が充実してきたと考えられている世の中で,いまだ「教師の性とストレス」をテーマにしなければならないのだとしたら,いったい何が問題の核心なのだろう。

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書棚整理

 予定のない週末は久しぶりだ。スーツを買いに出掛けた。量販店に行くのもいいが,近くに低価格を実現した紳士服店があって前から利用したいと考えていたので,この機会に訪れてみることにした。「洋服倉庫」というのがその店なのだが,なかなか対応も品物も予想外に良かったので,スーツ2着を気持ちよく購入した。これで着回しがまた楽になるので嬉しい。それから実家に寄って父親と夕食。
 今日は朝から倉庫のような書斎をひっくり返して,書棚の整理を始めることにした。勉強や研究が滞っている理由のひとつには,整理がおぼつかず機能性を失った書斎に問題があるように思った。思いつきで調べる際に資料そのものを探し出すのに一苦労なのである。にもかかわらず,文献資料は買い足されて山積みにされるので,どんどん悪化している。そこで年末掃除の意味も込めて,いよいよ書斎部屋をいじることにした。
 まずカーペットの上に積み上げられた本や雑誌,資料やチラシなどを全部書斎から出す。必然的に他の部屋がとんでもない状態になるが仕方ない。それから書斎にあったインターネットサーバを他の部屋へ移す。少しでも場所を確保するためだ。そして掃除機をかける。今度は書棚の本を取り出す。重要な文献,ほとんど使わず場所だけ消費していた文献,頻繁に使いそうな文献などを分けて,分野別に整理し直すことにする。これは今日だけでは終わらない。可動式の棚を動かして少しでも収納の効率を上げてみる。
 結局,本棚から文献資料を取り出しひっくり返したところで今日一日は時間オーバー。今後,少しずつ書斎を再構築するほかない。さて,これを機に研究モードへ戻れたら狙い通りなのだが‥‥。

OECD PISA2003

 12月7日にOECD PISA2003の結果が発表された。前回は2000年に行なわれた。すでにいくつかのメディアで紹介されているように,読解力(reading perfomance)における低下が指摘され,文科省も苦々しいコメントを出している。
 有り難いことにOECD PISA2003報告書全文は無料で公開されている。英文読むのも一苦労だが,今回の調査結果ではPISA2000とPISA2003の違いを比較できるという点で大変興味深い内容であるし,また,前回調査との違いなども注意深く読むべきだろう。先ほどの読解力低下も,全体というよりは下位層の低下によって分布が広がっていることなどがわかる。
 単純に順位が下がったから学力低下したということではない。そのことの認識は,前回の学力論争のおかげでだいぶ理解が広まったのではないだろうか。いよいよ,実効ある学力論を始める時期が来たのかも知れない。

がんばれシュレッダー

 年内の入試業務も一段落し,イベント事も一通り済んで,平常運転状態か。それでも公開授業への参観や業者との面会,年末の会議などはしっかり入っている。ここにきて,授業の進度が中途半端になっていたことの修正に追われる。自転車操業とはこれいかに。
 「古い書類を溜め込んでいると運気が悪くなる」と聞かされた。研究室や事務仕事の場所を眺めたら,書類の山。そうか,これが不運の原因なのかと思い至り,思い切って処分することにした。個人情報の扱いが厳しくなってきたこともあるので,書類はなるべくシュレッダーにかけて捨てることにする。いやはや,簡易シュレッダーはフル回転だ。そのうち煙が出て燃えだしてしまうのではないかと思うくらいに働かせる。なにしろ,ここ数年の書類が所狭しと隠されてきたのである。それをひっくり返して処分しようというのだから,隙間の時間では終わらない。こりゃ半月仕事になりそう。シュレッダーが壊れないことを祈るしかない。
 最近ではCDやフロッピーディスクをかけることのできるシュレッダーも販売されている。もちろんその場合は破片を不燃ゴミとして出す必要がある。それにしても,オフィスへのコンピュータ導入は,資源の節約にも貢献するかと思われた時期もあったが,確実に資源の浪費を招いていることがわかる。情報教育の学習の中でも,このことを真正面から扱わなければ‥‥。

教員は生涯役者か?

 1年単位のルーチンが出来上がると,人は時の流れを一層速く感じ始める。今年も私が顧問をする児童文化研究部が定期公演を催した。昨年は出張があったので当日欠席をしたが,今回は2年ぶりの参加。その2年という時間があまりにも短く感じられることに内心焦りを感じる。
 参加といってもビデオ記録や来場者の入場整理などが私の出番だ。2年前の駄文にも記したが,家族連れやカップルといった来場者を相手に一人芝居を打つかのようにロビーでアナウンスをするのは今回も一緒。自分に関しては時が止まっているかのようで,移り変わる部員達のお顔ぶれと後輩の活躍を見にやって来た卒業生OGの顔ぶれが時間の経過を証明している。
 新しい彼氏を連れてきたり,結婚報告を携えてやって来る卒業生達と言葉を交わしたり,簡単な会釈で互いの健在を確認する毎に,私の精神年齢はまたグッと老け込んだりする。娘たちの成長や人生の変節を傍観する立場にいるのは楽しくもあり,一方で時の流れに取り残された寂しさも味わう。自分は何か成長したり,変化しただろうか。人生の変節なんかあっただろうか。

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