10月に入り,後期の授業が始まったところも多いだろう。私の勤務先は先月中ごろからスタートしているし,以前お邪魔した非常勤先は今月後半まで休んでいるところもあるので,実際は様々である。
後期も6種類7コマの授業を担当している。毎度,この手の話題になると,この担当数が「多い」のか「普通」なのか「少ない」のか,判断に困る。だから,会話の時には相手の基準に合わせるようにしている。
前期に準備した科目もあるとはいえ見直しも必要だし,新規に準備すべき3種類と合わせて,授業は毎日気が気でない。そうやって準備しても,授業中にスヤスヤお休みになっている姿を見れば,自分の力量不足を責める他ない。研究室に戻って,ぐったりして,あとは淡々と仕込みしたり,次の授業の準備をしたり…。
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「教育方法・技術論」は教職科目。2コマあるが,どちらも5人程度の少人数。
この科目は経験も長いので,わりと話す事柄も用意があるが,当然,最新情報を踏まえてリフレッシュしていく必要がある。東京暮らしで学んだ「学習科学」も取り込んでいるが,最近ハンドブックが出版されたこともあるから,見直してさらに膨らませたい。それと,より現場の実態に合わせた指導案の捉え方や,デジタル教材の活用といったトピックスも盛り込む。
少し欲張りだとは思うが,まじめにやったらこれくらい盛り込むだろうと思っていた。しかし,「再履修」となって私の授業を受けに来た学生によると「別の授業ではエクセルやパソコンばっかりだった」そうで,学校現場の話とか,教育の考え方の話は新鮮なのだという。ちょっとビックリしたし,ちょっと悩んだ。
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「教育学B」は薬学部向けの一般科目。水曜日の1時間目にあるが,受講生はひとり。
しかも,300人くらい入る大講義室なので,だだっ広いところにポツンと二人きり。それでも,素直でまじめな男子学生が受講してくれるというので,彼と一緒に教育学の勉強を始めることになった。このシチュエーションは,別の非常勤講師先で一度経験したことがある。
彼の興味関心に沿って進めることもできそうなので要望を聞いたが,特別強い関心を持っている話題はないとのこと。せっかくだから一冊,本を一緒に読むのはどうだろうと提案したりもしたが,普通の講義でお願いしたいということなので,前半は講義をして,後半は雑談っぽく教育の話をしようかと思っている。
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「PCデータ活用実習」は資格のための科目。エクセルの使い方を20数名と学ぶ。
パソコン・インストラクターの仕事なので,エクセルの操作方法を伝授した後は,いろいろな課題の解き方をひたすら解説していく授業である。VBAとかまでは要求されていないので,日商PC検定に焦点を絞って,その範囲内で知識や技能を学んでいくわけである。
この手の授業は,単純作業的な授業の割りには,授業準備が大変である。授業で扱う問題を探してきたり,アレンジして作問したりしなければならない。はっきり言って,手間がかかる。
その上,受講生の習熟度は異なるから,初心者には迷わないように配慮する必要があるし,できる学生には次に取り組む予備の課題を用意しなければならず,多方に配慮が必要だ。そして,この授業にはアシスタントがつかないので,すべて独りで対応しなければならない。連続授業だから終わるとぐったりする。
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「情報リテラシー」は全学生が受講する共通科目である。40名弱の受講生。
時間割りの事情があって後期に開設されているが,要するに入学者に向けて学内のコンピュータの使い方や情報の基礎を学ばせるという授業である。幸い,共通のカリキュラムが準備されているが,見直しは必要で,それなりに準備が必要になってくる。
情報リテラシーや情報モラルといった知識的なところ,ワードとエクセルという技能的なところをちゃんと身に付けましょうという授業だが,週1回触れる程度では,なかなか上達しないところもあって,なかなか難しい。
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「情報ネットワーク論」は様々な資格に必要となる科目。25名程度の受講生。
インターネットの技術的なしくみや応用範囲を学ぶことになる。とりあえずは,日常的なネット世界の広がりを体験してみるところからスタートしている。情報ネットワークを学ぶのだから,情報ネットワークを少しは好きにならないと。
硬軟取り合わせて,ネット上のサービスやサイトを紹介した。「Yahoo!やGoogle以外に検索サイトがある」ということに驚いている学生もいたし,「プーペガール」に興味を持った女子学生もいた。「ユニクロ・カレンダー」の動く写真が面白くて見入った人もいたし,「ほめられサロン」で出てくる言葉に笑っていた学生もいた。
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「情報機器概論」は司書資格のための科目である。受講生は10名弱。
1単位の短い講義。しかも,司書資格のカリキュラムは見直しが進んでおり,選択科目である「情報機器概論」は新しい必須科目の中に吸収されることになっている。
もともと図書館司書が情報機器(図書館システムなど)を扱うことや,電子図書館というものへの理解を深めるために用意された授業のようなので,それを想定して授業を構成する。図書とは何か。情報とは何か。ライブラリーの親戚(?)になるアーカイブスのことも関わっているので,その知見を盛り込んでいこうと思っている。
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という担当内容である。前期と比べると受講生の数はぐんと少なくなって寂しい限りだが,自分にできることを提供していこうと思う。まあ,死なない程度に頑張りましょう。