葉月九日

 仕事ついでにしばし里帰り。のんびり過ごせばよいのだが,実家に戻ると「のんびり」というよりは「だらけ」てしまうので,実家に戻るのは気持ちよくない。こもりがちになるし,あっという間に時間が過ぎるのも難点だ。

 それでも,世間には里帰りできない人もいると考えれば,集中講義のおかげで強制的に里帰りできるのは有り難い。まあ,できるだけ,だらけないようにしよう。ぼちぼち徳島に戻るべき頃だが,天候がすぐれないので様子を見ながら移動日を決める。

 最近は,少しずつ歴史を気にして学んでいる。

 私自身が曖昧なアイデンティティの上に生きているので,若いうちは勢いだけで物事を考えても理屈として正しければ問題ないと思っていたが,歳をとるにつれて何を拠り所にすればよいのか見えなくなってきてしまった。

 結局,歴史との対話を通して,先を見通すしかないのかなと。

 とはいえ,歴史を勉強する余裕もない,目まぐるしい毎日が過ぎる。

 あまり大きなことを考えず,せっかく田舎に越したのだから,

 あとはしがない大学教員として静かに暮らそうか。

 それが分相応なのかなとも思う。

 ああ,だらけるとマイナス思考だ。温泉でも行って生き返りたい…。