冒険がまっている

 日本では12月に公開予定の映画「ZATHURA」。これは私の大好きな役者ロビン・ウィリアムズがかつて出演したことでも知られる映画「ジュマンジ」の姉妹映画だ。子どもたちが不思議な力を持つボードゲームを遊びはじめたことから大変な世界に巻き込まれるというアクション・ファンタジー映画だ。そして今度の舞台は「宇宙」。
 きわめてハリウッド的ともいえるし,また宇宙開発の夢(あるいは幻想)を追いかけてきたアメリカ的ともいえるが,この映画のサイトを見ると,なんとまぁ「ティーチングガイドのダウンロード」と称して,教育プログラムとリンクしてある。
 映画のプロモーションもかねて,スペース・サイエンスに関する教師ガイドのPDFと教室に貼るポスター,そして懸賞応募フォームが用意されている。映画関係者にとっては映画の宣伝,教育現場にとっては関心意欲の喚起と現場で使えるちょっとした教育内容の利用,家庭においては宇宙の話題を通した団らんを得るという利得一致の上に展開する企画だ。

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だぁ〜れ?

 学生たちが幼稚園実習を行なっているので,私は指導訪問に出かける。保育所の場合と違い,子どもたちが園で過ごす時間が短いため,幼稚園の場合は午後2時までには訪問しないと,子どもたちが降園してしまって子どもと関わっている実習生の様子を見ることができない。
 本来ならば,ゆっくりと訪問して,私自身も子どもたちとふれ合いながら実習生の様子を見てアドバイスしたいが,私のスケジュール管理が甘いせいか,そのための時間を取ることができない。昨日今日だけで九つの園を回り,園長先生たちとの事務的な面談と実習生への短い声がけで済ますことになってしまった。
 ところで,私も気がつけば三十半ば。幼稚園へ行くと,そんな自分が端からどう見えるのか,子どもたちの視線から評価を受けることができる。スーツを着て訪問するから,ちょっとハンデがあるにしても,さて,子どもたちからどう呼ばれるかは気になるものだ。「あのひと,だぁ〜れ?」
 「おとうさん?!」というのはよくある声。「誰かのおとうさん?」なら園児たちの親になるが,「先生のおとうさん?」となるとビミョ〜か。「新しい先生?!」というのはまれなケース。若い先生というニュアンスが感じられる分,ちょっと嬉しいかも知れない。

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出張月間

 参加している研究グループで海外学校視察の分担があったので,計画して行かねばと春から模索していたが,あれこれと後手に回しているうちに10月。見かねた協力者の手助けを得て,急遽来週,海外出張することになった。
 それで,よくよく仕事の整理をみたら,幼稚園実習中の学生たちを指導訪問する時間がほとんどないことに気づく。慌てて幼稚園にアポ取りながら,突撃訪問。明日も予定を変更して,突貫訪問である。
 実習中の学生たちはそれぞれ頑張っていた。厳しく指導してくださる張り詰めた空気の園もあり,いっぱいいっぱいになってる学生もいた。私も出張がいっぱいいっぱいなので気持ちが凄くわかる。発想を切り替えて頑張るように励ました。
 来週の海外出張が本決まりになったので,海外出張届けを出さなくてはならないが,実習訪問に飛び回るので,これまた学長先生に提出する時間がない。この前の韓国出張も直前だったので,また迷惑をかけてしまうなぁ。授業休講も手配しないと‥‥。やっぱり私設秘書が欲しい。
 そんなわけで,ここでも海外の学校視察の様子をご紹介する予定だ。願わくは,このブログが本来の教育ネタでいっぱいになるように勢いづくといいのだけれど。

歴史を語るものに歴史あり

 数週間のうちに幾度も東京に出かけるなんて,人生で初めてのことだと思う。今回も公開セミナーに参加するために東京へお出かけした。これも秋休みだからなせる技。秋休み様々である。
 公開セミナーの様子は,たぶん公式な報告が主催者側からも出ると思う。私も後日改めて書くことにしよう。今回もまた様々な出会いと楽しい語らいの中で知的刺激を受けることが出来た。
 別の日には,秋葉原にも出かけた。ドラマで話題になった場所だ。私は来春閉館する「交通博物館」を見学した。秋葉原の万世橋にある交通博物館は,長い歴史を持つ。館内には鉄道,自動車,船舶,航空の分野に関する展示がなされ,勉強することができる。
 しかし,都心という場所の良さは逆に,博物館の拡張を許さず,新たな展示物を設置することができない。多くは乗り物の模型展示であり,それも限界といったようなのである。そこで埼玉に場所を移して新たなスタートを切ることにしたようだ。いま交通博物館では「さよなら企画」で,過去展示されて今は倉庫に眠っていた模型や昔の博物館内の写真などを展示している。この,過去の博物館内の様子を移した写真が貴重で興味深い。交通の歴史を人々に伝え続けてきた交通博物館もまた一つの歴史を残したのである。当時の子どもたちの好奇心旺盛な姿と,博物館展示のダイナミックさに心を動かされる。
 こんな風に,立て続けの東京寄り道は,それぞれ得たものも多かった。他の用件も順調に進み,満足満足。さあ,この調子で今年度を乗り切りたいと思う。

タイムスリップ

 正確な英語表現はtime-warpなのだが,そこはヘンテコ和製英語の強み,この一週間はまさに時間をすべったような日々だった。先週の木曜日の非常勤講義が終わってから時間の経過をほとんど感じず,明日はまた木曜日。
 秋休みのおかげで,研究会に出かけたり,家に閉じこもって勉強したりできる。こんな幸せなことはない。このまま秋休みがいつまでもいつまでも続けばいいのにと思いさえする。出来れば来年の今頃まで秋休み希望。幸せな時間に対する時間感覚はいつでも短い。だから気がつけば,一週間後の非常勤もびっくりするほど早く巡ってきたわけだ。
 もっとも,あれこれ手を出していると日程調整も難しく,肝心の学会大会に出席できず味噌を付けたが,仕方ない。わが野望のためには,若干の犠牲も覚悟しなければ。
 後期に始まる非常勤先も,とうとう4年目。その前にお世話になっていた非常勤先も4年をめどに区切りをつけたので,もしかしたら今の非常勤先もそろそろ卒業かなと考えてみる。流れのない水が淀むように,長く繰り返すとマンネリ化しかねない。わりと情報収集はマメで最新情報は反映しているつもりだけれど,そうと思っているのは本人ばかりってこともあり得るので‥‥。そんなことを考えているときに,別の大学の先生から電話。非常勤講師をお願いできないかというラブコールだった。

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宴の終わり

 あちこちの現場はそれぞれに盛り上がっていることだろう。連休最終日,名古屋は秋晴れ。強い風が吹き抜けてはいるが,そのおかげで上空の雲が洗い流される。万博会場も元気いっぱいにぎやかなことだろう。
 今年3月から開催されてきた愛・地球博が本日閉幕する。厳しい前評判にもかかわらず次第に入場者数を伸ばし,目標を大きく上回る成果を上げたようだ。大なり小なり,様々な興味深い取り組みや催しも行なわれ,まずまずの結果として評価されるのかも知れない。
 当然私たちの関心は,物事の始まりだけでなく,物事の終わりにも向けられなくてはならない。環境博と銘打ち開催された以上は,終幕後の環境への配慮がどのようになされるのか,興味津々である。私の最寄り駅であり,会場への交通機関リニモの乗換駅でもある藤が丘では,さっそく明日からリニモ待合いスペースを取り壊しにかかる。しばらくは万博の後片付けに付き合わないといけない。

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東京に寄り道

 昨日は職場で成績書類の提出やら,情報メディアセンターの仕事やら片付けて,家に帰る途中に東京に寄り道した。とても面白そうな公開研究会が開かれるというので,数日前に参加申込したからだ。寄り道に時間がかかるけど。
 で,そのお話もしたいし,お礼のメールも書きたいのだけど,今日はこれから非常勤先の講義があるので,また帰ってきてからゆっくりご報告とメール書きをしたい。なんかこうパターンで溜まっている宿題がいっぱいあるような気が‥‥。(追記:なんとか研究会の報告を書きました)

電子書籍マーケット

 職場での仕事を早々に済ませ,東京に出かけた。とある公開研究会に出席するためだ。研究会催しの告知がある度に,参加したいと予定を調整するのだが,授業やら校務などとぶつかって,結局参加できないことが多かった。
 研究に携わる上では,やはり他者とのコミュニケーションも必要だ。多くの人の関心がどの辺にあるのか,別の立場での見方はないか,自分の考えている問題意識は妥当かどうかなどを確かめるには,研究会という場でやりとりしてみなければわからないものである。
 私が住む東海圏だって,もちろん様々な研究会が催されている。ただ,私の関心を引くものは圧倒的に東京で催されることが多い。学生時代だと,時間はあれど東京へ行く資金がなかった。社会人になると,資金はあれど,時間がなくなった。しかし幸い,時間は調整ができる部分もある。なるべくそういう研究会に参加したいというのが私のモットーだ。
 そして今回参加したのはLearning bar@Todai「未来の教科書はどうなるの!?」という公開研究会だ。東京大学の中原さんら情報学環BEAT講座が催してくれていて,ざっくばらんにテーマに関する最新動向を知り,意見交換しましょうという趣旨の研究会だ。開始時刻も夜7時から。夕方早くに名古屋を出れば,間に合う時間だ。

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我が日本語堅苦しきなり

 ご縁をいただいて執筆することになった原稿を,推敲し終えて,なんとかメールで送信した。推敲したといっても,正直言えば,原稿そのものをもう一度捨てて書き直した方がいいかなと思うのだが,また捨てる時間は残されていなかった。
 最初のものだって,わかりやすく書こうと思って綴り始めていたが,丁寧に説明すればするほど,どうも文章密度が濃くなって堅苦しい文面になるらしい。それに筆の進み方ものろのろ。
 何度か白紙に戻して,読む人の気持ちになってみる。のだが,どうも平均的な読者をイメージするのが苦手な上に,今回のテーマもまた私にとってみれば幅広くて,どこに焦点を当てるべきか大いに迷う。
 テーマについて関心のある読者が,パッと私の書いた部分のページを開いたとき,そこに何が書いてあると「面白そうだ」と感じてもらえるだろうか。もっと理論的なことだったのかな。それとも具体的な事柄だったのかな。現状に発破をかけて欲しいのかな。あああ,こんなことなら編集責任者様に聞いておくべきだった。
 結局,自分が作り出さなければならないテーマでもあるので,これを良い機会に自分なりの研究を深めていくことにしよう。それにしても,駄文なら,つらつらと書けるのだけどなぁ‥。

シンプルなドラマ

 実はこの時期までテレビドラマの世界では教師や教育関係にちなむドラマがいくつも放映されていて,巷の話題になっていた。「金八先生」「ごくせん」「女王の教室」「ドラゴン桜」などなど,もちろん学校を舞台としたドラマはスポ根ものを含めてまだまだたくさんあった。
 テレビっ子だった私も,いまじゃ半分「テ〜レビくん,さよな〜ら」状態なので,これらのドラマをリアルタイムに見てはいない。話題にすっかり乗り遅れているといったところだ。
 ただ,「女王の教室」と「ドラゴン桜」は妙に世間の話題をさらっている。しかもこれまでとは違ったトーンでだ。少しばかり気になっている。「ドラゴン桜」については,先日の駄文で紹介した『AERA』9/19号で巻頭記事に取り上げられる等,受け止められ方は伺い知れた。
 一方,「女王の教室」は,ドラマスタート時の予告で興味は持っていたのだが,なかなか実際の放送は見られずじまい。ただ,ありがたいことにストーリーの流れをダイジェストしたものが女王の教室公式Webサイトに掲載されているので,おおよその雰囲気を楽しむことができる。

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