歴史を語るものに歴史あり

 数週間のうちに幾度も東京に出かけるなんて,人生で初めてのことだと思う。今回も公開セミナーに参加するために東京へお出かけした。これも秋休みだからなせる技。秋休み様々である。
 公開セミナーの様子は,たぶん公式な報告が主催者側からも出ると思う。私も後日改めて書くことにしよう。今回もまた様々な出会いと楽しい語らいの中で知的刺激を受けることが出来た。
 別の日には,秋葉原にも出かけた。ドラマで話題になった場所だ。私は来春閉館する「交通博物館」を見学した。秋葉原の万世橋にある交通博物館は,長い歴史を持つ。館内には鉄道,自動車,船舶,航空の分野に関する展示がなされ,勉強することができる。
 しかし,都心という場所の良さは逆に,博物館の拡張を許さず,新たな展示物を設置することができない。多くは乗り物の模型展示であり,それも限界といったようなのである。そこで埼玉に場所を移して新たなスタートを切ることにしたようだ。いま交通博物館では「さよなら企画」で,過去展示されて今は倉庫に眠っていた模型や昔の博物館内の写真などを展示している。この,過去の博物館内の様子を移した写真が貴重で興味深い。交通の歴史を人々に伝え続けてきた交通博物館もまた一つの歴史を残したのである。当時の子どもたちの好奇心旺盛な姿と,博物館展示のダイナミックさに心を動かされる。
 こんな風に,立て続けの東京寄り道は,それぞれ得たものも多かった。他の用件も順調に進み,満足満足。さあ,この調子で今年度を乗り切りたいと思う。