いよいよ英国滞在最終日。帰国の翌日にある研究会のレジュメがまだ形になっていないので入力しなければならないという宿題があり,勉強場所を探してロンドンをさまよう。
大英図書館に再度足を運んだら,今日が日曜日でお休みだって事を知った。ああ,日本だったら開いていそうなのに…。それに駅のトイレは20pで有料。こんなとき異国の面倒くささを感じる。
日本にたくさん不満があって,いつも身内の文句ばかりを書き綴っている。けれども,こうして諸外国に出てみると,日本の直しべきところだけでなく,日本の良さも強く感じる。むしろその良さがどんどん失われていくことに危機感を抱くことが多いのか。
日本国の国籍はあれど,どこか純粋日本人です,と思えない自分がいる。日本の風土が好きだし,それを愛国心というなら,私にも十分あるような気がしている。けれども,私は根無し草みたいな人間。片隅にも住まわせてもらえないなら,どこかへ流れていくしかない。
正月早々から日本を旅立って英国の地にやってきた。途中,他の研究者の先生方と合流して,学校視察などに同行。一通り仕事が終わると,皆さんは帰国。そして周りに誰もいなくなり,また一人でスタバに長居している。
浮き足立っている自分が,ますます世界から切り離されて漂い始める。理屈を考えるには都合がいいが,人々と一緒に社会の中で生きていくことを前提として研究をしていくことから遠ざかってしまう。
そろそろ,この迷子の研究者にも潮時が近づいているのかも知れない。残された時間はたったの2年,あるいは運がよくても5年。その間に自分の満足いくように未来が見通せないなら,違う世界に出かけた方がよいのだろう。諸外国に飛び出るたびにそんな危機感が増す。日本は研究者にとってはますます生きにくい国になっているし…。
イギリス・ロンドンは素敵な街並を持った場所であった。それを肌で実感できたことは大きな収穫だった。視察した学校の子ども達はそれぞれ魅力的だったし,先生達も日本とはまた異なった専門職意識のうえで誇りを持って仕事をされていたのは,同じ教育に関わる人間として嬉しかったし,羨ましくあった。
まだまだ観光すべき場所が残っているのだけれど,これで時間切れ。足りない分は,自分の想像力で補うことにしよう。物理的移動による旅行は貴重だし,体験できることも多い。けれども,想像上の空想旅行も素敵なものである。現地の空気や感触は,今回の旅で手に入れた。それを手がかりに想像上のロンドンに旅してみるのもまた楽しい。
やがて時は流れて,フライトの時間がやってくる。いくつかの忘れ物を残して,この場所を後にしよう。そのとき,誰もいなくなる。
月別アーカイブ: 2007年1月
Vistaに待った!
英国の教育テクノロジー展示ショウBETTも本日で終わりを迎えた。英国における教育での情報活用を牽引している政府機関がBecta(ベクタ:日本語にすると英国教育工学通信協会になるが,どうもピンとこない和名だ…)である。
そのBectaが「
こういった明確な見識を示していく機関が存在することが羨ましい。
睦月13日目 ((英国旅行記-10))
昨日は最後の視察校Boxgrove Primary Schoolに出かけた。Ealry YearとYear1からYear6の7学年あるPrimary Schoolである。やはりHigh Schoolとは違い,子ども達が元気で学校の中も明るい。
学校内は情報活用が日常化していて,インタラクティブ・ボードやプロジェクタの備え付けられた風景に違和感がない。5年前に最初の1セットを入れてから,その価値を認めて少しずつ導入数を増やし,ほとんどの教室に設置するに至ったという。同じ5年でも使い方でどこかの国とは大きな違いがある。
さて,一通りの仕事が終わった。ホテルにインターネットがないので,どうしても詳細を落ち着いてかけなかったが,また体制を整えて書くことにしよう。視察した先生方のブログもあるので,あるいはそちらを参照していただいた方がいいかもしれない。また後日ご紹介する。
今日は最後の街歩きと帰国の準備のため新しい旅行鞄を購入するのが目標。増えてしまった荷物を何とかして一緒に連れて帰ろうと考えている。それから宿題がいくつか未消化。日本に着く前にケリを付けなければ…。
睦月12日目 ((英国旅行記-09))
少しいつもの調子に戻って駄文を書くことにしよう。今日は午前中,Roding Valley High schoolというところへ視察した。それからパディントン駅に戻り,スターバックスに長居してインターネット接続している。
イギリスの地下鉄は,コンパクトな造りになっている。自分たちのデカさを忘れたような大きさで,今朝の満員電車は東京都同じく大変だった。もっとも,ガイドブックにある通り,車両に無理矢理身体を詰め込んだりしない。乗れないならホームで待つ覚悟はあるらしい。でも鉄道のタイムテーブルは曖昧。遅れても気にしないというところが凄い。
車両内には網棚がない。日本だと網棚にスポーツ新聞を置いていくが,こちらは座席や窓際のところに平気でポイッと置いていく。で,しかも,わりと多くの人たちが何のためらいもなくそれらを回し読みしているのである。座席に置いてある新聞を取って座ったかと思うとそのまま開いて新聞読みモードである。ロンドンっ子の振りしたければ,まずこの流儀を真似てみよう。
そんな調子で手にした新聞を見たら,「リーグ・テーブル」だった。イギリスの学力テストの結果を学校毎に発表しているアレである。今日が新聞掲載日だったようで,ガーデアン紙とインディペンデント紙に掲載されているようだ。記念に買うことにした。
パディントン駅のスターバックスでねばっていると,旅行トランクを持った人々が増えてきた。ヒースロー空港へ向かう列車が出ている駅なので,これから飛行機に乗る人や,逆に飛行機でやってきた人たちということになる。私もそろそろ英国滞在の終盤を迎えている。思ってたよりも動き回れなかったが,ロンドンの空気を十分に吸えたので満足である。
アップル社の新製品は「iPhone」という名の新しいスマートフォンであった。それから「Apple TV」というテレビにパソコン動画を出力できる周辺機器である。戦略的にチョイスした発表だったため,新しいOSの詳細発表や新しいパソコンの発表は見送られたようだが,数ヶ月以内に何らかの動きがあるだろう。まずは新しい携帯電話端末で話題づくりといったところのようだ。
帰国前にいろいろ宿題があるのだが,そろそろ取り組まなくては…。海外旅行も楽じゃないなぁ。
パッパラパーの夜 ((英国旅行記-08))
BETTで資料を集めまくり,重たい荷物を抱えてホテルに帰ることになった。最寄り駅は会場横にあるオリンピア駅だったが,混んでいるのではないかと思い,ハイ・ストリート・ケンジントン駅まで歩くことにした。
歩くことにしたんだが,やっぱり荷物が重たい。バスが目についたので,行き先にパディントンと書かれていたのを確認して飛び乗った。実はバスに乗るのはそれが初めて。本当に目的地に着くのか心配だったが,見慣れた景色にたどり着いたので飛び降りた。
少し休んでから誘われた夕食会に出かける。ジャパニーズレストラン「Benihana」である。名前は聞いたことがあったが入ったことはなかった。これも初体験である。ちなみにBenihanaはアメリカ資本によるレストランである。
接客スタッフの中には日本人が居て,日本語も通じるのだが,調理人は日本人じゃない。私たちを担当したのはフィリピン人だった。怪しい日本語はともかく,ジョークが通じたのが分かるやいなや饒舌となり,賑やかな鉄板調理となった。
「オ〜,ハッピィバ〜スデ〜!」だとか「ボルケ〜ノ〜ォ〜!」とか,「ジャパニーズ・ミステ〜イク!」とか,調理しながらうるさいうるさい。さらに口ずさむはどこで聞いたのか「パラッパッパッパァ〜」というマク○ナルドのCMメロディ。こらっ,Benihanaでしょうが!
しかも調子に乗って,細切れしたステーキ片を投げて,口でキャッチさせようとする。「ユ〜,レッツトラ〜イ!」と容赦がない。だんだんお客の方が疲れてくる仕組みになっている。それも鉄板焼きの醍醐味なのか。お味の方は,繊細さがあるかどうかは別にして,美味しくいただけた。満足満足。
BETTとパッパラパーな調理人のおかげで,とても疲れた一日だったが,どちらもそれなりに楽しむことが出来た。かき集めた資料をじっくりと整理して詳細の報告をしなければならないが,とりあえず一仕事終わり。明日明後日は再び学校視察である。
Billy Elliot ((英国旅行記-07))
1984年頃のイギリス・ダラム。炭鉱の街に住む少年Billy Elliotは,毎週ボクシングを習っていたのだが,ひょんなことからバレエの練習を始めることになる。女の子ばかりのバレエ教室で戸惑いながら身体を動かしているうちに,女教師に秘めたる才能を見込まれ,ロイヤル・バレエ・スクール入学の道へと導かれていく。
英国のポップスターにして世界的にも有名なエルトン・ジョンによる作曲のミュージカル劇。物語は炭鉱のストライキという背景を下敷きに,炭鉱男たちの文化とバレエという文化(女子どものもので,上流階級のもの)のギャップを通して,少年の可能性,共同体の団結,偏見や葛藤,プライドと友情を描いている。
歌声もさることながら,少年少女達の身体芸術の素晴らしさには感嘆した。物語自体はシンプルだが,それだけに物語に引き込まれてしまった。女の子ばかりに取り囲まれてあたふたしているシーンは,何となく経験があるので共感も出来たし。
親はいつまでも子どものことを想う。そして少年は旅立ち,一人で歩み始めなければならない。英国に来て,また家族の有り難さを感じた。私は,その想いに報いることが出来るだろうか。そして次代の少年少女を想うことが出来るだろうか。
Cheam HS訪問 ((英国旅行記-06))
9日はCheam High Schoolへ視察。ビクトリア駅に集合し,そこから列車に乗るのだが,一番乗りしたのに安心したのか切符のことを考えておらず,乗車直前になって未購入が判明。予定していた列車に乗れない事態をつくってしまった。あいたた…。
学校に着いて,まず全体的な説明を受けてから,二手に分かれて生徒の皆さんに学校内を案内してもらった。教科毎に建物や教室が確保されており,基本的には先生達が待っている場所に生徒が動くという方式。ほとんどの教室にプロジェクタが導入されており,先生達も支給されたコンピュータを使って授業を展開している。
簡単なお昼をいただいてから,午後には語学のクラス。まずフランス語クラスを見学。授業中はフランス語オンリーなので,聞いていてもちんぷんかんぷんだったが,先生に説明をしてもらってようやく何をやっているのかが把握できた。
授業の導入部はパソコンを使って曲を流し,フランス語のセンテンスを歌わせながら始まる。あらかじめ一人の生徒に記録係をお願いし,授業中によい発言やよい反応をした生徒の属しているチームを加点していくのを記録させていた。ゲーム感覚で授業の参加意欲を高めようという工夫のようだ。
パソコンと液晶プロジェクタで全部まかなうかといえばそうでもなくて,オーバー・ヘッド・プロジェクタ(OHP)も常備し活用している。投影された画像や映像に多少のズレやゆがみがあろうと,あんまり気にしないことが多いようだ。自分の使用している教材に合ったものを適宜活用しているだけ。その道具の使用感覚は(以前も書いたことがあるが)実にあっさりとしたものだ。生徒が求めているのは教師の「名人芸」ではない,実際的な授業の進行なのだという割り切りが感じられる。
次は日本語のクラス。この学校と交流を始める日本の中学校の先生とご一緒に訪問したので,小さな国際交流の時間が始まった。日本からのたくさんのお土産を紹介していきながら,日本の文化を紹介する。
定番のおりがみで「折り鶴」を折る。同行したメンバーが手分けして生徒さん達にツルの折り方をレクチャーした。ご存知のように折り鶴はスタンダードな一品だが,意外と折るのが難しい。みんな英語の説明を一生懸命聞いたり,近くの日本人訪問者に聞いたりして,ツルを完成させていた。
それから,けん玉のプレゼント。実際に生徒達もけん玉チャレンジした。そして,日本人にとってもなじみの薄くなってしまった「百人一首」もお土産。札のセットと説明だけではわかりにくいので,実際にどのようにして遊ぶのかをデモンストレーションすることになった。日本を代表する某大手電器メーカーの上司と部下対決が遠くイギリスの地で展開したかどうかは定かではないけれど,「はいっ!」と札を払う様子を生徒の皆さんは興味深く眺めていた。
日本語クラスの授業の進め方もフランス語クラスと同じ手法を採用していた。最初のつかみは,慎吾ママの「おは・ロック」。担当の先生が日本に滞在していたのがその時期なのか,お気に入りなのだそうだ。それから,「雨に唄えば」のメロディに乗せて日本語のセンテンスを練習する。面白かった。
手厳しいことを書けば,必ずしも担当の先生の日本語は完璧ではない。もちろん完璧であることは難しいからそれは問題ではない。むしろ,そんな日本語のクラスを参観しながら,日本における英語の授業を英米人が見たら,こんな感覚で見えるのだろうなと逆想像をして,ちょっとゾッとしたのである。自分ももっと英語勉強しよう…。
長い時間お邪魔させていただけた上に,ICT機器についてもいろいろ説明してもらえて勉強になった。インタラクティブ・ホワイトボードを思う存分触らせてもらったので,操作技能が少し上がったかな。セットになっている白板ソフト(?)はなかなか多機能で,授業の中で役立ちそうな機能が満載だった。なかなか楽しい。
今後は,インタラクティブ・ホワイトボードもペンを使わず手で操作でき,さらにマルチタッチに対応して,複数の生徒が画面上に入力するのをサポートし始めるだろう。某大手電器メーカーさんが実現して,プロジェクタをオレンジ色に塗ったら,シェアも少し上がるかも知れない。たぶんだけど。
BETT会場にて ((英国旅行記-05))
ただいまイギリスの教育テクノロジー展示ショウBETTの会場に来ている。ロンドンはケンジントン(オリンピア)にある展示会場施設で催されているのだが,教育市場に特化しているというのに規模のでかいこと。どんな展示があるのかを駆け足でなぞるだけでも大変である。詳細については,もう少し落ち着いてから書こう。
簡単な印象としては,コンテンツを提供する展示が多いし,学校におけるICTを様々な形でバックアップするコンサルタント企業の展示も多く感じた。英国のICTといえばお馴染みのデジタルホワイトボードも各社揃っているし,学校マネジメントの基幹ソフトを扱う企業も多い。小さなブースを構えてニッチな市場で頑張る企業もたくさんある。
それらに混じって,政府や公的機関もブースを出して存在をアピールしていた。結局,明るいところに夏の虫が寄ってくるように,国のICT施策を率いる機関や関係者がアクティブになることが,BETTのような展示ショウにとって大事なのかも知れない。経済的利得をえることが企業の宿命だから,それだけの集まりだと商売っ気が強すぎる。そこになぜそのような経済投資が必要なのか,政策的なメッセージを添える意味でも,公的機関の大規模な出展は必要なのかも知れない。
展示ブースを巡っているうちに,イギリスに来ていることを忘れて,資料を集めすぎた。どうやって持って帰るのかという問題が発生。小包の送り方を教えてもらわないといけないなぁ…。
昨日は学校視察も行ってきた。本当はそれについても詳細を書きたいが,手元に資料もないので,これも次回以降詳しく記録したいと思う。いやはや,とにかく会場は熱気ムンムンです。
CESとMacWorld ExpoとBETT ((英国旅行記-04))
ニュースでご存知のように,米国ではCESというコンシューマー向けエレクトロニクスに関するショウが開催されている。そしてほぼ同時期にアップル社のパソコンMacintoshに関するショウも行なわれる。そしてそして,イギリスでは教育に関するテクノロジーの展示会議BETTが開催される。
この2007年は,いずれのショウにおいても今後の動向を方向付ける重要なニュースがある。CESでは,マイクロソフトによるWindows Vistaのリリースがあげられる。長らく待たされた新OSだけに,新鮮味が薄くなっているものの,1月30日に予定されている本格発売が達成されれば,今後のパソコン界はそれを中心に動かざるを得ないわけで,とにかく重要である。
しかし,Windows Vistaに負けず劣らず,むしろより注目を集めているのがMacWorld Expoにおけるアップル社からの新製品発表である。今年の発表は,アップル社30周年を経た次なる一歩として,かなり期待度が増している。もしもこの期待にたがわぬ内容の新製品がリリースされれば,直接的にも間接的にも(iPodがそうであったように)今後のパソコン業界に強い影響を与えることになる。
そして,そんな二大ショウの内容に影響を受けるのが教育分野のテクノロジーに焦点化したBETTだともいえる。残念ながら,こうしたショウの存在やそれと同時並行して展開される国家間の外交などは,一般の日本人にはほとんど知られていない。日本のマスコミも教育関係情報誌すら,まともに伝えようとする気概がないのだから,無理もないか。
果たしてBETTとはどんな催しなのか。英国の学校ではどんなICT活用や教育が展開しているのか。拙いながらも,この教育らくがきが皆様にお届けする予定である。
科学博物館と大英図書館 ((英国旅行記-03))
今週末,英国は雨模様だった。歩き回るのはやめて,ピンポイントで目的地を決めて見学することにした。3日目は,科学博物館を選ぶ。お隣に自然博物館があり,内容的にはそちらを選んだ方が面白みもあるのだろうが,各地に寄ったら科学博物館を見ていることもあって,流れの中で選んだ。
多くは世界の科学博物館に似たオーソドックスな展示ではあったが,規模も大きいし,新しい科学情報を伝えようと工夫したり,ヨーロッパ圏っぽいセンスの展示装置などは興味深かった。
日本にも科学未来館という野心的な施設があるから,決して諸外国にあって日本にないというわけではないにしても,国全体における影響力の持ち方という点に違いを感じてしまうのは,単なる錯覚なのだろうか。日本に帰ったら,上野あたりに出向いて,考えを深めたいと思う。
翌日(4日目)は,やはり天気が優れない。日本から持ち越してきた宿題を少しでも片付けなければならないので,どこか静かに勉強できる場所が欲しかった。
そういえば,かつて学部時代の指導教官から大英図書館の土産話を聞いたことがある。かつて大英図書館は大英博物館に併設されていたが,今日では独立した建物に移設されている。自習をしたければ図書館と相場が決まっているので,大英図書館に紛れ込んでみようと考えた。勉強道具を持って,いざ出発。
大英図書館に着くと,正門になにやら撮影隊がいる。図書館入り口の掲示を見ると,「BBCのドラマ撮影があります,ご了承ください」なんて書いてある。へぇ〜と思いながら通り過ぎて,とにかく自習できる場所を探した。
幸い,2階にソファーと机が用意されている。午前11時頃には人気も少なく,これは静かに勉強できると喜んでさっそく宿題を始めた。ところがしばらくすると,がやがやと人がやってくる。ドラマの撮影隊が周りを取り囲み始めた。屋内の撮影が始まった。さらにお昼を過ぎると,図書館の利用者も増えてきて,かなり賑やかになってしまった。
そんなこんなで静けさは無くなってしまったが,6時間弱ねばって,宿題を進めた。こんなロンドン滞在も,ある意味贅沢かも知れない。大英図書館閉館間際に特別展を見る。古い地図のコレクションを通してロンドンの街を見るという企画。テムズ川を中心として,ロンドンという街がどのようにつくられ,発展していったのかがよく分かる興味深い展示だった。こういう良質な展示企画がFreeで見られるのだから素晴らしいと思う。
夜,こちらに住んでいるHさんから電話をもらう。明日,オックスフォードに行くがどうですかというお誘い。実は行こうかどうしようか迷っていたので,喜んでついて行くことにした。というか,現地で待ち合わせすることにした。
そんなわけで,いよいよ5日目から,待ち人来たるという感じで他の皆さんとの行動が始まる。