初めての渡英なのに,ロクな準備をしなかった割りには,スムーズにホテルまで。まあ,ヒースロー空港から出ているヒースロー・エキスプレスという列車の到着駅がパディントン駅というだけで,その周辺のホテルにしたのだから,当然といえば当然だろう。成田エキスプレスと違って,ロンドン市内まで15分という速さである。楽なことこの上ない。
海外でインターネット接続を確保するためには,いくらか手段がある。
1. インターネット接続完備のホテルに宿泊すること。
2. モデムを用意して,海外ローミング用アクセスポイントに接続すること。
3. 無線LANサービス(Hot-Spot)を探して,料金を払ってアクセスすること。
一昔前なら1.ができるホテルが少なかったし,3.もサービス自体が普及していなかった。海外でインターネットをするには2.の方法を使ってアクセスするしか実質的には手がなかった。
そのため,一昔のモバイラーは,ソフトバンクなんかが出していた海外通信接続の本を参考にしながら,電源から電話回線に関する様々な情報を押え,変圧器はもちろん,電話ジャック変換器や電話線チェッカーや配線反転器などを揃えておくのが当たり前。準備を万端にしても必ずしも接続成功しないことを覚悟しながら飛び回っていた。
そんな時代を知っている者からすると,世界の大都市なら1.2.3.のどれかは必ずあって,しかもインターネットカフェみたいな場所も期待できる今日の環境は,夢のような世界である。
そんなわけで,本当なら1.か2.の方法でホテルからアクセスするつもりが,安宿に宿泊しているために,スターバックスまでやってきて,3.の方法で接続している次第である。それでも自分のパソコンでインターネットアクセスできるのは有り難い。
イギリスに着いた翌日,さっそく街歩きに出かけた。巡るべきポイントがたくさんあるのはよく分かったが,身体は一つだし,時間も限られているので,自分でコースを決めて歩くことにした。
地図とにらめっこして,バッキンガム宮殿から国会議事堂(ビッグ・ベン)に向かい,テムズ川沿いを世界最大といわれる展望観覧車ロンドン・アイからテクテク歩き,ミレニアム・ブリッジを渡ってセント・ポール大聖堂を眺めたら,東にあるロンドン塔を目指すというコースプラン。
午前10:30から出発して,まずは地下鉄でビクトリア駅へ。この国の女王様がいらっしゃる場所をまず表敬訪問する。それにしてもロンドンの街はどこを切っても絵になる。なかなか魅力的な街だ。バッキンガム宮殿の前には広場が広がり,そしてセント・ジェイムズ・パークがある。ハトやアヒル,カモなどがたくさんの鳥が生息している。公園の中をのんびりとテムズ川方向へ歩いて道路に出ると,遠くにお馴染みのビッグ・ベンが見えてくる。
ガイドブックの写真を見るとビッグ・ベンは色白なのだが,実際のビッグ・ベンは化粧直しでもしたのか金色っぽかった。ニューヨークで見た自由の女神の時もそうだったが,ビッグ・ベンも想像していたほど大きくはない。それでもロンドンのシンボルとしては十分な威厳をもってそこに存在していた。
橋を渡り,旧シティ・ホールでいまは水族館になっている場所にマクドナルドがあったので,腹ごしらえをする。アメリカ文化に乗っ取っている分には,こういうときに楽である。
川沿いを少し歩くとロンドン・アイがある。21世紀に入って新しいロンドンの観光シンボルとして作られた展望観覧車である。普通の観覧車とは違い,ゴンドラではなくカプセルという乗り物を採用し,なるべく視界を妨げないように作られたデザインが珍しい。いくつかの映画の中でも舞台として登場するほどである。ちなみにこの日もどこかの撮影隊がカプセルの中で芝居を収録していた。
ロンドン・アイからウォーター・ルー国際駅へ。この駅でヨーロッパ大陸へ向かうユーロスター列車が発着する。ホームのでかさを期待して寄ってみたが,残念ながら外から覗き見ることは難しかった。早々に退散して次へ。
再びテムズ川沿いへと戻り,テクテク歩くとTATE MODERNと呼ばれる現代美術館が現れる。そのシンプルにして独特な建築に目を奪われながら,その真ん前から対岸まで伸びるミレニアム・ブリッジを渡ることにする。ちょうどセント・ポール大聖堂へ導いてくれるラインである。
映画メリー・ボビンズでも見る者に印象を残すセント・ポール大聖堂は,英国国教会の本拠地。この季節は街中,修復工事が多くて,大聖堂も一部修復工事のために幕が掛かっているが,多くの人たちが訪れていた。ここも内側の見学は有料なので,外をグルッと回ることにする。次第に空が本格的に鳴き始め,映画さながらに雨のセント・ポール大聖堂を味わった。
あとは,雨の中をロンドン塔まで歩く。雨のせいなのか,少々遠く感じた。それでもなんとかたどり着く。川の方にはタワー・オブ・ブリッジ。なかなか素晴らしい眺めである。ちなみにこれはロンドン・ブリッジと呼ばれる橋ではない。写真はロンドン塔(城内)を見学しまくった後に,あたりがすっかり暗くなってから撮影したもの。独りで見るにはもったいない景色である,ははは。
ロンドン塔は,歴代のイギリス国王が住んでいた場所らしい。もっともこの城の歴史は戦いや戦争の歴史であり,展示内容も武具や牢獄など,おどろおどろしい歴史を伝えるものも多い。時間がなかったので見られなかったが,王室所有の宝石や装飾品なども展示されているようだ。また来る楽しみをとっておくことにしよう。
なんとか当初の予定を達成。あとはインターネットにつなげるため,リージェント・ストリートにあるアップル・ストアに向かう。地下鉄でピカデリー・サーカス駅。そこから歩いたのだが,実はオックスフォード・サーカス駅の方が近かった。
アップルストアで久しぶりにメールチェックとブログ更新。いろいろ返事しなければならないメールも来ていた。少し遅れてます,ごめんなさい。
滞在途中で欲しくなった周辺機器があるかと思ったらアップルストアには売っていなかった。聞いたらPC WORLDというパソコン店で売っているのではないかと店員さんが教えてくれた。お店はケンジントンにあるらしい。というわけで,帰りに寄り道してPC WORLDでお買物。なんとか目的の品を見つけた。これもロンドンが大都市だから出来ることか。
ようやくパディントン駅に戻って,ホテルへ。いやはや,疲れました。でも,なかなか充実した一日であった。これが街歩きの醍醐味である。忘れないうちにもう一度地図で歩いたルートを確認して,記憶を呼び覚ましてみる。
ロンドンの街中では,日本人やアジア人に会うことが少ない。聞こえてくるのはドイツ語やらスペイン語やら,ヨーロッパ大陸の言葉。向こうからの観光客がいっぱいみたいだ。私が宿泊しているホテルもアジア人は私一人。ちょっと寂しい気がしないでもないが,まあ気楽といえば気楽である。
ただ現地に住んでたり働いているらしき日本人はちらほら見かける。そういえば,行きの飛行機でもイギリス在住の若い夫婦と赤ちゃんに出会った。いつものように赤ちゃんにじっと見つめられたのが縁で,少しばかり言葉を交わした。生まれて5ヶ月の赤ちゃん。このお正月に一時帰国して両親に見せに行ったのだとか。お母さんに「お子さんいらっしゃるんですか?」と聞かれた。「この子,ずっと見ていたので…」と言われて「いいえ」と苦笑いして答えた。「イギリスの子育てはやりやすいですか?」と聞いたら,子育てには理解のある環境だと教えてくれた。
というわけで,初めての英国を相変わらずの調子で味わっているところである。翌日は,天気も雨。動き回った前日から切り替えて,目的地を科学博物館に絞って堪能したのだが,そのお話はまた次回以降。
月別アーカイブ: 2007年1月
ロンドン・ロンドン ((英国旅行記-01))
いやはや、やっと書き込みである。私はいま,ロンドンのアップルストアにやってきている。とりあえず無料でインターネットをやらせてくれるところがここしか思いつかなかったので…。
正月早々から成田を飛び立ち,12時間をかけて英国ヒースロー空港に降り立った。幸い,迷うこともなく宿にもたどり着き,翌日の今日は,一日ロンドン市内を歩き回ったところである。
日頃の夜更かし,昼夜逆転生活が功を奏して,こちらでの時差ぼけはそれほどない。少々手痛いアクシデントもあったが,考えようによってはラッキーとも言えるので,ほぼ問題なく過ごしている。体調や安全面での問題はまだないので,安心していただければと思う。
あえて問題と言えば,安宿を確保したせいで,ホテルからインターネットが全くできないことである。とほほ。電話でなんとかできると思ってたら,交換を通さないとダメみたいなので,モデムが使えない…。なんとか近場で無線LANアクセスポイントを探さないと。
という訳で,たまの更新になると思うが,またご報告したい。
第二ハナチュー
お正月どうお過ごしだろうか。大晦日から年明けまで夜更かしをして、お寝坊な元旦を迎えた方も多いと思う。私ものんびり起床して、近所の神社に初詣という、いつものお正月を過ごしている。
「初夢」は大晦日から元日にかけて見る夢なのか、それとも元日から二日にかけて見る夢なのか、見解が分かれるようだが、とりあえず後者というのが一般見解だと聞いたことがある。というわけで、今夜の初夢によい夢が見られるように、いろいろ準備しておこう。
妹と出かけ初買い物。普段使いするベルトを買った。今年はいろいろ気を引き締めていこうかというおまじないみたいなものか。そして初雑誌買いとなったのは『ハナチュー』と『ニコラ』というローティーン雑誌である。
『ハナチュー』2月号の特集は「元祖・花の中学生リアル白書」というわけで、いわゆるローティーン達がどんな事に関心があるのかを知るには面白い記事が掲載されている。
いやはや、老舗『SEVENTEEN』誌など、このセグメントの雑誌群の存在は認知していたが、その内容についてはあまり意識してこなかった。あらためて中身を覗いてみると、ギャル系、お姉系の雑誌の内容をダウンサイズしたというか、アレンジしたような内容の情報が目白押し。この情報量を日々、嬉々としてやりとりしている子どもたちを相手に教育実践するのだから、教員のリテラシー能力の相当なパワーアップが必要に思える。
『ハナチュー』編集部調べ(N=3000)によると、女子中学生が一日にケータイを触る時間は171分。うち111分がメールで、40分がサイト閲覧らしい(ちなみに通話は別個に調べて平均28分らしい)。
将来の職業は、1位「保育士」、2位「美容師」、3位「パティシエ」となっており、以下4位「モデル」、5位「看護師」、6位「教師」らしい。いつの時代も保育士志望が多いというのは有り難いが、保育士の質が問われている時代だけに、安易な気持ちで志望することが難しくなっていくのかなとも思う。
こうした雑誌の中の女子中学生達が標準ではないのは重々承知。アンケート調査の母集団やサンプルの妥当性も怪しいものだ。むしろ、これらはマーケティングやプロモーションに属するものなのだから、実態を知るというよりは、子どもたちがこんな物語をあてがわれて影響を受けているという状況を知る点でしか意味はないだろう。
けれども、こんな情報誌に思いを馳せたり、日々を自分たちの物語で慌ただしく生きている多感な子どもたちに、これから私たちはどんな世界を提供していくべきだろう。それを為し得るのが、決して教育界ではないということだけはハッキリ予感されている今日に、それでも教育に携わる者として何が出来るのか考える人々を、この教育らくがきで励ましていきたいと考えている。
さて、2007年である。The Economistからハナチューまでを同列に扱う教育関連サイトは、世界広しといえどもこのサイトだけかも知れないが(あんたが物好きなだけだと月並みなツッコミしないように…)、全てのものから学ぶ姿勢を今年も取り続けていきたいと思う。
文章が長くて読む気がしないとか、論理が飛び飛びで理解不能だとか、いろいろあるとは思うが、所詮駄文である。そんなこと分かった上で、今年もこっそりとお楽しみ頂ければと思う。
さあ、第二ハナチュー(花の中年、しかも年男だ)として、2007年も頑張って参ります。どうぞよろしく。