科学博物館と大英図書館 ((英国旅行記-03))

 今週末,英国は雨模様だった。歩き回るのはやめて,ピンポイントで目的地を決めて見学することにした。3日目は,科学博物館を選ぶ。お隣に自然博物館があり,内容的にはそちらを選んだ方が面白みもあるのだろうが,各地に寄ったら科学博物館を見ていることもあって,流れの中で選んだ。
20070107_science_1 多くは世界の科学博物館に似たオーソドックスな展示ではあったが,規模も大きいし,新しい科学情報を伝えようと工夫したり,ヨーロッパ圏っぽいセンスの展示装置などは興味深かった。
 日本にも科学未来館という野心的な施設があるから,決して諸外国にあって日本にないというわけではないにしても,国全体における影響力の持ち方という点に違いを感じてしまうのは,単なる錯覚なのだろうか。日本に帰ったら,上野あたりに出向いて,考えを深めたいと思う。
 翌日(4日目)は,やはり天気が優れない。日本から持ち越してきた宿題を少しでも片付けなければならないので,どこか静かに勉強できる場所が欲しかった。
 そういえば,かつて学部時代の指導教官から大英図書館の土産話を聞いたことがある。かつて大英図書館は大英博物館に併設されていたが,今日では独立した建物に移設されている。自習をしたければ図書館と相場が決まっているので,大英図書館に紛れ込んでみようと考えた。勉強道具を持って,いざ出発。
 大英図書館に着くと,正門になにやら撮影隊がいる。図書館入り口の掲示を見ると,「BBCのドラマ撮影があります,ご了承ください」なんて書いてある。へぇ〜と思いながら通り過ぎて,とにかく自習できる場所を探した。
 幸い,2階にソファーと机が用意されている。午前11時頃には人気も少なく,これは静かに勉強できると喜んでさっそく宿題を始めた。ところがしばらくすると,がやがやと人がやってくる。ドラマの撮影隊が周りを取り囲み始めた。屋内の撮影が始まった。さらにお昼を過ぎると,図書館の利用者も増えてきて,かなり賑やかになってしまった。
 そんなこんなで静けさは無くなってしまったが,6時間弱ねばって,宿題を進めた。こんなロンドン滞在も,ある意味贅沢かも知れない。大英図書館閉館間際に特別展を見る。古い地図のコレクションを通してロンドンの街を見るという企画。テムズ川を中心として,ロンドンという街がどのようにつくられ,発展していったのかがよく分かる興味深い展示だった。こういう良質な展示企画がFreeで見られるのだから素晴らしいと思う。
 夜,こちらに住んでいるHさんから電話をもらう。明日,オックスフォードに行くがどうですかというお誘い。実は行こうかどうしようか迷っていたので,喜んでついて行くことにした。というか,現地で待ち合わせすることにした。
 そんなわけで,いよいよ5日目から,待ち人来たるという感じで他の皆さんとの行動が始まる。

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