月別アーカイブ: 2004年10月

文部科学省への罠?

 このところ直接間接に文部科学省周辺での不正行為に関するニュースが報道されている。日本学会事務センターの破産しかり,世界青少年交流協会の補助金問題しかり,日本私立学校振興・共済事業団の算定基準問題しかり‥‥。こうして立て続けに報道されるところを見ると,三位一体改革における文部科学省の抵抗を弱めるためのリークではないかとも思えてくる。
 はっきり申し上げて世間における文部科学省の旗色はよくない。その中で,直接には関係のない問題だと文科省側や教育関係者が考えようとも,世間は報道記事に「文部科学省」の文字を見れば,否応なく世間での文科省評価に結びつけられてしまう。結局,世論を味方につけられないことになる。
 そもそも文科省は足並みの揃わない烏合の衆のようなところ。子育てや幼児教育に始まり,義務教育,高等教育,専門教育,生涯学習にいたるまで,人の一生に沿う事柄をまとめて預かっているのである。混沌と表現してもいいような「人の一生」についてである。そうならざるを得ない。だからこそ,もっとしっかりやってくれないと困るのだが,つけいる隙も人一倍多いのがなんとも頼りない。
 もう一度,テレビCMでもつくってイメージアップでもしますか?

幼稚園実習指導訪問

 幼稚園で実習中の学生たちを訪ねた。昨日は雨模様だったが,今日は気持ちのいい晴れ。この時期は運動会直前で練習が重なる日々なので,実習生達もそのお手伝いをすることが多い。日常的な保育や教育の実習に取り組むことがなかなか難しいのだが,それぞれの園でいろいろ配慮していただきながら学ばせてもらっているようだ。
 あちこちの幼稚園をまわると,規模や取り組みも異なるし,地域ごとの事情の違いも垣間見える。幼稚園よりも保育所を選択する親(そちらの方が長く預かってくれるから)が多く,園児が減少傾向にある園もあった。一方で,園児600名を切り盛りする大規模園は,慌ただしい中にもどこか優雅な(悠長な?)雰囲気があったりもする。
 義務教育費国庫負担金をめぐる議論で,国庫負担金が廃止になれば地方の教育に格差が生じるという問題が指摘されているのはご存知の通りである。たとえば日本の教育を考える10人委員会サイトや『世界』10月号の論考を参照。難しい議論は別にちゃんと押さえるとして,実際に格差が生じたときに見えてくる風景は,いまの幼稚園や保育所の世界なのかなとぼんやり思った。古めかしく卒園生には懐かしい園舎も味があっていいのだとは思うが,一方では潤沢な資金のおかげで新しくて明るい園舎や部屋がまぶしいところもある。地震があったらと思うと,両者の違いが何となく不安でもある。たぶん世間の人には,そういうものさえイメージできていないのかも知れない。
 思ったのだけれど,たとえば10人委員会のサイトも小綺麗にまとまって,スライド資料のPDF等の資料は悪くないが,いっそのこと「金持ちA学校×貧乏B学校」ってな企画で,イメージ写真や映像をつくってみてはどうだろう。とりあえず発言しましたというアリバイサイトに終わりたくなかったら,世間の人々に訴求することに徹してみるのも悪くない。え?それはマイケル・ムーア的だって?ははは,かもね。

skm&hg_02

 非常勤講義の第2回。「視聴覚教育メディア論」(skm)では,本論に入るための予備知識やイメージを持ってもらうため,パソコンで出来ることをプレゼンテーションすることにした。要するに「デモ」である。パソコン販売員よろしく,パソコンがいかに多機能かを喧伝したわけだ。
 本音のところでは,こういう事を大学の講義でするのはいかがなものかと思う。視聴覚教育の歴史をたどり,メディアリテラシーのなんたるかを説き,情報モラルやセキュリティに意識的であれと啓蒙するような,そんな授業が粛々と展開する方が「大学の授業してるよなぁ,オレ」って気がしないでもない。まして,普段からマイクロソフトの手先と化して「マイクロソフト・オフィスのワークショップ」やっていると自嘲しているにもかかわらず,今日はマッキントッシュを使っての実演だったから,アップルの手先と化しただけの授業だったと言われても反論のしようがない。
 もちろん,その批判は甘んじて受けるにしても,私は授業を終えて再理解した。まだ今の大学生は,パソコン知らないのである。インターネットが日本で商業向けにデビューして10年である。今の学生達が小学3〜5年生の頃だ。Windows95旋風も同じ頃だから,まだまだパソコンが身近な世代ではない。むしろ携帯世代である。

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10月がやってきた

 今日から10月。秋といっていい時期のはずなのに,日中はまだ暑さも残る。来週くらいからは秋物が問題なく着られる陽気になるといいものだ。今週も一段落,来週は幼稚園へ実習訪問に出かける予定。まだアポが取れていない,どうしよう。
 先日の台風の日には高校訪問へ出かけ,大雨と強風の中をドライブ。あちこちに点在する担当校の進路指導室にお伺いして,資料を渡したり,様子を教えてもらう。短大なんか相手にしない高校もあるし,そうはいっても訪問客,台風の中をびしょ濡れで訪ねにきたのが哀愁を誘うのか,その優しさが身にしみた訪問校もあった。最後の高校では,駐車場の排水溝に車のタイヤがはまり,独りでジャッキアップして悪戦苦闘していたら,やみかけていた雨が大泣きをはじめるコメディ映画状態。それを,訪問しようとしていた学校の先生が校舎から発見してくれて,他の先生方と一緒に救援してくれた(ホントの話だけど,ヒミツの話)。その日に高校訪問に出かけたのは,担当授業がない日だからなのだが,先生にとっても台風は授業のある日の午前中にやって来て欲しいと思う一例である‥‥。
 なにやら小学生の天動説問題が賑やか。学会なんかで改めて取り上げると,文部科学省も無視できないのか,記者会見でコメントしたのだという(この「記者会見」というのが,いつも気に入らない。私たち一般人はどこからそのニュースソースを得ればいいのか。東京人や記者クラブの連中の仲間内で勝手に盛り上がらないで欲しいよ)。はっきり言って,この話題で盛り上がる基準が私にはわからない。どう考えても些末な話だ。文部科学省が「中学校で扱います」なんてコメントする事自体,筋書き通り,予定調和のせりふを引き出したに過ぎないわけで,なんも意味がない(しかも得体の知れない「記者会見」でのコメントだ)。もっと新聞スペース費やすべき話題があるだろうに。
 さて,来週の準備をしましょうか。