幼稚園で実習中の学生たちを訪ねた。昨日は雨模様だったが,今日は気持ちのいい晴れ。この時期は運動会直前で練習が重なる日々なので,実習生達もそのお手伝いをすることが多い。日常的な保育や教育の実習に取り組むことがなかなか難しいのだが,それぞれの園でいろいろ配慮していただきながら学ばせてもらっているようだ。
あちこちの幼稚園をまわると,規模や取り組みも異なるし,地域ごとの事情の違いも垣間見える。幼稚園よりも保育所を選択する親(そちらの方が長く預かってくれるから)が多く,園児が減少傾向にある園もあった。一方で,園児600名を切り盛りする大規模園は,慌ただしい中にもどこか優雅な(悠長な?)雰囲気があったりもする。
義務教育費国庫負担金をめぐる議論で,国庫負担金が廃止になれば地方の教育に格差が生じるという問題が指摘されているのはご存知の通りである。たとえば日本の教育を考える10人委員会サイトや『世界』10月号の論考を参照。難しい議論は別にちゃんと押さえるとして,実際に格差が生じたときに見えてくる風景は,いまの幼稚園や保育所の世界なのかなとぼんやり思った。古めかしく卒園生には懐かしい園舎も味があっていいのだとは思うが,一方では潤沢な資金のおかげで新しくて明るい園舎や部屋がまぶしいところもある。地震があったらと思うと,両者の違いが何となく不安でもある。たぶん世間の人には,そういうものさえイメージできていないのかも知れない。
思ったのだけれど,たとえば10人委員会のサイトも小綺麗にまとまって,スライド資料のPDF等の資料は悪くないが,いっそのこと「金持ちA学校×貧乏B学校」ってな企画で,イメージ写真や映像をつくってみてはどうだろう。とりあえず発言しましたというアリバイサイトに終わりたくなかったら,世間の人々に訴求することに徹してみるのも悪くない。え?それはマイケル・ムーア的だって?ははは,かもね。