いつもの話

 三連休ならぬ「三連勤」を終えて,明日からまた出勤。私が倒れたら,「この人はよう働いた」と語って欲しいものである。とにかく,明日は毎年恒例のバレンタイン・ディであり,今夜も夜間営業中のスーパーで,明日のチョコ配りのためなのか若い女性があれこれ物色している様子を見ることができた。
 私の職場は女子短大なので,さぞチョコをたくさんもらえるだろうと考える人が多い。しかし,職場では定期試験もすべて終了し,大がかりな催し物も三連休のうちに終了してしまったので,明日の当日に職場で学生達の姿を見つけることはできない。それでもあなたは数多くいる女の子達から義理でももらえるのと違うの?と思うだろうか。
 たとえば私の職場には1000人弱の学生がいる。仮にその半分に私の存在が認知されているとして,500人。そのうち私と会話を交わせる程度以上の関係を保っているのが,半分として250人。人には好き嫌いがあるから,私に対して嫌悪感を抱いていないのを半分と見積もって,125人。大雑把に義理でもチョコをくれそうな可能性を持つのを100人としようか。さて,ちょうど百分率として表現できそうだ。短期大学のしがない教員が,女子学生から義理でもチョコをもらえる可能性は何パーセントだと思うだろうか。
 ゼロ。0パーセントである。私が好かれるような人間でないとか,近づきがたい存在であるとか,優しくないとか,格好良くないとか,そういう要素も関係するだろう。はいはい,そういう評価を甘んじて受けよう。モテるとは言えない。たぶん学生に数多く不義理をしているのだろう。人気がないなら,それでもいい。しかし,こういう環境にいながら,ゼロ記録を更新し続けるのも,それはそれで結構しんどい。嘘でもいいから,「先生,いつもありがとうございます」ってメルティ・キッスの一つでも差し出されてこないものかと,私は毎年思ってしまう。
 もっとも,今年は卒業したOGからチョコをもらえた。ああ,卒業してからわかる恩師の有り難さといったところか。持つべきものは卒業生なのかも知れない。そして連れられた寿司屋さんの女将さんからももらった。お客用でも独り身には嬉しい。
 疲労困憊。何でもないことが励みになりうる,そんな精神状態なのだ。とにかく,早く眠ろう。明日も朝が早い。