三連勤

 年度末年度初めの慌ただしい時期を迎えている。大学の授業や試験も一段落して,教員としては成績付けを早く片づけて,来年度の授業準備や研究に時間を割きたいところだ。ところが,この御時世,「そうは問屋が卸さない」というのがいつものパターンだ。入試業務やら担当部署の年度内の残務やら,来年度のための事業計画業務やら,目まぐるしい。
 そしてようやく今日から三連休!といいたいところに催事続きの「三連勤」が始まる。卒業していく学生達にとってはこれまでの学生生活の成果発表の場となる様々な催しをこの三日間で披露するのだ。地域の皆さんをお招きするイベントでもあるため,私たち教員もそのフォローをするため参加する。もちろん,ここ数日は,そのための準備も賑やかに進められていた。
 働いてお給料をもらえる立場であるから,それだけで私は贅沢であると思う。一方で,某大学では教員OG/OBの助けを借りて,無償で非常勤教員として活躍してもらう制度を始めた。年輪を積み重ねた専門家の力を有効活用するという観点からは面白い取り組みだが,非常勤として生計を立てる下の世代の人々にとっては青天の霹靂である。世代の循環を滞らせるツケは後々大きく跳ね返ってきそうだ。
 慌ただしい日々の中で,細々と教育に関する報道や言説状況をウォッチしてみているが,なかなか駄文でご紹介する余裕がない。教育にまつわる論議や問題把握が,個別細分化され,全体として捉えることがとても難しくなっているように思うだけに,物事の意図を大雑把でも整理していくことが必要に思うのだが,すべてフラットに乱立したまま,人々を煙に巻いて終わっているのではないかと危惧する。