もうワカモノではない

 なんて残念な気持ちになるニュースが続くのだろうと思う。テレビやパソコンを消せば何事もない時間が過ぎるとはいえ,世間に流れているあの話題この話題を眼にすると気分はすぐれない。

 芸能人と麻薬の問題はやたら目に付いた。そういう怪しい業界なのだと理解はしているが,その無自覚さに呆れる。そして悲しいのは,どちらも「子の親」になった者の起こした事件だということ。芸能人であるがゆえに「恥ずかしさ」も吹っ飛んでしまっていたのだろうか。

 もちろん,すべての出来事は小さな出来事の積み重ねで起こるのだから,個人的な出来事や状況が少しずつ本人達を追い詰めたのだろうと思う。どこかに踏みとどまるべきポイントがあったのだろうけれども,それさえも目まぐるしく一瞬一瞬が過ぎゆく中で捉えられなかったのだろう。

 結果的には,残念な出来事として私たちの目の前に現れてしまった。

 ちなみに,逃走劇を演じた彼女は,私と同い年である。

 そのことも私に空しい気持ちを運んでくる。

 自分の役目を粛々と演じていくことだけ。

 そのことだけが私たちの手もとに残る。

 けれども,それを自覚することが一番難しい。