9/27夜に第2次小泉改造内閣が発足したとのニュース。義務教育国庫負担金制度などの問題で注目される文部科学大臣のポストには,自民党森派の中山成彬氏が起用された。
今回の内閣人事は,改革路線を加速させるねらいが明確なものだという評がある。ほとんどの人々が財政関係の息がかかった経歴を持つ点,郵政民営化以外にはあまり方向性が見えない布陣など,確かにそういう印象があちこちから感じられる。
さて,中山文科相なのだが,記者インタビューの記事によると義務教育国庫負担金制度廃止には反対の姿勢を継承すると明言していた。これまでの路線を引き継ぐのは官僚出身者としては当然の態度なのだろう。文部省時代の政務次官の経歴がある人なので,文部行政と縁もゆかりもなかったわけではないが,もともとは大蔵官僚であり,最近までは経済産業大臣として活躍されたようなので,おそらく三位一体改革に対しては一定程度の理解を示し,土壇場で国庫負担金制度を切り崩しにかかる可能性も否定できない。あくまでも不安がないわけではないという意味でだけれど。
web記事を検索していると野党なんかの解説ページが出てきて,「改憲色くっきり」なんて指摘が書いてある。中山氏が改憲に対してどんな考えを持っているのか,まだはっきりわからない。中山成彬氏webサイトをじっくり見てみなければならないか。前出のインタビュー記事には「愛国心」という言葉に関する言及があったり,奥様の中山恭子内閣官房参与と共に北朝鮮拉致問題に積極的に取り組まれていた点など,あれこれ勘案したりすると,教育基本法改正に先鞭をつけて改憲につなげるという道筋に適した人物のようにも見えてくる。果たしてどうなるのか。
テレビで「個性化教育は必要か」なんてことを現場の先生を招いて討論ショーしていたが,そんな見せ物的なことをしているところで,見えにくい問題がじわじわ大変なことになっていることを取り上げて欲しいんだけどなぁ。