日本教育工学会二日目

 学会二日目。今朝は少し気持ちの余裕も生まれたものの,別の上着のポケットに名札を忘れてしまったところからスタート。受付で新しいものをお借りして,工学部へ。途中,山内研のMさんと会い,歩きながら久しぶりにおしゃべりをした。

 午前中は一般発表を聞いて回り,途中,福武ホールの地下で行なわれているポスターセッションにも足を運んだ。あまりたくさんの発表を追いかけすぎずに自分でペース調整すれば,大会参加もゆったりできるのかなと思えた。

 応募数の増加もあって一般発表の持ち時間が短くなり,いくらかネガティブな感想が聞こえる。来年はポスターセッションを申し込みたいという声が少なくない数あった。Mさんによれば,心理関係の学会などは査読つきの課題研究以外は全部ポスターセッションらしい。もしかしたら学会大会の形や雰囲気も変わっていくかも知れない。

 山内研で同期のSくんとも再会し,近況など。福武ホールに寄ったら,山内研・中原研のメンバーがいたので,学環コモンズに入れてもらい,昼食をそこで一緒に食べることにした。

 その後,Sくんとともに安田講堂に向かい,全体会とシンポジウムに出席する。何人かの先生にご挨拶したり,長らく渡しそびれていたものをお渡ししたり,シンポジウムの内容を確認したりする。

 新学会長・永野先生挨拶。日本教育工学会全国大会は第25回だけれども,11月に入らないと学会設立25周年の記念期間ではないらしい。晴れて25周年に入ったら,学会のシンボル(ロゴ)マークを公募するのだという。そういえば,日本教育工学会にはシンボルマークが無かった。なんかちょっと考えて応募してみようかな…。

 シンポジウムは「変革をささえる教育工学:サスティナビリティとスケーラビリティ」という題目で,中原先生をコーディネータに,強力な面々を登壇者として迎えたものである。中原先生の持ち玉としては,わりと鉄板なところで突いてきたという感じではあるけれど,それゆえ面白みのあるシンポジウムだったと思う。コメンテーターに,経営学畑のお二方を迎えて,進行しているシンポをパサァと斬って断面を見せてもらう趣向にしたことがうまく効いた。

 シンポジウムの議論自体は,昨日のサブ・シンポジウムで語られていたこととも通じていたと思う。永野先生によるとどうやらメイン・シンポジウムの方の議論とも通じていたらしいから,やはり「研究と実践」あるいは成果普及の問題は,教育工学という研究分野全体に共通する主題なのだろう。このシンポジウムについては,また別に詳しく書いてみたいと思う。

 安田講堂でのシンポジウムが終わったら,そのまま安田講堂地下に広がる中央食堂を会場に懇親会。

 学会の懇親会は,居場所や居心地の予想を付け辛く,参加する直前まで気持ちが躊躇してしまう。とはいえせっかく来たのだからと,人の流れに身を任せて,懇親会会場に紛れ込むことにした。

 考えてみれば,今年は在籍していたキャンパスでの開催なのだから,知った顔も少なくない。まずは山内研のメンバーあたりと集いながら,懇親会を始めることにした。

 M1(修士1年生)の後輩達とは,一緒に過ごす時間も少なかったものだから,特に先輩らしいことは何一つしてあげられていなかった。そこで,山内先生のお許しももらって,先輩としてM1をいろんな先生達に紹介することになった。

 研究室に縁の深そうな先生方から探し回って,気がつくと山内研と中原研のM1後輩たち4人を引き連れていた。懇親会会場は大盛況で,先生方を捕まえるのはなかなか難しかったけれど,世話焼きおばさんのつもりで幾人かの先生方にM1の後輩をご紹介することが出来た。ちょっとは先輩らしいことが出来てホッとする。

 私個人も幾人かの先生方とご挨拶。本当はもっとたくさんの先生方に徳島へ飛んだことを直接ご報告しなければならないとは思いつつ,タイミングが合ったり,お声掛がけいただいた先生から順に近況などご報告する。

 途中,影戸先生が「お〜,うわさのりんさんか」と声をかけてくださり,「???」で話を聞くと,「ちゃんと飯は食えているのか,みんな心配してた」とのこと。知らないところで,想像以上,多くの方にご心配をおかけしていたのだと,大きく反省。そうやって思っていただけていたことに対して,ご恩返しの仕事・研究など貢献をしなければならないなと感じた。

 そんなこんなで,あっという間に懇親会も終わり。会場の後片づけに男手が必要ということなので,喜んで手伝う。いつまでたっても実動部隊で動けるつもりの自分。後から筋肉痛や疲労が襲ってきて苦しむことを,いつも忘れる。

 片づけ終わって福武ホールへ。予定では,みんなに連れられて地下で行なわれているはずのワカモノ飲み会に合流するはずだったが,荷物をスタッフ室に運んだついでに,同じ研究室出身のSさんとの会話が始まって居座り開始。あれやこれやと話が続いて,スタッフの皆さんも会話に加わり,さらに話が盛り上がる。気がついたらワカモノ飲み会は終了していた,ははは…,予定は未定だから。仕方ないので池袋に帰った。

 明日は最終日。学会が終わった後,片づけの手伝いが必要なときに,声がかけられてもいいよう終日滞在できるようにしてある。その辺は様子を見ながら,ウロウロしていよう。