平成二十四年師走六日

 11月の出張三昧が終わり、帰ってきたと思ったら,授業やら積み残しの宿題やらをやっているうちに12月になってしまった。とっ散らかった研究室を整理する余裕もないまま日々が過ぎる。

 本日も上勝小学校への出前授業で朝からドライブ。4年生達がバザーのチラシを作る活動をサポートした。iPad上のNote Anytimeというアプリを使って製作している。細かい好き嫌いはあるかも知れないが、手書き派の小学生が使うアプリとしては,このアプリが一番便利だと思う。実際、子ども達はかなり使いこなしている。小学校は年明けに1回やって最後。

 上勝中学校への出前授業は,年内は19日にやって,年明けに数回訪れる予定。今回の仕事を引き受けて,iPadを小学校と中学校で活用するための課題がいくらか見えてきた。

 アプリ開発のアイデアも生まれたので、学校現場で使える便利なアプリを作ってみようかと考えている。隙間の時間にいろいろやってみよう。

 iPad mini(7.9インチ)が発売されたので,さっそく入手した。

 携帯性が9.7インチiPadよりも優れているので、さっそく実務環境をiPad miniに移してしまうことにした。こういう機会に環境の再構築をするのが一番なので、バックアップをコピーせずに,一からアプリのインストールや環境設定をする。その方がトラブルが少ない。

 今回のiPadシリーズからLTEに対応しているので,インターネット接続に関しても期待できる仕様になっている。問題はソフトバンクから購入するか,auから購入するかといった選択になるのだが、いまのところはソフトバンクの回線の方が評判よさそうだ。

 とはいえ,私の場合,iPhoneをソフトバンクとの契約で所有しているため、さらにiPadも契約するのは気が進まない。かといってauと新たに契約するのも同様に懐にはキツイ。昔から続けているdocomoとの契約をうまく使えないかと考え,新しく導入するiPad miniをdocomo回線で使うことにした。

 幸い、回線契約をxi契約に切り替えることと,simカードをナノサイズにすることは最小限の手数料で問題なく手続きが出来た。そして,iOS6.01アップデートを使う方法でdocomoのLTE対応も可能になったので,無事にdocomo版iPad miniが完成。とはいっても評判通り回線速度は他社に比べて遅いため,あまりLTE化の恩恵はないが、問題なく使えればそれでよいので満足。

 iPad miniの売れ行きは好調のようである。Nexus7やKindle Fireと比べてどうのこうのと論評するのも楽しいが、使いたいものを選択して買って使えるというこの状況自体が幸せなことだなぁと感慨深く思う。かつてのMacは風前の灯で,使いたいプラットフォームが使えなくなる危機感みたいなものを真剣に不安がっていたから、iOSのたくましさは心強い。

 ただ,iOSは「変化」のOSなので,WindowsにおけるXPのように息の長い利用を許さないところがある。Androidは「分断」を許しているので自分の環境を末長く堅持することも不可能ではない。そのような性格だから,iOSは不易を望む場面の多い教育現場に対しては使い難い面が大きい。Androidがぼんやりと支持されるのは,その点に余地を残しているからだ。

 Apple製品は,変化を楽しむことが出来る場面に適している。だから,新しい物事に取り組むような教育や学習の場面に対してであれば、iOS機器はとても刺激的な道具になる。けれども,変わらない部分を維持するためには適さない。いま気に入っているアプリが5年後,10年後の機種で同様に動作している保証はない。

 もちろんAndroidもWindows8も,同じく変化を追いかけているから、同じ問題は少なからず起こる。そういう意味では,こうしたプラットフォームが動作する機器は,あまり寿命が長いと思わない方が得策ということなのだろう。

 秋のフューチュースクール巡りはとても勉強になった。

 そうした知見は,文部科学省でのアルバイト等に活かせたらと思う。指導方法モデル等の検討チームの検討作業は,ほぼ終わりを迎えたようなので、今度は実際に試してみるというフェーズ。何かの役に立つように頑張りたい。

 けれども,あまりにもICT当たり前環境を見過ぎたので、逆にごく普通の学校におけるICTが特別な環境の雰囲気や実情を見失いがちかも知れない。その辺のギャップをどうやって埋めていくのか。やはり地方自治やら予算関係やら機器導入やらの問題を避けては通れない。そのことについても考えなければならないと思う。

 公私相変わらず慌ただしく,どうも落ち着きが足りない。厄年も残り少ないが、後厄の来年を無事過ごせるように気をつけて過ごさねば。