ベネッセコーポレーションの調査機関であるBenesse教育研究開発センターでは,様々な調査研究を行なっており,その成果を広く公開している。(Benesse教育研究開発センター > 調査・研究データ)
この度,「子どものICT利用実態調査」の結果がまとめられ,速報版として公開された。4月14日には記者発表会も行なわれ,調査と結果に関する説明が披露された。
文部科学省の携帯電話等に関する調査の速報が2月に発表されたが,あちらは文部行政のための基礎資料を得ることを目的とした網羅的力技的な全国調査。
一方,ベネッセが行なった「子どものICT利用実態調査」は,対象とする子どもたちを人口規模や密度を考慮して有意に抽出した調査となっており,なるべく子どもたちの目線に近づくことを特徴とした調査である。
たとえばINTERNET Watchの記事などで,記者発表会と調査の概要が紹介されている。
(追記:さらに翌日には追加のWeb記事が掲載された。この調査に一番興味深い部分の紹介である。)
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Benesse教育研究開発センターのサイトにある「速報版」を最後までご覧いただければ,何やら気がつかれると思うが,私も調査・分析のメンバーに加えていただき,ご一緒にお仕事をさせていただいた。
この種の調査は,似たようなものが多いので,新たに取り組むにあたって何を大事にすべきか,えらく悩んで考え続けていた。独自性を持たせるというのは,言うのは簡単だが,奇をてらっても使える調査データになるとはいえない。かといって,単純な実態調査では,文部科学省の調査みたいな網羅的力技的な調査が存在するところで意義が見出しにくい。
そんな風に相変わらずうんうん悩んでいる私をぶら下げながら,調査企画チームの皆さんのご努力によって調査が進られ,子どもたちの目線から見えるものをわりと素直に反映した調査成果を出すに至ったわけである。それはとても良かったと思う。
来月には,調査・分析メンバーによる原稿を含んだ調査報告書が刊行される予定。私が何を書いたのかは,またそれが公開されてからご紹介するとして,その原稿の続き(?)も書いてみたいと思う。