これだ!このソフトを探してたんだ!

 「インスピレーション」というソフトがある。アイデア表象ツールであり,アイデアプロセッサと呼ばれる類いのソフトである。最近で言えば,アイデアマッピングツールといえば通りがいいかもしれない。
 インスピレーションはその手のソフトとしては有名で,そしてなかなか使いやすいソフトであった。現在でもアメリカの開発元でVer8が発売されているが,日本語版はない。
 とても歴史が有るソフトなので,OSの移り変わりとともにバージョンが上がったわけだが,日本語版はVer6でストップしている。そのためMac版はOSXには対応していないし,Win版もXPで動作確認できてるだけ。今後は白紙なのである。

 そんな過去のソフトウェアとなったインスピレーションなきあと,あの「マインドマップ」旋風も手伝って,今度はマインドマップ・ソフトがあれこれ登場する。これもアイデアを視覚化する点では似ているが,トニー・ブザンという人が提案した方法論みたいなものが注目されたため,どれも何かしら似たような空気が漂っている。
 問題はトニー・ブザンが箇条書き風のノートテイクを「つまらないノート」と言って切って捨てるところにある。つまらないことには同意するが,そのおかげで世のマインドマップは「中心イメージからの枝分かれ」という原理が教条的に受け入れられてしまって,その手のソフトも「中心トピックス」が必ず必要になってしまっている。
 ものによっては中心トピックスが,必ずソフトの作業領域の中央に位置づく必要があって,スペースを自由自在に使いたい場合,たとえばKJ法(カードやポストイット)的な使い方は,許容してくれないものも多い。
 特に,それは操作性において色濃く,表面的にはKJ法的にアイデアをちりばめられるとしても,その状態を生成するのにマウスドラッグが必要だったりと,手順が多くなって結構煩わしさが伴うのだ。

 私個人としてはあくまでも,アイデア入力をキーボード中心で連続して行なえ,その後,それをマウスで関係づけながらマッピングしていくことをしたい。
 入力時に,階層構造も簡単にキーボード操作で制御できれば嬉しいし,次々とアイデア・トピックスを増やす操作も,単にリターンキーやエンターキーなどで自然できるものが良い。
 だから最初見た目はKJ法的にアイデアが羅列し,あとでじっくりマップを練り上げるものが欲しい。それをうまい具合のバランスで実現しているものは,ほとんどなかったのである。

 その中で,一番希望イメージに近かったのは,その操作性もデザイン性においても,Mindjet社のMindManegerというソフトで,こちらは企業にも導入されている立派なソフト。
 ただし,中心ピックスの位置固定問題があった。これは我慢するしかなかった。けれども,それ以上に,私が構築する環境だと,日本語のトピックスを連続入力する際に入力文字取得の問題が発生し,パッパッパッとアイデアを入力していく肝心な作業で使い物にならなかった。
 新バージョンになって改善されているかと思いきや,残念ながら問題はそのままだった…。
 こうして,なかなか気に入ったアイデア表象ソフトに出会えぬまま,長らく漂っていた。

 アイデアマッピングツールのネタがあれば,すぐにも探しに行き,マック版があれば試してみたが,どれも操作性や動作の軽快さやデザイン性などのバランスに難があり,いまひとつだった。
 「こりゃ,もうオムニ・アウトライナーオムニ・グラフで我慢するしかないかぁ」と思っていた。ちなみに,この2つはデザイン性と柔軟性はよろしいが,キーボード操作を重視してない点が残念。そもそも2つ組み合わせて使うのは煩わしいし…。
 
 
 
 そこへ,また新しいアイデアマッピングツールの情報が舞い込んだ。
 「マインドピース?どんな感じだろう…」
 
 

 「マインドピース」はアイデア粘土細工ソフトウェアであると紹介されている。京都の小さなソフトウェア会社のソフトで,いまにところオンライン上でのみ販売。しかし,これを開発したプログラマー氏は,あのデジタルステージ社がリリースした数々のソフトの開発にかかわっていた人物。これはもう期待度大である。
 
 
 そして,マインドピースは小粒ながら,まさに理想に近いアイデア表象ソフトだった。
 
 
 マインドマップ的な使い方はもちろんできるし,中心トピックス的なものも生成されるが,2つ目のトピックスを入れたら,それはもう中心でも何でもなくなる。KJ法的な使い方にもフィットしている。
 なによりデザインセンスがよい。まだ小さなソフトウェアだけれども,ゆえにシンプルで軽快で,柔軟性もありそうだ。まだまだ改善・拡張の余地もあるし,欲しい機能がたくさんあるが,それは今後の楽しみでもいいくらいである。
 まさに「これこれ,これを探してたんです!」というソフト。マック版のみならず,Win版もあるので,ぜひ試していただきたい。
 こういう小さなソフトウェアを育てて末長く使いたいものである。
 
 バナーつくってもらっちゃった…。→ Mindpiece_banner_88x31

 ちなみに同じ京都にあるこちらは大学の京都大学から「アイデア革命」というソフトも登場している。こちらはWin版しかないが,発想支援という,また違ったコンセプトでプロデュースしている興味深いソフトだ。
 嬉しいのは学校機関へのプレゼント企画をしていること。条件が合うようならぜひ応募してみてはいかがだろうか。締め切りは12月末。