皆さんもニュースでお聞きになることと思うが,アップル社の音楽プレーヤー「iPod」が新しいラインナップと新しいサービスをひっさげて私たちの前にやってきた。
これまでも大きなiPodはビデオ再生が可能であったが,今度のラインナップは,そもそも画面のないの最下位機種を除けば,Video再生が標準機能であるというコンセプトを打ち出している。これは教育分野,特に映像コンテンツを扱う高等教育や教材ビジネスの分野にとって,大きなインパクトもたらす。
もちろん新しい「iPod nano」のデザインには賛否両論あり(ほっそりした従来デザインに比べて,新デザインは薄くはなったが太ってしまった),売れ行きがどうなるか予断は許さない。けれども上位クラスとして登場した「iPod classic」と待望の「iPod touch」と合わせて考えれば,今回のiPodが示した(Videoという)方向性が避けられないものであることは明らかである。
高等教育レベルだけでなく,小中高校段階に向けた教育コンテンツにおいても,そろそろVideo教材の波に対する準備を整えておかなくてはならないだろう。供給者側においては,当然ながらすでに開発に取りかかっていることだろうが,むしろ利用者である学校や保護者側の準備を考えなければならない。教材コンテンツばかりあって,上手な使い方のサジェスチョンが行なわれなければ,せっかくの宝の山も無意味である。
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私個人は「iPod touch」こそ待ちこがれた新iPodである。携帯電話機能が付けば「iPhone」というわけで,たしかに無線LANのない場所でも通信できる点で魅力的だが,日本での販売がどうなるか分かったもんじゃない。しばらくは「iPod touch」が日本で大ヒットするだろう。う〜んすると,なかなか手に入らないというわけか…。
ちなみにiTunes Music Storeからダイレクトに購入できるサービスも発表された。いちいちパソコンから曲などを購入して転送する手間が省けるようになる。つまり聞きたいと思ったときに,iTunes Music StoreにWiFi接続(無線LAN接続)して,購入できるわけである。
iTunes Uも同様に利用できるとなれば,「iPod touch」や「iPhone」単体で,大学の講義を自由に選んで受講できる時代がやってきたことになる。日本の放送大学も,ぼちぼち本気で対応を検討した方がよいと思うんだけど,どうなのよ?