カリキュラムデザイン-02

 集中講義2日目。新しい内容を取り込もうと,いろいろ試してみるが,その部分は初めてということもあって据わりの悪い状態になっていたりする。今朝もそういう感じになってしまったので,自分の中では不満足な気持ちを抱いた。
 学生に対してはそれっぽく説明して見せるが,それでも内容の繋がりの荒さは学生の授業理解に如実に反映されるもので,「難しかった」という感想は(昨日とは打って変わって)そういうことなのだと真摯に受け止めなければならない。

 教育評価の代表選手として「絶対評価」「相対評価」「到達度評価」「ポートフォリオ評価」を取り上げて,それぞれの特徴や問題点など解説した。学生達の反応は,私からすると意外だった。比べてみて「相対評価がいい」と表明してくれた学生が少なからずいたのである。
 ご存知のように,平成13年度に小学校などの評定が相対評価から絶対評価に変った。相対評価では各評定に人数配分があって,実際にクラス全員が総じて成績が良くても,評定上は「1」や「2」のつく子ども達が生じてしまう。そのせいで,学期を超えた評定の貸し借りみたいなヘンテコな事態も起こっていた。それを是正するのも含めて絶対評価へと変った経緯がある。
 ところが,学生達の中には「先生が正しく評価してくれるか不安」「客観的に判断するのが難しい」という絶対評価の問題点を理由に「相対評価の方がいい」と考える意見があったのである。とても興味深い反応だった。
 これは絶対評価に変った経緯を知らないというだけでなく,評価の難しさを考えたり感じたりした上での意見なのだろう。評価規準表などの取組みは,この問題を乗り越えるための地道な努力であるが,そのようなものに接して考えれば考えるほど,難しさを痛感するのだと思う。

 それにしても夏の暑さは私たちのスタミナをどんどん奪っていく。使用している教室は新しい校舎にあるのだが,空調システムが中央管理方式になっていて,個別の教室で調節ができない(こういう使い難いシステムを解決するのが技術というものなのに,21世紀になっても何も改善されていない…)。みんな疲れがたまってしまった。
 台風が近づきつつあり天気が心配だが,残り2日間も頑張っていこう。