睦月24日目

・教育再生会議の第一次報告が出た。
 →Webページにも(議事録を追い越して)第一次報告「社会総がかりで教育再生を〜公教育再生への第一歩〜」が掲載された。同時に(やっと2ヶ月ほど遅れて)「いじめ問題への緊急提言」も掲載された。もしかして,官邸サイトのWebサーバーの更新作業って,何かしら制限があるのだろうか。そう簡単に更新できないように,いろいろ手続きやらを複雑にしている気がしてきた。
 七つの提案の吟味はこれからしたいと思う。十七から七に減量した努力(したのかどうか…)は認めるが,七つでも多すぎ。関係者にとってはお待ちかねの「教育3法」の改正フェーズが始まり,この七つの提言がアリバイとして使われていく様を再生会議委員一同は苦々しく眺める事になるのだろう。とりあえず第一次報告が出てきて一段落したところで分かったことは,飲み屋の社長は自分の会社や学校は語れても,日本の教育を語るにはダメダメだったということと,同じ年齢で頑張って欲しかったヤンキー兄ちゃんが事務方相手だと熱くなる前に放水を浴びてダメダメだったということなど。今後に期待ということで…。
・週刊「東洋経済」1/27号・特集「ニッポンの教師と学校 全解明
 →結構なボリュームの特集。週刊「ダイヤモンド」でもお金を生む教育に関する小特集があった。お父さんメディアというと,この手の経済雑誌しか有力なものがないのだろうかと思う。そういえば,テレビで村上龍が「団塊世代男性向けの雑誌が欲しい」なんて言っていた。そういう類はいっぱいあるような気もするが,考えてみると消費行動誘導目的の雑誌ばかり。論壇誌では,たとえば「世界」で特集「教師は何に追いつめられているか」とか,「中央公論」が特集「大学下流化時代」とかを相変わらずの調子で取り上げているけれども,月刊論壇誌も伝えるメディアとしてはだいぶ影響力を落としているらしいことを聞く。
 やはりテレビは,やらせ問題で揺らいでいるとはいえ,伝搬力は依然大きい。クローズアップ現代では「私立大学が変わる」というテーマが放送されたり,昨年11月にも「地域の学校が消えていく?」といった話題を取り上げた。もっとも難点は,この番組がたくさんのテーマを扱ってくれるので,見逃したり,たくさんの主題の中に一つ一つの主題が埋もれてしまうことか。
・いじめ,未履修に続き「給食費滞納」問題
 →22億円分だそうだ。これは誰の責任として問題を扱うのだろうか。問題の扱い方も気になってくる。これから始まる国会は「教育国会」にするらしい。ぜひとも教育予算倍増計画をぶちあげて,実現して欲しいものである。悲しいことにグローバル市場の中に教育を放り込むために一番障害になっているのは「言語」の壁である。この壁さえなければグローバル市場にある安価な教育リソースを自由に使えるはずなのだ。しかし,残念ながらこの国の教師と子ども達がしゃべるのは日本語。その市場の特殊性を考えると,教育コストはもっとかかってしかるべきなのだが,何故か他国に比べて教育予算額は最低ライン。摩訶不思議な国である。
 小学校からの英語教育によって,もし日本の子ども達が英語を第二言語にしてしまえるなら,いずれは英語圏の巨大教育市場の中で提供されるものの恩恵を受けられるだろう。そんなことを夢見ている人も英語教育推進派にはいるのかも知れない。もっとも,そこへ至るまでに必要な条件整備コストを払う苦痛に耐えられるほど,この国の財務関係者は教育分野を大事にしてくれない。国民が自分で払えばいいでしょと,国民が家計から支払う潜在的な教育費の方に繰り込もうとするんだろうな。だとしたら,結局は所得格差が教育機会格差につながっている構造は,未来永劫変わらないって事になる。勝ち逃げ組にとってはそれが一番都合がいいのだから。
・その他
 →帰国してから,まだ日常とうまくシンクロできていない。足が地に着いていない感覚。駄文書いてりゃ戻るかなと思うのだけど,なんかそれも全然ダメで,頭の中が刹那主義になっているみたいだ。それじゃ,パァーッと映画見よう!と思って出かけたが,観た映画が「それでもボクはやってない」…。凄く興味深い映画だったことは事実なのだが,裁判制度の矛盾や関係者の葛藤については話題として聞いたことがあったので,自分の中での(テーマの)目新しさは小さかった。でも司法現場の実情が垣間見られるなど,この映画は何かの機会があれば観ておきたい一本である。問題は,映画のチョイスが悪くて,晴らそうとした気分が,別の意味でどんよりしてしまった…ははは。司法現場もそうだけど,教育現場もひどいことを思い出したりして…。
 焦る気持ちとポワーンと怠けている調子が同居している状態が,なんとも気持ち悪い。リズムを取り戻せるように,あれやこれや試してみるしかない。ゴメンねぇ,気分屋で。

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