久しぶりに新聞社のWebサイト巡りをして教育関連記事をチェックしようとした。ところが,この頃,いじめ問題や未履修問題,そして教育基本法改正という異例のトピックスの多さに,過去記事があっという間に一覧リストから消え去っていることに驚いた。
いままでは,ちょっと間が空いても,わりと先月の後半くらいの記事は残っているのが通常ペースだった。それが安倍内閣と教育再生云々が始まってからは,教育関係の話題も政治ジャンルで記事が流れ,そして枝葉の話題も取り上げていくことでどんどんペースが上がってきたのである。
これが今後とも恒常的な事態になるというなら,それはそれで社会的関心が教育にも向けられるようになったと喜ぶべきことかも知れない。でもたぶん,竜巻みたいな一過性のような気がして仕方ない。
読売新聞は,この数日「先生はなぜ忙しいのか」という連載を始めたようである。先生が忙しいということの実態がちゃんと伝わっていないことを考えると,少しでもこうした情報が出るのは大事なことだと思う。
興味深いのは,最初の2回の記事がどちらもITの活用について触れていることだ。もはや仕事上必要不可欠だが,そのIT機器が入ってもなお多忙,という実態にもう少し多くの人たちが気づいてほしいと思う。そんな仕事なのに,各教員に1人1台のパソコン配備の保証が未だにないこと。もうちょっと深刻に考えてほしい。
NHKのクローズアップ現代では「学校選択制の波紋」として地域の学校が消えていく事態を取り上げていた。一部の学校にはプラス面もあったのかもしれないが,むしろ多くの地域にとってマイナス面が現実化し,問題に直面しているということをレポートしていた。導入当時から懸念されていたことが現実化しているわけだ。ここでも先生達は大変。
先生達は忙しいのか。よくご存じのように,「忙しい」というときの漢字は「心・亡」と書く。先生達は「心亡くしている」いるのだろうか。はっきり申し上げれば,心亡くさないようにもがいているのが学校の「先生」という人たちである。落ち着かない日々を慌ただしく頑張っているだけ。そのことをもっと理解しなければならないと思う。
心亡くしているのは,ナンタラ法改正を急ぐどこぞの「センセイ」たちの方である。ああいうのを本当の「忙しい」という。