一昨日の夜から関西入りして,昨日からの日本教育工学会に参加している。この学会とのご縁は2001年にさかのぼり,そのときは他分野の人間という感覚での参加だった。しかし,いよいよこの分野のフォーマットの上に則って自分の研究を展開しなければならなくなったから,あれこれ意識しながら発表などを聞いている。
1日目のシンポジウムは「ICT教育とそれを支えるシステム」というテーマを聞いた。別の部屋では「社会人学習環境を創る」という,これも興味深いもの開催されたが,やはり教育現場関係のシンポを選んだ。
あらためて,シンポジウムというのは難しい。いや,設定されたテーマが難しいのかも知れない。ICT教育がどうなるのか。そんな問いかけに陥ってしまったら,きっと議論百出だし,なにより今は政治問題と化しているのだから,研究者集団として何かをアピールすることは出来ても,問題対象を研究するというアプローチからどんなに迫っても,実りはないのかも知れない。損得で動くゲーム盤の上にのっかる覚悟があるかどうかを問われてしまう。
(そういう意味では社会人学習環境を創るのは,団塊の世代からのニーズもありそうだし,世代交代によって薄まりつつある企業ノウハウや知識の喪失危機という意識が市場を生み出す損得世界が広がっていて,まだ夢があるのかも知れない。それを夢というかはいろいろ議論もあるかも知れないが…。)
様々な一般発表を聞いて,分野の幅広さと様々な関心があることを改めて認識する。応募総数は過去最高数だそうで,確かに会場中を走り回らなければならないくらい。
やはり体力は大事ということか。ちなみに関西大学は街から離れた自然多き場所にキャンパスがあり,街を見下ろせるその展望は素晴らしい。今朝は正門でバスを降りて大会会場まで歩いてみたのだが,学生さん達が朝から声を上げてスポーツしていたり,秋の気配を漂わせるキャンパス内の山道は,優雅な気持ちを抱かせてくれた。
周りが木々に囲まれているだけに,学舎周辺の空間には大きな木のようなものはなく,現代的な建物でシャープに空間が構成されているので,そのコントラストがまた興味深い。
さて,これから2日目のシンポジウムが始まり,懇親会があり,夜の交流会とイベント続き。そういう機会にいろんな人を知ってみたいと思う。人見知りせずに,上手くは話せるといいのだけれど…。