演歌の世界

20060701a_sky20060701b_sky 七月に入った。これまでにも増して慌ただしい日々が始まろうとしている。昨日は教育分野で事業を展開するソフトウェア企業さんとの共同研究プロジェクトにお誘いをいただいたので参加した。機会をいただけて感謝感謝。
 携帯電話を教育活用するためのアイデアを示唆するというのが私たちの課題。すでに継続的に研究に参加している現場の先生メンバーから意見や提案をもらったり,研究者メンバーからも論点の投げ掛けや議論の集約など発言がやりとりされて,研究会が進む。
 みんなでブレーンストーミングの場は大好きなのだが,私自身は頭の中で一人ブレーンストーミングする癖があるので,しばらく黙ったまま議論の行方を追っていた。
 手短に書けば,他社との差別化を図るためには,ポリシーを明確にして打ち出し続けなければならないという,営業のイロハの話になる。でなければ,ある種の流行を捉えたり,人々の不安意識を煽った形の売り出し方で短期的な成果を追いかける途へと入り込むしかない。そうなれば,あとは価格競争という体力・耐久力勝負の世界になってしまい,サービスに対する適切な維持コストも掛けられなくなる。これは健全とはいえない。
 というわけで,かつての職場でシステム購買の仕事をした経験もあるから,買う側として(つまり稟議書類を作成する人間として)押さえて欲しいことを述べて,教育分野で頑張ろうとするならば「演歌歌手」のように,最初はなかなか売れないかも知れないけれど(実際,ご存知のように教育界は腰が重い),一本筋を通して頑張っていれば,いつかは売れて人々に語り継がれるようになる,と話した。
 そりゃ企業人にとってはヒットソングで「ミリオンセラー」が欲しいのだろうが,教育業界をターゲットにした以上は,覚悟を決めて「演歌」を歌い続けなければならない。それでも売れたいなら「氷川きよし」になるしかない。
 という話をしながら,そりゃもうちょっとまともな意見もちょっとずつ発言しながら研究会を終えた。その後の意見交換会。「少し違う観点からの意見だったので新鮮でした」と言ってもらった。それから調子に乗って隣の方に,Web2.0界隈について聞いた話を受け売りながらも熱く語り,もっと営業や開発でこうやったらいいんじゃないか!と,なんか勝手にまくし立てていた。ははは…,すみません。


 で,全然関係ないんだけれども,演歌やヒットソングやらの繋がり?と,小泉首相がエルビス・プレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」などを唄って爆笑もしくは失笑を買ったとかのニュースを聞いて,サタデー・ナイト・ライブ(SNL)の一コマを思い出したりする。米国のiTunesミュージックストアでは,たくさんのテレビ番組を販売しているが,サタデー・ナイト・ライブも過去のクリップを発売している。一部分だけ試写できるのであれこれ観るだけでも楽しい。
 その中に「Barry Gibb Talk Show」というコントがある。たぶん米国のテレビでよくある「政治評論トーク番組」をパロディコントにしたのだと思う。で,試写できる部分は,いきなり二人の男性デュオが番組テーマソングを歌う場面から始まるのだ。この歌がうまいというかなんというか。SNLはコメディ番組にしては音楽性の豊かなところがあって,本格的におちゃらけたことを演奏するところが笑いになっているコントも多い。
 で,この「The Barry Gibbトークショー」っていう架空の政治評論トーク番組のテーマ曲は,こんな歌詞なのである。
「♪あんたが何を言おうが関係ねぇ〜!話しちゃえよ!Barry Gibbトークショーで!問題について話そうぜ!たくさんの政治問題を! 話しちゃえよ!Barry Gibbトークショーで!政治について確かめろ!このクレイジーなトークの時間で!」
 って,エルビス風っていうか,ジョン・トラボルタ風に踊り唄ったら,満足げにどこへ行くのかというと,司会者席へ行こうとするのだ。試写部分はここまで。でも観たことなくてもこのコントの先行きはわかる。要するにこのトラボルタ風デュオが政治評論家相手に政治のトークショーを繰り広げるというわけなのである。なんか想像するだけで笑ってしまう。(日本風にいえば「くず」が政治トーク番組するみたいなものかな,でもだいぶイメージ違うなぁ…)(追記:Barry GibbというのはBeeGeesの人のことらしい。そうか,曲もBeeGeesのパロディというわけだ。)
 こういう真面目におふざけをするパロディ精神を大事にしたいなぁと思う次第なのであった。だいぶ演歌の世界とはほど遠いようにも思うかも知れないが,実は,演歌もパロディの世界と無縁じゃない。つまり,その全然関係なさそうなお話に少しは関連をつけるとすれば,人々に影響を与えるというためには,楽しさや入りやすさが必要であり,それをSNLが長寿番組であるように長く続けることが大事ということ。商売にも研究にも,同じ事が言えるんじゃないかなと思うのだ。