Show must go on.

 職場で大学祭。先日の駄文にも書いたように,プレ企画という名目でお昼のラジオ番組にチャレンジした。大学祭前日までの4日間限定で,マイクとスピーカを設置したスペースを学生ロビーに用意し,大学祭の告知などして雰囲気を盛り上げようという,助走の手助け企画だった。
 ところが,意外と好評だったこともあり,「ぜひ当日もやって!」という声に押され,半分片付けた機材をもう一度組み直し,当日もラジオブースを構えることになってしまった。当日はのんびり構えて大学祭を楽しもうかと思っていたのに,フル回転でラジオのパーソナリティ兼裏方をこなすことになった。
 有り難いことに,ラジオブースはいつも賑やかだった。卒業生が立ち寄る場所としてもうまくいったし,ちびっ子も興味津々で近づいてくる。普段はキャンパスにいない男性陣も物珍しさにちょっかいを出してくる。模擬店の店員さんもやってきて,ラジオで賑やかに宣伝をしてくれる。学生ロビーを中心に,楽しい雰囲気を演出できたのではないかとちょっと満足している。来年は,いよいよ学生達にバトンタッチすべきだろう。


 今年の大学祭実行委員会の規模も体制も,今まで以上に組織的なものになり,私たち教員が手助けしなければならない部分が減りつつある。お恥ずかしい話だが,規模の小ささや学内のもろもろの事情もあって,従来の実行委員会は結構手助けが必要だったのである。それがようやく他大学のように普通になってきたというだけなのだが,それでも我々にとっては大きな進歩なのだ。
 あとは,かつてはあったのに途絶えてしまった企画や,学生達が思い至らないアイデアについて示唆を与えたりするのが教職員側の役目だろう。なるべく相談し易いように日頃からコミュニケーションをはかってみたりする。
 お昼のラジオ番組は,学生達が思い至らなかったり,手が回らない部分を「こうしたらどう?」という意味を込めて補うための企画だった。当日が上手くいくよう準備に集中している実行委員達の気持ちもわかるが,他の学生達の意欲や期待を高めていくために,当日以前のプレイベントにも配慮したい。少しでも当日への気分をシェアできれば楽しさも倍増する。
 実際,ビンゴ大会のためのビンゴカード販売を告知して即売をしたところ,かなり盛況で,前売り分を売り切ってしまうことができた。こういう風に,ラジオ番組として注目を集める中でやると,ただ「どこどこで売ってます」的なやり方より,告知効果も販促効果も高くなる。そういうのを実感して欲しいなと思う。
 大学祭当日にやってくる若い男性陣も,年々気質が変化しているように思う。男性陣が学生達目当てなのはいつものことだし,衣装を身にまといメークをした学生達はいつも以上に刺激の強さを増しているのも毎年のこと。時代を超えて男女の追っかけっこ構図は似ているのだが,最近は,男性側の強引さは薄れてきたし,女性側には毅然さが増しているようにも思う。私自身は,昔ほど心配することはなくなった。もっともラジオブースから見える風景は限られていたのだけれど。
 そんなこんなの大学祭。ラジオとは別に,学生から依頼を受けていた大役をこなし,すべてのプログラムは無事終了。後夜祭会場の後片付けの後,私は一人でラジオブースの片付けをする。機材の整理や後始末をしていたら,また学内は真っ暗。祭りが終わって,また日常が戻ってきた。次の日はいつも通り講義。休みもなく日々が続く。