大学院入試

 学会発表を終えて自分の未熟さを痛感する。失敗をバネに投稿論文の準備に取りかかろうとしていた。絞りきれずに本3冊分ものネタを詰め込んだというなら,この一部分をシングルカットすれば論文に値するはず。物事はそう単純ではないが,見当はつき始めたので,久し振りに投稿してみようと思う。もっとも,最近は学会紀要に届く投稿数も増加しているらしいから,競争は激しいに違いない。

 そんなことを考えていた休日。「大学院に行ってみてはどうか?」と薦められた。そういえば大学院入試出願の季節である。いきなりの大胆な提案に,冗談半分だろうと笑いながら適当に受け答えしていたが,どうも本気の提案らしい。確かに私自身,いつかは大学院に戻って,研究を積み重ねたいと思っていた。修士を出た後は,我流で済ませてきた人間だから,今一度,研究の基本を磨くためにも博士課程に入学できれば,それに越したことはない。唐突な提案だったが,少しずつ自分自身にも大学院へ入学したいという気持ちがむくむく膨らんできた。
 まあ,本当なら,しっかり研究計画を立てて,いろいろ試験対策など準備を整えながら大学院の道を模索するのが筋だが,こういう物事の変化はいつも突然起こるものだ。そういえば,去年も違ったベクトルだったけど,あることを決意して立ち回ったっけ。毎年1回,何か決意しないと気が済まないのかいな。まあ,とにかく嘘から出た誠。瓢箪から駒みたいな事態は結構好きなので,やってみることにした。まずは出願書類を取り寄せなくては‥‥。

 大学院入試といえば,「英語」やら,専門知識や論文とか研究計画に関する口述試験やらが待っている。もともと苦手な上に,長らく使っていない「英語」の試験を受けなければならない。一番のネックはそこか。そのうえ,古い修士論文引っ張り出して要約しなければならないし,研究計画もまとめてみなくては。
 人生,もう一度くらいこの手のことで苦労するなら,今しておいた方が年齢的にも状況的にもよさそうだ。出願が成功するかどうかもわからないし,入学試験が受けられるかどうか,合格できるかどうかもわからない。でも挑戦は1回きりで終わるつもりもないので,その初めの一歩がこんな形でも悪くはない。さて,これから数年間は,大学院を目指して頑張るか。それと,投稿論文も書かないと。