義務教育改革案

 ネタ探しの一環として,久しぶりに文部科学省サイトを覗いたら,河村大臣の名前で出された「義務教育の改革案」が掲載されていた。意見を募集中だという。大臣名の案とはいえ,もちろんこれは省全体としての方向性を表している。
 1. 義務教育制度の弾力化
 2. 教員養成の大幅改革
 3. 学校・教育委員会の改革
 4. 国による義務教育保障機能の明確化
 以上,大きく4つ,それぞれについて改革案項目を挙げている。説明によれば,先進各国において「国が教育の目標を設定してその水準の確保に責任を負い、その達成のため、国が必要な教育投資を惜しまず行う一方で、教育の実施はできる限り地方・学校の創意工夫を生かすようにしている」ことに倣い,その考え方のもとでこの改革案を提示するのだという。
 当然,これらを逆から,もしくは裏側から読み取る必要もあるだろう。文科省としては,実質的なコントロール力を確保しておきたいのが基本であるから,地方や学校の裁量を認めつつも如何に手綱を握りしめておくかという点がポイントになる。教員養成の改革は,その一つと考えられるだろうし,ここに書かれていない事柄も大いに関係してくる。たとえば教科書検定については何も触れていないが,それが大きく影響することはご存知の通りである。学習指導要領が実際的に最低基準となるからには,教科書の在り方はますます問題になる。
 また義務教育の国庫負担金問題や教職員定数問題は,言わずと知れた大問題だ,注視しなければならない。