2009年を振り返って

 本年もありがとうございました。よいお年をお迎えください。

 2009年もこども店長と大橋ポニョのぞみちゃんを見守りつつ間もなく去る(まだちょっと時間あるけど…)。ある意味,激動の一年だった。そして,それは2010年以降にも続く変動の始まりに過ぎないということも分かってくる。

 米国初の黒人大統領が就任し,日本では本格的な政権交代が起こった。諸々のニュースを総合すれば,もう何が起こってもおかしくないという事に確信が持てるようになったわけで,そこで正統性や正当性を維持することがどれほど困難であるか強く自覚されなければならなくなっている。

 事業仕分けは,とても印象的なイベントとなった。それに駆動されて起こった出来事や人々の反応は,さらに印象深かった。希望も見えたが,残念な気持ちになる事柄も多かった。

 それでも2009年とは,私たちがもう一度様々なスケッチを描き直すことを可能にするきっかけの年になったと思う。その意味では,悪くない年だった。旧いスケッチを描いた人々には,不満も多かったかも知れないが…。

 私自身は,いろんな人々にお世話になった東京暮らしを終えて,人生初の西日本,四国暮らしを始めた。また異なった世界にポーンと飛び込んだので,ほとんどの事柄がリセット状態。最初からやり直すのは苦ではないが,周りには迷惑をかけるので,人間関係は自然と疎遠になる。そんなこんなでひとりマイペースに過ごしているといったところ。

 いつか映画「となりのトトロ」のサツキとメイの家のような場所で過ごしたいと願っていた人間からすると,俗に言う都落ちをして四国の地に移ったことは,宝くじに当たったようなものであった。すぐ隣に森があるわけではないものの,四国の海と眉山などの自然に囲まれたそこは,住むのにとても心地よい。

 男の独り身は気楽だが,それなりに慌ただしい。準備と授業も追いかけっこしながらの自転車操業状態。自宅よりも研究室に滞在する時間の方が圧倒的に長いが,それができるだけでも幸せだ。

 久しぶりにプログラミングの虫が騒いだのでiPhoneアプリの開発もしていた。来年はモバイル端末に新しい風が吹くことが予想されるので,iPhoneやAndroid,そしてアップル社の新しいタブレット端末を前提として,その先へ繋げるために知るべき良い点と悪い点を洗い出していく必要がある。手を動かしながら,あれこれ考えたりしていた。

 新しい年は,iPhoneアプリのリリースからスタートする。そこから得た反応をもとに教育現場向けのiPhoneアプリの開発に繋げて行く予定だ。研究成果によって社会貢献するのとは逆に,社会貢献の成果を研究に活かせるのかどうか。小さな実験だが,その試みにわくわくしているところである。

 それから長いこと棚上げしていた宿題を片づけなければならない年になると思う。論文執筆も取り組む必要があるだろう。気分屋さんだから,そういう雰囲気をつくれるかどうかが重要。

 2年目になれば,職場の仕事も増えてくる。すでに声掛けが始まっているものもいくつか…。授業準備も初年度の見直しとともに整理して,テキストを書くくらいの気持ちでいかないとなぁ。やりたいことは盛りだくさん。

 来年も慌ただしさは変わらないが,さらに良い年に出来るといい。