意図的な欺き

 すっかり政治に取り囲まれた教育問題が,様々な意図的欺き(ミスディレクション)によって,誰かに都合のよい方向へと持って行かれている。
 教育基本法のときには目立った抗議活動も,教育関連3法案にフェーズが移ってしまうと,シンボリックさに欠けるためか,静かなものである。
 4月に行なわれる学力テストについて,すべてがあらかじめ描かれたシナリオに基づき仕組まれた90億円の茶番劇だと批判する週刊誌記事が掲載されたりしている。

 ここ数日の自分の浅はかさに誘われて,柏端達也『自己欺瞞と自己犠牲』(勁草書房2007.2/3000円+税)という本を手にした。久し振りにお堅い本(でも入門書)を読み始めたところ。
 まだご紹介するほど読めてもいないが,ちょっと先を覗くと「信念の論理と高階の自己欺瞞」といった議論が展開しているところなんかは興味深い。
 実社会は「コレとコレは別!」だなんて奇麗事を許してくれたり,温かく見守ってくれるほど優しくないので,自分自身の自己欺瞞的な部分にひとり悩むことも多くなる。
 無限退行していくような思考に,私なんかすぐ疲れちゃうところがあるので,もう「私が悪うございました」と素直に負けを認めることも多くなったが,それでもどこかで永続する自己欺瞞な部分に人生終始苛まれるのだろう。
 そうなのよ。いつまでも気持ちは若い若いと自分を欺いてちゃいけないのね。世代規範ではなく年齢規範に則って振る舞いを慎まなければならなかったのだ。元気なのは結構だけど,出来るだけ控えめにしましょう。
 またごめんね,裏方に徹するの忘れて…。

 さて,明日も会議やらセミナーに参加。頑張っていきましょ。