Intel Education Curriculum Round Table始まる ((米国渡航記04))

 米国オレゴン州ポートランドにあるホテルを会場に,Intel Education主催のCurriculum Round Tableがスタートした。少々頭痛を残しながら,私も初めて参加することになった。
 今回の主役であるIntel Education(インテル教育支援プログラム)については先日も軽くご紹介したが,まだまだ一般的な認知や教育関係者へのアピールも足りなさそうなので,繰り返しご紹介する必要がありそうだ。
 もっとも百聞は一見にしかずだから,インテル教育支援プログラムWebサイトをご覧いただいた方がいい。最近リニューアルして,以前よりも見やすくなった。

 民間企業が社会貢献活動をすることは目新しいことではなくなっが,日本ではまだ当たり前という域には達していない。海外を見ると社会貢献活動によって税制上の優遇を得られるといった状況があるので,様々な社会貢献活動が展開しているようだ。
 インテル社のようなグローバル企業になれば,社会貢献活動の規模も一国に限らず全世界を対象としたものになっている。世界には支援を必要としている国が多いが,こうしたグローバル企業による社会貢献活動は,いよいよその必要性が高まっているというわけである。
 そして,おそらく,どんな国においても「教育」の重要性は高い。社会貢献活動の一環として教育支援プログラムを推進するインテル社の取り組みは,国際社会が将来にわたって協働する基盤をつくるという意味でも,大変注目すべきものだといえる。

 日本でもインテル教育支援プログラムは展開している。しかし,残念ながらそのようなプログラムを活用するという土壌が日本では育っていないため,馴染みが薄いのも事実だと思う。
 教育支援プログラムにはいくつか種類があるが,近年力を入れているのは「教員研修」(英語ではプロフェッショナル・デベロップメントになり,専門能力開発という翻訳になってしまう場合もある)の分野である。ICTを活用した授業の開発が出来るよう授業づくりを学ぶコースが用意されている。
 インテル社は教育の専門家に依頼して授業づくり研修プログラムを開発してもらい,それを全世界に提供するという支援活動を行なっているわけだ。だから,教員研修プログラムの中身は,教育学的な知見に基づいたものと考えていい。
 21世紀型スキル(その詳細な定義はさておき)を子ども達に身につけさせる授業をつくる能力は,今後の教員にとって大変重要な能力であり,それを見据えたインテル教員研修プログラムは,各国から支持されている。

 インテルの教員研修プログラムは,毎年バージョンアップを続けているらしい。そしてその新しいバージョンを世界各国の関係者に披露し,様々なフィードバックを得たり,各国への翻訳に必要な情報交換をする場が,Curriculum Round Tableという,今回私が参加している会議である。
 今年はプログラムの大幅な改訂があり,そのための質疑や意見交換が活発に行なわれている。コンテンツの開発者や技術者と,各国の教育支援プログラム担当者や関係協力者とのやりとりは,それぞれのお国事情を反映していて興味深い部分もある。

 我が日本チームも,インテル教育支援プログラムを支えている担当の女性お二人と,おまけでついて行った私の3人で参加。お二人の女性がなかなか積極的な方々なので,やりとりは任せて私はぐるぐる考え事をし続けながら過ごしている。
 他国と比べて,日本は教育支援プログラムの活用度が低いというあまり褒められた立場でないのが弱みだが,新しいプログラムへの移行も含めて,活用してもらうための方策を模索することになる。

 とにかくスケジュールは朝から夕方まで盛りだくさん。頑張らないといけない。