私が長崎で独り芝居(研究発表)をしていた日,教え子達が大きな舞台で児童劇を上演していた(写真1,2)。児童文化研究部「はとぽっぽ」というのが,私が顧問をしていたクラブである。
長い長い伝統のあるクラブなのだが,学生全体のクラブ活動停滞もあって,私が引き継いだときには部員が5〜6人という時期もあった。そこからまたどんどん大所帯になって,いまは50人弱いるらしい。そして年の瀬のこの時期に,定期公演がある。
舞台というのは,想像以上に裏が大変なのである。しかも学生達は,律儀な厚生労働省のおかげでみっちり授業があり,準備や練習のための時間を確保するのも難儀な日々。大学のクラブなんて肩書きだけの顧問というのが普通かも知れないが,ここの場合それだけでは部員達を支えられないのである。
本番前日まで,衣装の作り直しや細かい演技指導が入ったらしい。昨年,とある事情でこの会場が使えなかったので,今年の部員達は会場の勝手も分からぬ状態からのスタートであることを考えれば,その苦労たるや大変なものだったろう。それにもかかわらず,険しい道を選択して頑張った教え子達に心からエールを贈りたい。
主人公姉弟の名前は「りん」ちゃんと「ゆうき」くん。学生の言うことには,姉の方の名前は「先生からとった」らしい。親バカならぬ担任・教員・顧問バカで恐縮だが,こういうことする教え子が居てくれるというのは,教師冥利に尽きるとしか言いようがない。
さて,直接指導した学生達が卒業するまで,あともう少し。それで少しは気が楽になる。それでもザ・ショウ・マスト・ゴー・オン!たとえつまらないと言われようとも,私自身のショウをまだまだ続けなくてはならない。