10月24日からNHKで教育フェア2006が行なわれている。世界的な教育番組コンクールである「日本賞」を中軸として,特別番組放送やイベントが開催されている。
教育番組に関する国際コンクールを主宰するのが日本であり「日本賞」という名前が付いていることは,意外に思う人達も多いはずである。すでに40年もの長い歴史があるが,当の日本人にはほとんど知られていない。そして,昨今の日本の教育を考えると,その賞の舞台にふさわしいかどうかも考えてしまう。
ただ,逆説的だが,日本ほど教育番組コンクールを主宰したりするのに適した国もない。
特別番組「これが世界の教育番組だ」を観ると,日本の立ち位置というのがおぼろげながら見えてくる。日本という国は,そこで何かをする(たとえば奇抜な教育番組をつくる)には厄介事の多く厳しい環境だが,余所の物事・情報を収集して距離を置いて眺めたりする(たとえば他国の教育予算が多いことを羨む)のに適した緩い環境なのである。皮肉なことだが,それは日本の強みだったりする。
(ちなみに,BBCが取り組んでいる「BBC Jam」についても紹介されていた。500億円規模5年プロジェクトの進捗が分かって興味深かった。)
番組「日曜討論」で伊吹文部科学大臣を迎えての討論。どんな話しぶりなのかを初めて見た。就任直後の英語教育云々騒動の時にも感じたが,番組における語り口を聞く分にも,優先順位を判断し論理的に論じる力のある人に思えた。ご本人にその力があるのか,あるいはこの短期間にレクチャーできる有能な官僚がいるかどちらかであろう。
討論内容自体は,1時間番組で,キレイな討論を目指したものだから,核心を突くような深い展開は望めない。とはいえ,その条件において,悪くない展開だったと思う。さすがベテラン番組。