8月1日の情報教育セミナーでは,参加している研究会で開発しているWebベースの携帯モラル教材について紹介した。直前の打ち合わせで,パネルディスカッション登壇者の発表内容調整を行なえたおかげで,開発経緯・方針と教材そのものの紹介に撤することができた。
もっとも質疑応答パートでは相変わらずの調子だったらしく,あとで「楽しそうな話しっぷり」だったと声をかけていただいた。落ち着きが足りなかったかなと自己採点していたのだが,むしろ全体の雰囲気に抑揚がついた感じになって良かったのかも知れない。それというのも他の登壇者の皆さんの安心感のある発表のおかげ。
セミナーが終わって名古屋へ。次の日から「カリキュラムデザイン」という科目名の集中講義を3日間行なう。今年は新しい校舎が建ったというので,確認のためにも初日は早めに出かけた。
今年の受講生は50名弱。昨年度は30名程度だったし,4日間だったから結構アットホームに展開した。今年度は人数が増えて,期間は3日間に減ったから,ちょっと勝手が違う。とはいえ,私も職業教育者の端くれなので,これくらいの変化で怖じ気づくわけにはいかない。きっちり仕事させていただくことにする。
もっとも講義は朝から夕方までの長丁場。私はしゃべり続けることができるとしても,それを聞く学生たちがノックアウトされてしまっては元も子もないので,休憩時間や終了時間を融通したり,授業展開もワークを入れたりして,それなりに工夫する。少々雑談も交えながら,カリキュラムデザインの世界を縦横無尽に語り倒しつつ,同時に評価規準表や学習指導案の作成作業も並行させて,なんとか3日間が終了した。
不思議なことに,授業に対するコメントの多くが「講義は難しくて理解できてないですが,先生の話は楽しかったです」という風に書いている。どうやら,話している内容はともかくとして,本当に「楽しそうな話しっぷり」らしい。本人としては,緻密にやるべきところを端折って手を抜いた感覚があって,いまいち納得していないのに…。
けれども最近は,もうちょっと他者の評価を素直に受け取ってもいいのかなと思い始めている。自己評価しても無限後退に陥ってしまい,生産的でなくなってしまうから,少しは肩の力でも抜こう。
とにかく,今回もよい教え子に恵まれて3日間の講義を過ごすことができた。こんな幸せなことはない。講義の中身は,またいつの日か社会に出てから思い出してくれたら,それでいい。
集中講義が終わったその足で,岡崎へ。前の職場の教え子が夏祭りの踊りに参加しているというので,様子を見に行くことにした。大勢の市民の皆さんが見物しているところを小走りに,残り時間わずかのところで踊る学生の一団を発見。担任をしていた学生5人と再会したり,教職員の皆さんとも久しぶりに会えた。みんな元気そうだった。
そして,翌朝は東京へ。東京大学BEATセミナーに参加する。昨年,人材育成をテーマにした回で予告されていた人材開発向けのゲーム教材が紹介されるというので,実物を見たかった。
今回のBEATセミナーは「座ったままでは帰さん」ということで,参加者がグループを組んでディスカッションをするという趣向が取り入れられた。そのまま周りの席の人たちとグループになるかなと思ってたら,「りんさん,りんさん」と呼ばれた。「はい,なんでしょう」と聞いたら,「りんさんはアソシエイツなんだから,関係者は抜けてください」と言われてしまった。そうだ,関係者に入ってたんだ。思わず苦笑い。
懇親会では今回初めて参加した皆さんと楽しく歓談した。常連として(というか,もはや関係者として)初参加の皆さんのお話をお伺いしたり,つながりを盛り上げるのも大事な役目になるのかなと思うようになってきた。いずれにしても,異業種の皆さんのお話をに耳を傾けるのは,とても勉強になる。有り難いことである。