今後の計画を練っているので,あんまり余裕がないのだけれど,気晴らしに見たCMが興味深かったので,駄文に。教育フォルダからリンクを張っている「Ads of the World」は,いろんな宣伝ポスターやCMを見ることが出来る。そこに「World Swim For Malaria」という募金運動のCMがあった。
世界には興味深い広告が多いことは「世界まる見え!テレビ特捜部」なんかでご存知だろう。ごく普通のも,下らないのも多いとは思うが,やはり圧倒的な出稿量を背景に,内容的にも芸術的にも高い水準にあるものも多い。とにかくいろんな広告があって,場合によってはとても面白い教材にもなりうる。
さて,見つけたCMは「World Swim For Malaria: Jambo jet」で,タイトルからは「swimとjambo jet?なんだろう」とあまり想像がつかない。しかもよく見ると「マラリア」とも書いてある。ますますわからない。
CMを見ると,子どもたちが空港のカウンターで遊び回る映像とフランク・シナトラ「Come Fly with Me」の歌声が聞こえる。JALのCMをモノクロにした感じともいえる。でも実際にはジャンボジェットを7機分いっぱいにする子どもたちがマラリアで亡くなっているという事実を紹介するCMだった。
けれども,なんで「World Swim For Malaria」なのか?「swim」って単語は,「泳ぐ」以外にも意味があったんだろうか。疑問に思って辞書を引くと「困難を克服する,乗り越える」という意味もあった。「マラリアという困難を乗り越えようって事か?けれども,それじゃforはおかしいだろう…」
仕方ないので,「World Swim For Malaria」にアクセス。なんだちゃんと日本語版が用意されている。説明を見るとみんなで「一緒に泳いでから募金しよう」という運動だった。つまり人を集める口実・手段として「スイム」大会を催して,そして,いくらでもいいから募金してもらうということだ。すでにイベント期間は終わったが,募金自体はできると思う。
「水泳」が良いアイデアかどうかはさておき,なるほど単に募金を呼びかけても大きなムーブメントにはならないということらしい。ここにもマーケティングの発想があるのかも知れない。
「ホワイトバンド(ほっとけない世界のまずしさ)」なんかは募金直接送金ではない運動ではあるけれども,あの白いバンドを使って上手にプロモーションしていた。(その問題も指摘されている)
水泳とホワイトバンド。どちらがどうとはあえていわないけれど,興味深い比較である。こういうのは社会科や総合的な学習の題材にならんかな。2つの運動の在り方を比較するだけでも,世界の動かし方の勉強になるかも知れない。その入り口としてCMも有りだと思う。