授業記録などでビデオカメラを活用する場面は多いし,最近は子ども達にカメラを持たせてメディアリテラシーの教育に繋げようとする授業実践もあるようだ。私も職場にデジカメやビデオカメラを導入しようとしたことがあるが,購入商品の選定には頭を悩ませる。
ビデオカメラに限れば,かつては「液晶ビューカム」の名でお馴染みだったシャープ製のものにも人気があった。三脚を立てて,記録画面をチラチラと確認するには便利だからである。もっとも最近の商品はどこも液晶テレビ画面を一通り備えているので,どれを選んでもよくなっているのかも知れない。
さてしかし,時代はとうとうハイビジョン。テレビの方も買い換えが少しずつ進んでおり,横長画面はすでに広まっている。家庭用ビデオカメラの市場も,ここでハイビジョンへと飛躍したいところのようだ。そこで老舗の底力を見せているのはソニー。全体的なブランドイメージや技術力が低下しいると,最近は批判も多いけれど,ビデオカメラ「ハンディカム」開発グループは着実に前進している。ハイビジョン・ハンディカムを続けざまに発売。そのたびに驚くほどの小型化を実現している。特に昨年発売された「HDR-HC1」は,完全に家庭用ビデオカメラ市場向けに耐えうる小型化を実現し,爆発的な人気を誇った。
ただ,なぜだソニー。君はどうしてビデオテープの出し入れを筐体の底面をカパッと開けるタイプにし続けたのか。おかげで三脚にセットして撮影中にテープ交換をすると,一旦三脚からカメラをはずして,本体ひっくり返し,テープを入れ替え,再び三脚にセットして,続きを撮影することになる。そんなことしているうちに時間を浪費し,撮影チャンスを逃してしまう。なにより,そんな作業で撮影者自身のリズムが崩れてしまう。これはソニー社ハンディカムの最大の欠点だった。
しかし,おめでとうソニー。今度発売した「HDR-HC3」はさらに小型化されて持ち運びが楽になっただけでなく,念願だった上からビデオテープ交換が実現されている。そうだよ,やればできるじゃん。これこそかつてのソニー水準。こだわりを感じるものづくり。
さっそく職場に導入しよう!と思ったら,ああそうだ。もうそんな立場じゃなかった。退職金で買おうかな。