「カリキュラムデザイン」という授業が終了した。4日間の集中講義で,朝から夕方までを過ごした。終わってみればあっという間だし,振り返ってみれば大した内容を盛り込めていなかったのかも知れないと思う。
それでも学生にとっては新知識が短期間のうちに流れ込んでくる,めまぐるしい4日間だったようで,カリキュラムデザインがなんなのかをまとめることについて不安が残っている者も多かった。そりゃそうだ。私の講義実践が及第点だったとしても,受講生が専門家へ華麗なる変身を遂げるには,4日間はあまりに短い。半期の授業だって,難しいというのに。
講義をやり終え,少し気心の知れかけた学生たちと別れてから,教務課に終了の挨拶をする。そしてここからは独り反省会。学生たちのコメントを読んで一喜一憂する。ある程度割り引いて考えながら,とりあえず自分を労ってみるのだ。
最終日は昼食抜きで学生たちと過ごしていたので,帰路で食事をとる。帰宅してからしばらくして,案の定,眠りに落ちてしまった。目覚めたとき,あたりは真っ暗。映画『ボーリング・フォー・コロンパイン』のテレビ放送を見て,ニュースを見て,これを書いている。明日は本務校で朝から面会やら会議やらの連続。その用件の多さに不満があるわけではない。心落ち着かないことが,悩ましい。満たされる気持ちを何から得るべきか,きっと自分自身で見失っているのだろう。
集中講義は,体力勝負であると思う。同時に,知的精神力の挑戦でもある。若い世代の学生たちと限られた時間で関係づくりをし,知的に切り結ばなければならない。それはそう簡単な事じゃないことを,次第に広がる年齢格差が自覚させてくれる。それでも,互いに苦労を乗り越えた4日間は,わりと充実感をもたらす。一期一会,そういう言葉が素直に当てはまる,それが私の集中講義だ。