講義の第1週が終わる。金曜には学生っぽいアフターの時間を過ごしてみたりと,賑やかな一週間だった。来週は授業も本題に入り出して,いよいよ濃い日々が始まろうかというところである。
テキストや参考図書が示され,いくつかは購入済み(積まれて読書待ち含む)であった。けれど,遠く実家方面の蔵書群に残してきたものもあり,いつ取りに行こうか悩ましい。そんなこと考えながら,部屋に散らかった文献を分野ごとに整理する作業をしていた。
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「学習科学」に関する参考文献を今一度おさらいしようと思う。と同時に「カリキュラム研究」に関しても見直しをする必要がある。授業研究やカリキュラム開発あたりの話は,どうも放っておくと某K先生あたりの成果に寄り掛かり気味になる傾向が周辺にはあるので,自分なりにバランスを取れるようにしたい。
まあ,学習科学分野に関しても何か(日本の)文献はないかと眺めてみると,放送大学テキストのシリーズがずらずらと上がってきてしまうという寡占状態みたいなものがある。
波多野,大浦,大島『学習科学』2004
三宅なほみ『学習科学とテクノロジ』2003
稲垣,鈴木,亀田『認知過程研究』2002
波多野,永野,大浦『教授・学習過程論』2002
大島,野島,波多野『教授・学習過程論』2006
波多野,稲垣『発達と教育の心理学的基盤』2005
これに米国学術研究推進会議編著による『授業を変える』(原題 How People Learn)北大路書房2002であるとか,わりと定番が決まっている。
そうか,そう考えれば,攻めやすいのかも知れない。それぞれ断片的にしか読まなかったところがあるので,もう少し丁寧に読み返してみたい。
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心理学(特に認知心理学や学習科学)への理解を深めていくことによって教授学習という教育の営みを考えていこうというアプローチになる。文系寄りでやって来た頭を多少なりとも理系寄りに切り替える必要がある。
佐伯,宮崎,佐藤,石黒『心理学と教育実践の間で』(東京大学出版会1998.9)は,この切り替え作業を若干は助けてくれるのかも知れない。これも読み直したい本の一冊か…。
あとは「統計学」に正面切って挑むことになる。独学我流の限界(と書くと法則化運動っぽいな)を感じていたところだから,この機会に学び直せるのは嬉しい。でもたぶん道のり険しい。
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平成17年度教育課程実施状況調査の結果が公表された。新聞報道では「学力改善の方向」とかいう風に報道されている。
経年変化を1回前との比較でしか見られない分析結果に対して評価的なコメントはできるはずもなく,慎重に見守るというほかない。全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の実施も近く,それについての議論喧しいが,データを継続的に取り続けることの大切さは事前に実感し難いものである。