入学式

 今日は入学式。行ってきま〜す。

 平成19年度東京大学大学院入学式が本郷キャンパス安田講堂で行なわれた。入れ替えで2回行なわれ,総長式辞と研究科長式辞を聴く。いよいよ東京大学大学院学際情報学府の大学院生としての生活が始まった。
 小宮山総長の式辞はシンプルだが印象的であった。配布された東京大学憲章とアクションプラン2006を紹介し,東京大学が「世界における知の頂点を目指す」ための両輪であると位置づけた。

 知の頂点を目指すために必要なものは何か。「知識」あるいは学識ももちろん大事ではあるが,むしろ「勇気」が大事であると総長は説く。
 この「勇気」には3つの勇気が含まれているという。「孤独を恐れぬ勇気」「功を焦らぬ勇気」「他流試合に挑む勇気」の3つである。
 「孤独を恐れぬ勇気」は,自らの研究テーマを追究する際,細分化された研究コミュニティや学問体系において,ますます他者の理解を得ることが困難になっているという状況に耐えるため必要である。
 「功を焦らぬ勇気」は,ともすれば業績数を増やすことが目的になってしまう風潮に抗して,どれだけ自らの研究行為に誠実であれるかという際に必要なものである。論文発表は手段なのであって目的ではない。
 「他流試合に挑む勇気」は,他者との学術的な論争を恐れず積極的に論を交わすことで,自らの研究の弱点を埋めたり,研ぎ澄ませていくために必要である。特に世界水準の研究を目指す以上,海外の研究者との他流試合にも挑むべきである。
(正式な記録はこちら「平成19年度 東京大学大学院入学式総長式辞」)

 午後からは各研究科毎のガイダンスが行なわれた。お待ちかねの学生証を受け取り,時間割や授業シラバスなどの説明を聴く。考えていたよりもハードな毎日が待っているみたいだ。
 主な施設を案内されたあと,コース別の説明会。30名ほどの新しい顔ぶれの自己紹介やこれからの大学院生活の流れを再度詳しくレクチャーされる。先輩の経験談なども聴いた。よくばって授業を取りすぎると自分の時間が無くなるから注意した方がいいと強調されていた。バランスは難しい。
 その後,先輩方による新入生歓迎会が行なわれ,立食形式で歓談する。多様な分野が混在する学際情報学府という大学院は,他のコースやゼミとの交流が少なくなりがちなところもあるので,積極的に関わっていくことが大事になる。
 ビンゴゲームも工夫が凝らされて(名前ビンゴゲームになっていた),お互いが挨拶したりコミュニケートするチャンスをつくれるようになっていた。孤独になる大切さとともに,つながれる仲間が存在することも大事なのだと思う。
 歓迎会が終わり,ゼミ室に戻る。一緒に入った新しいゼミ仲間と一緒に授業のとり方など先輩からアドバイスを受けながら思案する。新しい電子メールアドレスの設定や図書館利用の書類など,あれこれ気に掛けていたら夜の9時を回っていたので,帰路につく。

 丸一日の入学行事が終わる。間髪入れずに翌日には先輩方の修士論文経過発表会があるし,来週からは授業も始まる。初心に戻って走り出すしかない。

入学式」への2件のフィードバック

  1. さくあゆ。

    ご入学おめでとうございます!いかがでしたか?良いスタートとなりますように。

  2. N

    「入院式」ですね。お疲れさまでした。
    「再入院」、無事に完治されますよう。
    …検査入院をもう一回したい気分です。

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