学習科学塾−転移編・参加者募集

 学習の「転移」については,教育に興味を持った皆さんは聞いたことがありますよね。決して真新しいお話ではありません。けれども,どうやら世界の研究界の前線ではあらためて「転移」が注目されているそうなのです。
 学習科学に関する研究会から派生した1日だけの勉強会です。英語文献ですが,興味のある皆さん是非。英語得意ではない私も頑張っているくらいですので,そこで立ち止まらないで,ご一緒しませんか?
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魁!学習科学塾 番外編ー転移
発起人:山口悦司(宮崎大学)
    中原 淳(東京大学)
    望月俊男(東京大学)
    林 向達(東京大学修士課程)
    舘野泰一(東京大学修士課程)
    三宅正樹(東京大学修士課程)
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■趣旨
 学校で勉強したことって将来役に立つのか??な
んて考えこと、ありませんか?ある時点で学んだ内
容が、次の時点にどのような影響を及ぼすのかは、
よくわかっていません。
 学習転移といわれるこの問題は、非常に大きな教
育的意味を持っています。それだけに様々な意見が
主張されてきましたが、まだまだ見解の分かれる未
解明な部分です。
 今回の番外編では、
・学習科学の国際ジャーナルの小特集(2006年)
・転移に関する最新の図書(2005年)
を輪読し、学習転移研究の現状と今後について
議論します。
 学習研究の最前線では、転移の問題がどのように
捉えられているのか、その意義や将来について、集
中的に学ぶことができます。
 研究会には下記の条件を満たす方なら、どな
たでも参加できます。
ふるってご参加ください。
1.下記の日程に参加できる方。
2.下記にある文献リストのうち、1つ以
上を担当しA4レジュメを作成し、発表でき
る方。なおレジュメは、PDF化し、NAKAHAR
A-LAB.NETにて公開させていただきます。
 ※研究会は相互貢献の場です。
 ※オブザーブのみに参加は認めないこと
  とします
なお場所の関係で、人数を11名にて打ち切ります。
ご了承下さい。お申し込みはお早めに。
■日時
 2007年 1月16日(火曜日)
   午前10時 – 午後7時まで
■場所
 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
 大学総合教育研究センター
 マイクロソフト先進教育環境寄付研究部門
 tel:03-5841-1727
 fax:03-5841-1729
 東京大学本郷キャンパス内 第2本部棟4階
 403号室です。
 http://www.utmeet.jp/access/index.html
 
■参加の申し込み方法
 参加申し込みは、下記のリストから担当
したい論文を3個ご選択の上、下記の申し込み
フォームをつかって、
mmiyake[atmark]mvg.biglobe.ne.jp
のメールアドレスまで11月30日までにメールをください。
 ご指定いただいた3つの文献のうち、1つを
ご担当いただければ幸いです。
 【1】、【2】などという風に番号
でお知らせください。
 なお人数の関係で、11名を上限に参加者を
打ち切ります。先着順といたします。
 参加費は一回100円をお茶代として申し受けます。
〆ココカラ———————————-
申込フォーム
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名前:
所属:
メールアドレス:
文献担当希望:
 第1希望
 第2希望
 第3希望
————————————〆ここまで
■文献内容
1. 学習科学の国際ジャーナルの小特集(2006年)
The Journal of the Learning Sciences/ Volume: 15, Number: 4 2006
【1】 Alternative Perspectives on the Transfer of Learning: History, Issues, and Challenges for Future Research
Joanne Lobato
【2】Framing Interactions to Foster Generative Learning: A Situative Explanation of Transfer in a Community of Learners Classroom
Randi A. Engle
【3】Sameness and Difference in Transfer
Ference Marton
【4】Authoritative, Accountable Positioning and Connected, General Knowing: Progressive Themes in Understanding Transfer
James G. Greeno
2. 転移に関する最新の図書(2005年)
Transfer of Learning from a Modern Multidisciplinary Perspective
(Current Perspectives on Cognition, Learning, and Instruction)

目次情報
http://www.loc.gov/catdir/toc/ecip0513/2005009105.html
※今回の読書会では、以下のchapterを取り上げて輪読します。
【5】Chapter 1
Schwartz, Bransford and Sears
これまでの転移研究で用いられてきた指標とは異なる視点から新しい転移像を構築することを目的に。ターゲットとなる問題を解決出来るかどうかではなく、ターゲットとなる問題をよりよく学べるかどうか、将来の学びへの準備としての転移、という概念の提唱。
【6】Chapter 2
Wolfe, Reyna and Brainerd
fuzzy trace theoryという理論的枠組みから、転移を可能にする記憶の形態を考察する。
【7】Chapter 4
diSessa and Wagner
複雑な知識の集合としての概念が、文脈等の情報とどのように関係するのか、熟達者と初心者における概念やその適応能力の仕方の違い等から転移における問題を考える。
【8】Chapter 7
Hickey and Pellegrino
評価と転移との関係を評価を構成する3つの側面、学習理論、教授と評価の心理的距離、総括的あるいは形成的評価等の評価の役割、から考える。
【9】Chapter 10
Dziembowski and Newcombe
古典的研究の詳細な見直しから、これまでの研究が見落としてきた転移元と転移先における概念の違いや、転移の可塑性を明らかにする。
【10】Chapter 11
Hakel and Halpern
How People Learnの知見から、転移を促進する為の方法を考察
【11】 Chapter 12
Fisch, Kirkorian and Anderson
インフォーマルな場からの転移とはどのようなモノなのかを、テレビの教育番組の内容がどのように転移するか等から考える。
※当日、研究会終了後、懇親会をいたします
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研究会幹事:三宅正樹(東京大学修士課程)
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