熊本市内で全日本教育工学研究協議会が開かれているので飛んできた。来週,関西大学で日本教育工学会の大会が予定されていて,同分野の大会が2週連続で行なわれることになる。
ただこちらの協議会は,現場の先生たちの実践や研究の報告が多い。学校現場の情報教育について考えたいならば,こちらの方が現場の先生たちと情報交換できて勉強になる。昨日はフィンランドの教育に関する講演と現場実践に関するシンポジウムが行なわれた。
懇親会は高くてパス。その代わり,夜の飲み会に誘われたので,現場の先生や業者の方々と歓談した。こうして全国から地道に頑張っている先生方が集まり,自分たちの実践を蓄積している成果が今後大事になる。
高校の単位履修不足について報道が相次ぐ。やって来た熊本は問題なしという県だが,全国の多くで問題があるという調査結果も明らかになった。なんで今さらこの問題が大々的に報じられるのか。こんな形で取り上げられたら,この時期に卒業学年の子どもたちが貧乏くじを引くことになる。
教育再生云々は,マスコミの「不安あおりネタ」探しの対象を教育問題に広げさせたという効果ばかりを生み,再生どころではなくなっていまいか。
問題を解決することは大事なことであり,それが放置されていたこと事態が問題だと人々は考えるだろう。けれども,もう少し丁寧に結び目をほどかないと,肝心の生徒たちが大きく傷ついてしまう。カタルシスを得るための報道合戦や無責任な批判・責任追及について,私たちは最大限の自制を求められている。