無理にメディア教育とひっかけたいわけではなくて,私自身の欲求として「クレーン撮影」がしてみたいのである。男の子は機械ものに興味を持ちやすいが,その後,それがどんな発展をするかはそれぞれだ。私の場合,カセットレコーダとか,ビデオとか,そういうものに興味を持ったので,おのずと表現活動への関心が強くなった。
それで,いわゆるカメラワークみたいなものにも興味を持つのだけれど,とにかくなめらかなカメラ移動をする映像に引き込まれる傾向があって,その最たるものがクレーン撮影というわけである。
いやなんというか,肩で風を切って歩くファッションモデルの姿をスーッとクレーンカメラで追いかけていく映像を見ると,そのカメラワークにぞくぞくしてしまう(なんか変か?)。あるいは,気持ちの良い空撮も見ていてうっとりしてしまう。
クレーンではなく,カメラマンが身につけてカメラを支える器具があり(名前まだ知らない),これはカメラマンの動きの振動が直接カメラに伝わらないようなしくみになっているものなのだが,もし家庭用ビデオカメラに使えるものがあったら欲しいくらいだ。
実は先月,主要携帯電話会社の人々の話を聞く機会を得て,いまどきの子ども向け携帯の動向を勉強した。最近の子ども達は,携帯のムービー機能を使って,短い短編映画を撮影する遊びもしているらしい。そんな話を聞いて,「あ,それは俺がかつてナショナルのカセットテープレコーダー「スナッピー」で友達と音だけドラマを野外ロケしながら吹き込んだ遊びの現代版だな」と思ったのである。いつの世も子ども達は身近なメディアを面白がって遊びに使おうとしている点で変わらないのだなと思ったのである。
で,おじさんになった私は,性懲りもなくハイビジョンビデオカメラで映画撮影できないものかと夢想していたりする。もっとも今となっては機材も何もかも無いけれど…。